記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに《24.密 談》

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アーリアと侍女を部屋まで送り届けると、セイラルとマジミールそして王妃は城の敷地内に設けられている前王の別邸にその場を移した。

「どうして退王様があのような場に!?」

「実はマジミールより書状を貰ってな」

マジミールは事の詳細を王と王妃に告げる前、急ぎ王子の部屋へ戻ると簡単な書状を認め第二従者ロドリコへ手渡すと前王の別宅へ届けさせていた。

「良くやってくれたマジミール!」

セイラルは肩を叩いてマジミールの策を労った。

「恐れ入ります」

「馬鹿な奴じゃと思っておったが、ここまでの痴れ者とは思わなんだ」

丁度知らせを受けたその時、前王は王宮へ向かうべく仕度を整えている所だった。
そこへ火急の使者が訪れ、急ぎ王宮へ向かったのだ。

「全てを知った上であの場へ足を向けて下さったと言う事は、何か策があってのあのような行動だったのですよね?」

先を読み、セイラルは祖父にそう告げた。

「勿論だ」

前王は微笑んだ。

「側妃に尻尾を出させる!」

「やはりそう言う事でしたか」

セイラルはここまで祖父が事を荒立たせる事について、こうとしか考えられない見解に既に達していた。

「ほぅ、分かったか」

「勿論です」

隣に座っていたマジミールもその言葉に頷いている。

付いて行けないのは王妃だけだ。
悔しそうに王妃は顔を歪めた。

「私にも教えて下さりませ。退王様!!」

その言いようが、何ともとても愛らしく子供じみていて、セイラルは破顔した。

「母上、これは罠なのです」

「罠!?」

含み笑いを浮かべながらセイラルが口を開けば、それでも母は分らない様で、更に怪訝そうに目を細めた。

「退王様は私の婚儀までに黒い影を始末して下さろうとしているのですよ」

王妃は呆然と義父に目を向けた。

「あの側妃の目を見たか? あれは私に対して悪意に満ちていた。何としてもサニエルを臣に下らせることを阻止しようと言う考えの表れに相違ない」

「退王様もそう見受けられましたか?」

息子と義父の言葉のやり取りに王妃は身を凍らせた。

「・・・・と言う事は、セイラルの身にまた危険が迫っているのですか?」

まさかの出来事に王妃は身体が震え出す。

「大した事ではありませんよ。いつもの事ですから」

「・・・・いつもの!?・・・・」

セイラルは帰還してから毒を盛られた事が幾多もあると言う事実を祖父には公言していたが母には告げず、今までひた隠しにしていた。
それは、今のこの行動を示唆しての事だったのだが、ここに来てやはり母に黙っていて正解であったと、この時思った。

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