記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに《前 章》

 ←新作イラスト頂きました^^ →記憶の彼方とその果てに《1.求 婚》
セイラル&アーリア(文字入り).
(画/はのん)

険悪な状況下にある二つの国ナチェリアとザイル。
不運にもザイルの王子は敵国の貴族の娘と恋をした。
しかし、それは結ばれる事の無い悲劇の恋。
自国が攻め込まれ、残る王族は己ただ一人。
煙火の中、王子は城を抜け出し、愛しい娘の許へと駆け付けた。

『リア・・・・、私と共に来てくれるか!?』

『ええ、行くわ。貴方と・・・・』

手を伸ばし、娘の部屋のテラスに手を掛けようとした時、兵に見つかってしまった。

弓を向ける兵の姿に娘は声を荒げた。

『待って! 彼は違うの!! お願い止めてぇーーー!!』

狙いを定めた矢は、背後から彼の者を打ち抜いた。

薄れゆく意識の中で王子は手を伸ばし懸命に言葉を発した。

『・・・・次の世があるならば・・・・共に生きよう。・・・・今度は共に同じ国で・・・・』

『いやぁーーー!!』

必死で手を伸ばして、落ちて行く愛しい者の姿に唯々泣き叫んだ。
悲しくて、悲しくて・・・・。


「いやぁーーー!! 私を置いて行かないでぇーーー!! ラルぅぅぅぅーーー!!」

(「お嬢様、お嬢様、大丈夫ですか!? お嬢様」)

「離して! 私はラルと一緒に行くの!」

自分を押さえ付けようとする侍女を必死で振り切ろうとするが振り払っても、振り払っても手が空を切る。
何故振り払えないのか?必死にもがいていると・・・・。

「お嬢様、起きて下さい! 朝食のお時間ですよ!!」

と叫ばれ、侍女に起こされたのだと初めて理解した。

「あ・・・・私、・・・・また!?・・・・」

「ええ。随分とうなされていらっしゃいました」

「そう・・・・」

「お嬢様、またあの夢を!?」

「・・・・ええ・・・・」

頬はいつも涙で濡れていた。

「ごめんなさい。お水を頂ける?」

「はい」

侍女が冷水を注ぎ渡してくれ、一気にコップの水を飲みほした。
空になったコップを受け取ると、侍女は冷たいタオルをいつも渡してくれる。
ヒヤッとした肌ざわりが熱くなった体には心地よく、お蔭でいつも冷静を取り戻せる。

ここひと月、日課のようになってしまったこの夢の為に、起き抜けの涙で目が腫れぬ様、いつも侍女は色々と心がけ用意してくれている。
とても有難い事だった。

「・・・・本当に私、最近どうしちゃったのかしら。ずっと同じ夢ばかり見て・・・・でも、本当に悲しいのよ・・・・どうしていいか分らない位に悲しいの・・・・」

聞いた者にとっては唯の不思議な夢かもしれないが、アーリアにとっては夢では無く、とても現実的なのだ。
まるでその場で見て来た出来事のように・・・・。

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~ Comment ~

新連載おめでとうございます~!!! 

あ、夢だったのね…^^;
おおっと~!と思ったらe-330
アレ?でも…どうなの…???
……色々妄想が~(笑)
はい、黙って先をお待ちしときます(^m^)

イラスト…お目汚しスミマセン(><)キャーーーーe-330
といいつつまた懲りずに描いちゃうでしょうけど…^^;
ご紹介ありがとうございました~m(__)m
うほー…恥ずかしい…(><)

はのん 様 

有り難うございます^^
そうそう、夢だったの♪
でも、夢じゃなかった?アレ?って感じですよね^^
正にその反応が狙いの前章だったので、そう感じて貰えて良かったです(笑)

いえいえ。ホントに素敵なイラストで、もぅ一人でニマニマしております^^
懲りずに全然描いてやってください!!
大歓迎ですv-10

いつも有り難うございます^^
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