パウリンの娘

パウリンの娘《第8章5》

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「伯母と会ったことは?」

ローレライが母と会ったことがある話はエルから聞いて知っていたが、ローレライが中々顔を上げてくれないのでゼロは敢て話題として口にした。

「はい。一度だけ。ドレアスが・・・・仔馬が生まれた日に丁度いらしていて、1日だけお泊り頂いて、色々お話を伺いました」

「それは、伯母の持つパウリンと関係があるのだな」

ローレライはバッと顔を上げた。

「パウリンの事を知って!?」

「ああ、少しだけだ。何やら使命があるらしいな」

「はい。でもザビーネ様の使命と私の使命は違っていて・・・・」

ローレライは慌てて口を押えた!

「隠さなくても良い。お前も持っているんだなパウリンを」

「あの・・・・それは・・・・」

「知っている。伯母がジュリアスを自分の後継者に授けると言っていた。それがお前だな!?」

「・・・・はい・・・・」

ローレライは小さく頷いた。

ゼロは何処までパウリンの事を知っているのだろうか!?
今まで自分のパウリンの存在は家族とザビーネ様、そして侍女のメイテル以外誰も知らないと思っていた。
知られてはならないものだと思っていた。
それをゼロが!?

「お前の運命は何だ!? それは今後の王朝に関わってくることか?」

「!!・・・・・」

ローレライはゼロを凝視した。

「・・・・言える訳が無いか・・・・」

ふぅーっとため息交じりに笑う。

「ごめんなさい」

「口止めしたのだな? 伯母が。私も詳しい事は知らん。憶測の範囲だ。だがそう確信している。お前の持つ運命が過酷なものである事も分かる」

ゼロの表情が緩んでいく。

「今まで一人で抱えていたのか? 話せる事があれば聞くぞ。私は伯母の事もあるし、誰にも言わん。信用してくれていい」

ローレライは、まさかゼロからこういう話を向けられるとは夢々思っていなかった。
いつも険しかった表情が今日は少し優しく感じられて、今まで蓋をしていた心が少しずつ解放されていくのを感じた。
パウリンの事はいつも自分の心の中心にあり、今回のドレアスの件だってパウリンの事もあったから無謀とも思える行動に出た。
自分の運命は話せないけれど、ゼロは分かってくれる!?
この運命を背負ってしまったことで自分がどれだけ苦しかったか・・・・。
そう思ったら何だか涙が溢れてきた。
とにかく泣けて、ただ泣けて・・・・。
今はそう言ってくれるゼロの気持ちがとても嬉しかった。

ゼロは隣に座り顔を覆いひたすら泣きじゃくるローレライの頭をポンポンと軽く叩くと何も言わずにただ横に座り、ずっと頭を撫ぜてくれた。
それはローレライにとって、とても心地よく安心できるものだった。

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NoTitle 

きゃーーー!
いいよ~~~v-238
ぐぐっと感じがv-218
いけぇ~!と思ってもまだなのね(笑)

はのん様 

気にいって貰えて良かったわv-238
私もこの場面かなり気に入ってます♪
本当はね、この後もぅ少し行く予定だったんだけど、ゼロ見てるとやはりここではまだ違うなと感じて却下しました^^;
その章、実は違うエピソードを交えて今書いている途中です(笑)
まだまだ先だけど出て来るからお楽しみに^^
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