「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幸福の行方14 ~パウリンの娘番外編~

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仏頂面で立っていたのは妹の旦那だった。

「おい。許可なく勝手に上り込むとはいい度胸だな!」

「別に良いじゃん。兄なんだし」

「秩序の問題だ。兄であろうと何者であろうと勝手に私達夫婦の部屋に足を踏み入れるとは言語道断! 今更面会書を提出しろとは言わんが、せめて隣で会え!」

「レライの部屋で良かったの!? その方が不味いかなと思って、これでも気を利かせてここで会ってるつもりなんだけど・・・・」

今ルシオンが居るのは国王夫妻用の私室。この西隣が王妃の部屋で東隣が夫婦の寝室、その奥に王の部屋が置かれてある。どの部屋も外からも入れるが続間となっている。

「兄と言えども私の居ない間に夫婦の部屋に入り込まれるのは好かん! この部屋に居る時は、こいつは私だけのものだ!!」

そう言うと、アイスラントはローレライを引き寄せ、その腕に抱え込む。

「やっ、やだ。アイスラント・・・・」

ローレライは恥ずかしがって身を捩り、頬を染める。

「ほら、見ろ! お前が居るお蔭で、私は妻を腕に抱く事もままならん!」

「はい、はい。分りました」

こいつの妹に対する溺愛振りは衆知の事実だ。
今更これ位の戯言では痛くも痒くもない。

「それにだ、人の家の家族計画に口を挟むな! 私は子が欲しくてこいつと結婚した訳では無い。出来ようが出来まいが関係ない。こいつさえ傍に居てくれれば文句は無い!」

「それじゃ困るんだけど・・・・」

「何がだ!?」

「俺、お前たちに子供が出来ないと結婚できないんだけど・・・・」

「えっ!? 何? それどういう事!?」

「サンドラが、お前たちに子供が出来るの見届けたら嫁に来ても良いって言ってくれたんだ」

「まぁ、そんな約束を!?」

ローレライはこれまた大変な事になってしまったと慌てた。
どうしたものかと、チラリと頬を染めながらもアイスラントに目配せする。
アイスラントはローレライに軽く笑みを零した後、踵を返しルシオンを睨みつけた。

「何だ!? その約束は! では、何か? お前は私たちの間に子が出来なければ結婚しないのか? 私の姉などは結婚して7年間子宝に恵まれなかったぞ」

「げっ!? マジで!?」

ルシオンはその場で固まり、言葉を無くした。
そこまで深くは考えて居なかったのだ。侍医の話で二人とも何処も問題がない事を妹から聞いていた為、程なく授かるだろうと鷹をくくっていたのだ。

「おい。お前人の話を聞いているのか? おい」

何度声を掛けても、耳に言葉は入っていない様で、埒が明かない。
王は深いため息をついた後、一言叫んだ。

「サンドラを呼べ!」

現れたサンドラは王の前に額づく。

「お呼びでございましょうか?」

「お前、ルシオンの求婚を受けたそうだな」

「あっ、はっ、はい。先程正式にお受けしました。直ぐに式をと言う事では有りませんので、ご迷惑をおかけするような事は・・・・」

「迷惑だ!」

新王の言葉に、そこに居た全員が息を飲んだ。

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