「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幸福の行方7 ~パウリンの娘番外編~

 ←幸福の行方6 ~パウリンの娘番外編~ →幸福の行方8 ~パウリンの娘番外編~
ルシオンはサンドラの周りに居ないタイプだった。
支部を離れて、屋敷に戻ってからも、たまにあの日の事が想い出された。
それが如何してなのかずっと分らずに居たのだが、今目の前に居るルシオンを見てハッキリと気付いた。 
自分もこの人の事が、ずっと気になっていたのだ。

それに、あの言葉。

『・・・・俺がサンドラに気があるってシザーレが気付いたからじゃないの?』

その言葉に心が震えた。
それなのに・・・・。

「それで、どうするの!?」

「えっ!?」

「レライの侍女。やるの!?」

何事も無かったかのように話しを流した。

「・・・・それは・・・・。でも、いきなりお城だなんて・・・・」

「それはどんな所でも一緒だよ。それに知らないお屋敷より見知った者がいる環境の方が働きやすいと思うよ」

「確かに、それはあるかも・・・・。でも・・・・」

気後れしそうだと思った。

「まぁさ、シザーレっていつも勝手に決めて物を言うから、戸惑うのも分かるけどさ」

「そうなのよ! 本当にいい迷惑だわ」

「でも、シザーレって決して間違った事は言わないんだ。唐突だし、凄く嫌だと思う事もたまにするし、正しいか? と問われたら考えてしまう事もするけど、間違ってるか? と聞かれたら、それは絶対に間違ってないんだ。俺、凄いと思う」

「お兄様の事、そんな風に言う人初めて見た・・・・」

「皆、口に出して言わないだけだよ。それが分かっているからあのアイスラントがずっと傍に置いているんだ。俺も振り回されたし、それは良い気はしないけど、シザーレの事は信用できる奴だと思ってる。あいつのお蔭なんだ、レライが今幸せを掴めているのも」

「お兄様の!?」

「そう。だから、シザーレが言うなら間違いないよ。先の事なんて誰も分らない。将来どういう道に進むにしても城の侍女って言う肩書はマイナスにはならないと思うよ」

「確かに・・・・、そうね」

「それにレライがきっと凄く喜ぶよ。あいつ、まだ城に信用できる人間って少ないから。俺としてもサンドラが傍に居てくれたら安心して帰れる」

“帰る・・・・”

その言葉に酷く怯える自分が居た。

「もぅ王都には!?」

「う~ん。暫くはちょっと無理かな」

「そうなんだ・・・・」

「何!? 俺が帰るのが寂しい!?」

「えっ!?」

「って、事は無いよね。ジョーダン。今の俺じゃとても太刀打ちできないから、今は止しとく」

そう告げ、注がれた紅茶を全て飲み干し、ランドンに声を掛けると席を立った。

厩舎まで一緒に行き別れ際。

「今日は突然悪かったね。侍女の件、俺色々言っちゃったけど、最終的にはサンドラの人生なんだから、自分が一番有意義だと思える道を選ぶと良いよ。何処にいても俺は君の幸せを一番に願っているから」

「・・・・ルシオン様・・・・」

「君に会えて本当に良かった。じゃあ」

「お気をつけて・・・・」

ルシオンはニッコリ微笑むとシザーレの屋敷を後にした。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村





総もくじ 3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ 3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【幸福の行方6 ~パウリンの娘番外編~】へ
  • 【幸福の行方8 ~パウリンの娘番外編~】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【幸福の行方6 ~パウリンの娘番外編~】へ
  • 【幸福の行方8 ~パウリンの娘番外編~】へ