「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幸福の行方10 ~パウリンの娘番外編~

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ルシオンはサンドラの言葉に我が耳を疑った。

“えっ!? 今サンドラは何て言った? お幸せに? ”

「レライ・・・・今のサンドラ何て言った? “お幸せに”って、言わなかった?」

「・・・・ええ、そう聞こえたわ。それより、サンドラ泣いてなかった!?」

「泣いてた!?」

「多分・・・・」

笑顔の奥の瞳から涙が溢れて見えた気がした。

妹の話にルシオンは慌てて席を立つ。

「御免、レライ。サンドラをちょっと借りるよ。何か多分、変な誤解してるかもしれない」

「私もそう思うわ。いいわ、行ってあげてお兄様」

ルシオンはその後を追いかけた。

「サンドラは?」

「今休憩に行くと、外に・・・・。何かあったのですか?」

「いや、大した事ないから。それから、レライには言ったけど、サンドラ少し借りるから後は宜しく」

「はい!?」

メイテルは何が起こっているのか全く理解できていなかった。


サンドラは中庭の、いつも休憩時間に読書を楽しむ木陰まで一気に走り抜けた。
そして、そこで蹲ると声を上げて泣き出した。

「・・・・ルシ・・・・オンさま・・・・、・・・・ルシオン様・・・・」

涙は溢れて止まらない。
この溢れる想いを、もぅ何処にぶつけて良いのか全く分らなかった。

暫くすると、後ろからフワッと温かい腕に包まれた。

「呼んだ!?」

その優しい声に更に涙が溢れて止まらない。
でも、これはいけない事だと必死になって身をよじった。

「駄目だよ。離さない!」

訳が分からない。ルシオンは何を考えているのか?
その言葉に泣きながら気丈にも、サンドラは徐にルシオンの足を靴の踵で思いっきり踏みつけた!

「イテッ!!」

「・・・・・ど・・・・して・・・・、とうしてこんな事するの!? ・・・・婚約者がいるんでしょ? 悪いと思わないの!?」

「全然思わない」

悪びれる様子も無くシラッとした態度でそう告げられ、怒りが込み上げてきた。

「最低!!」

一気に涙が引いた。何故こんな男を好きだなんて思ったのか!?

「何か誤解してない?」

「何をどう誤解するのよ!!」

「俺の婚約者って君の事なんだけど・・・・」

「はぁ!?」

ポカンと口を開けたまま固まってしまったサンドラの肩を寄せ、抱き締めるとルシオンは満面の笑みで微笑んだ。

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~ Comment ~

NoTitle 

あらんv-238
一気に進んだのね~(^m^)
お兄様面白すぎる~^^
なにがどうなって婚約までいってたのかな~?(^m^)
続きが楽しみです~♪♪♪

はのん様 

お返事遅くなりました。

そうなのよ。一気に進みました♪
もぅ番外編なので詳しい所は後日説明で一気に進みます(笑)
兄、面白すぎると言って頂けて嬉しいです^^
これが兄の味なので、それを崩さずに兄にはもっと突っ走って頂きましょう♪
婚約までの経緯については翌日暴露です(早!!)
番外編は本編と違い掘り下げずに進めても全然平気なので良いわぁ♪(笑)

いつも有り難うございます^^

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