記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに《16.抵 抗》

 ←記憶の彼方とその果てに《15.疑 惑》 →記憶の彼方とその果てに《17.屈 辱》 R-15(軽度の凌辱有り)
身を低くして重心を後ろに掛け連れて行かれまいと必死に抵抗を試みたが、それは悪あがきにしかすぎず、廊下を無理やり引きずられる。

「嫌!! 止めて!! 離して!! お願い!!」

必死に手を振り解こうと力を入れるが相手は全く微動だにしない。

「黙れ! ボコすぞ!!」

ドスの利いたその言葉遣いは、とても一国の王子の発言とは思えなかった。

『お嬢様―っ!!』

足を痛めたらしい侍女の声は遠く微かだ。
叫びまくる侍女の声に警備の者が気付いたのか『大丈夫ですか? お怪我は?』等と言う声が遠くで聞こえている。

フッと目をやる視界の先に手招きする男の姿。 
ひと月半前にサニエル王子と一緒に居た男達だ!
あの部屋に連れ込まれるのだと一瞬で理解した。

ここで声を荒げれば気付いて貰えるかもしれない!
黙っていても状況は変わらない。必死に思いのたけを張り上げ助けを乞うた。

「や、やめて‥‥やだ!! だっ、だれか、助けて・・・・らっ、ラルぅ――っ!!」

「黙れ!!」

安易すぎる考えだった事は否めない。だが、何もせずにはいられなかった。
大声を張り上げた途端腹に拳が炸裂し、痛みを覚えたアーリアは息が詰まって咳き込むと何も喋れなくなった。


「王子、如何なされましたか!? 何やら女性の声が聞こえたと思ったのですが」

声に気付いて警護の者が来てくれたのだが、痛みで遠のく意識をかろうじて保っていた状況のアーリアは、何も出来ずにサニエル王子の言葉をかすかに聞く事しか出来なかった。
サニエル王子は、何食わぬ顔でシラを切るとふてぶてしい態度を取った。

「この御令嬢があちらで臥せっていてね。少し空き部屋を借りて横にして様子を見る事にするよ」

「・・・・左様でございますか」

警護の者はサニエル王子が度々客室で行っている行為を知っていた為、左程気に掛ける事もせず、そのまま言葉を聞き流した。

「何かございましたら直ぐに侍医をお呼び致しますのでおっしゃって下さい」

形ばかりの言葉を添え、警護の者は対応した。

「ああ、大丈夫と思うがその時は頼むとしよう。それよりこちらの御令嬢の侍女が先程この方を支えた拍子に足を痛められてね。侍医を呼ぼうとしたのだが先にお嬢様をと言われたんだ。だからそちらを先に侍医に見せて差し上げると良いよ」

「分りました。ではその様に・・・・」

警護の者はアーリアの危機迫る状況に全く気付く様子も無く、腹黒王子の罠にまんまと引っ掛かってしまった。

見事に警護の者を回避したサニエルは、その姿が見えなくなると呼び寄せていた二人の友人にアーリアを急いで部屋まで運ばせた。
もぅアーリアに抗う術は無く、失意と共に完全に意識を手放した。


目が覚めると、下着一枚でベッドに両手を繋がれていた。
微かに胸が痛むがそれ以外何が起こってしまったのか理解できずにいた。
だが、程なく繋がれたベッドの脇から現れた男の姿を見た瞬間、アーリアは全ての事を思い出した。

置かれた状況に恥ずかしさと恐怖で一瞬にして全身が強張って来る。

「起きたか。お前が悪いんだぞ! せっかく人が楽しませてやろうって言っているのに手こずらせやがって!!」

チッと舌打ちすると、着ていた上着をベッドの脇に引っ掛け、シャツの前を肌蹴ると嫌らしい目つきでニヤリと笑った。

姿を目にするだけで憎悪が走り、二度と近付きたくなかった筈の悍ましい男にこれから行われるであろう行為を想像すると、それだけで卒倒しそうになった。

「や、やめて・・・・。お願い・・・・」

必死に懇願してみたが全く無駄だった。

「お前も奴らと同じ言葉を吐くのか。貴族でも平民でも初心者の恐怖は同じだと見える」

そう告げるとクツクツと笑い出す。

・・・・なんて男なの!?

男の鬼畜な発言にそう思わずにはいられなかった。
だが、それでもアーリアは抗う事を止めるつもりは無かった。
この先自分の進む道が選べなくても、この者の思い通りになる事だけは御免だった。
キッと睨み返し言葉を発した。

「こっ、こんな事をして許されると思っているの? 私は第一王子の婚約者なのよ!」

先程までその事に抗う事すら視野に入れ考え悩んでいたにもかかわらず、今は第一王子の婚約者であると言う立場を前面に押し出し頼るしかなかった。

だが、この者はそのような事で抗える者では無かった。

かすかに薄笑いするその姿に、背筋が凍り付く程の恐怖を覚えた。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村




総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【記憶の彼方とその果てに《15.疑 惑》】へ
  • 【記憶の彼方とその果てに《17.屈 辱》 R-15(軽度の凌辱有り)】へ

~ Comment ~

NoTitle 

いや~ん!ドキドキ…(^m^)
早く~助けに~!遅いぞ~(笑)
しかし品の悪い第二王子ですね~(--;)
野放しにしちゃいかんでしょう!
次救出かな…?
楽しみにしてます~v-238

はのん様 

足止め食らったから遅れをとりました(^m^)
ホント第二王子ははっきり言って不良王子です。
何れはこのままでは済まされないでしょうけど^^;
救出は次の次です。
次は、一様R指定いれます。

いつも、有り難うございます^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【記憶の彼方とその果てに《15.疑 惑》】へ
  • 【記憶の彼方とその果てに《17.屈 辱》 R-15(軽度の凌辱有り)】へ