記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに -第2章-《11.再 会》

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新しくアーリア付の第3侍女としてマリーサが働き始めたて1週間程した時だった。
アーリアが王妃に茶会の席に呼ばれ向かう中、付き添う姿のマリーサにある人物が声を掛けて来た。

「・・・・マリー・・・・サ・・・・!?」

マリーサは戸惑う様な表情を見せた後、立ち止まった。
その姿に気付いた第一侍女のターニアが声を掛ける。

「何をしているの。行くわよ」

「は、はい!」

深々と目の前に居る人物に一礼だけすると遅れた列に後方からついて行った。

(何故マリーサがここに居るのだ!?)

4日前、時間が出来、サニエルはわざわざマリーサに会うべくカンザルへと足を向けた。
が、知り合いの誘いであるお屋敷に奉公へ出たと告げられたのだ。
その奉公先は他言せぬ様に言われているので教えられないと告げられ、その所在を現在探させて居る所だったのだが、まさかこの城で遭うとは思いもしなかった。
それも、あのアーリア付だとは!!
カンザル周辺の領地や屋敷を探しても見つからぬ筈だ。
合点これはた兄セイラルの手引によるものだと腹を立てたサニエルは兄の執務室へと乗り込んだ。

入口で見張りの者と押し問答している声に、ついに来たかとセイラルとマジミールは顔を見合わせ意味有り気にニヤリと微笑んだ。
同時に書類に目を通しサインをしていたセイラルは王子姿の従者マジミールと入れ替わる為に席を立った。
程なくして、見張りの者が押し切られサニエルが荒々しく執務室の扉を開けた。

「お、お前、良くもまた俺のモノに、また勝手に手を出しやがって!! 一体何を考えてやがる!!」

「何の事だ!?」

「マリーサを、あの女の侍女に取り立てただろう!!」

「侍女!? ああ、最近入ったと言うアーリアの侍女がどうした?」

「惚けやがって!!」

「何の事だ? お前の知り合いだったのか? そう言えば何処かで見覚えがある気も・・・・」

「まだシラバックレル気か!! カンザルに居ただろうが!!」

「ああ、そうか。お前が後を追いかけまわしていた娘か。へぇ、世間は狭いなぁ。良かったじゃないか」

「良かっただとぉ!?」

サニエルは何事も無かったかのようにサラリと言葉を反す兄に苛立ちを覚えワナワナと震え出す。

「このぉ~~~!!」

シラを切り続ける兄に怒りを抑えきれずサニエルは王子姿のマジミールに詰め寄り手を挙げようとしたその時、従者姿のセイラルが手首を押さえ捻り上げた。

「いッて―――!!」

「勝手に入って来て、その言いぐさは何ですか! 殿下は知らぬと仰っている。それに殿下はその者とはカンザルで一言もお話ししておりません」

「どうせ管理官にでも頼んで城に上げたのだろう」

「だから知らん。疑うのならば本人に直接聞けば良いだろ。あの侍女が誰と会おうが知った事では無い。勤務外であれば何をしようと咎める理由も無いしな」

平然と王子姿のマジミールがそう答えればセイラルも付け加える。

「あの侍女がアーリア様の下に来た経緯が知りたいのであれば人事部に行けば紹介者の名位分かると思います。ですが、その結果殿下の名が無ければ謝って下さい。貴方の態度は殿下に対し非礼すぎる! 貴方は来月には臣に下る身。殿下には貞節を持って敬い仕える態度を身に付けられた方が良いと思います」

「お前・・・・言わせておけばぁッ!!」

「マジミール止せ。今のはお前の口も過ぎる。サニエルも話が済んだならもぅ良いだろう。これから用があるから私は失礼するよ」

「逃げるのか!!」

「人聞きの悪い事を言うな。母上に茶会に誘われてね。アーリアも来る事になっているから居たらその侍女の事聞いておいてあげるよ」

「これ以上俺のものに触れるな! 邪魔立てすると今度こそ許さないからな!!」

サニエルの取り乱しように思わず笑みが零れるのを押さえた。
ここまでの執着があれば、あとはきっと予定道理走り出してくれるに違いない。
サニエルのマリーサへの執着をより強固なものにする計画が確実に進んでいる事を実感でき、二人は心の中で微笑んだ。

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