パウリンの娘

パウリンの娘《第9章4》

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フリードルの許に尾行についている者達からそれぞれ連絡が入った。
122番の者は無理だったが245番の者とは話がつき、この後仔山羊と会えることになった。
落札者は隣町の者だった。

「突然こんなお願いをしてしまって申し訳ありません」

ローレライはゼロと二人で仔山羊に会いに裏の引取場へ来ていた。

「いいえ。見てやって下さい。山羊の好きな方は大歓迎です。うちの子供達もお嬢さんのように本当に山羊が大好きで、亡くなってとても悲しんでいたんです。なかなか亡くなったユリスに似た山羊が見つけられなくて、今回やっと出会えたんです」

主人はとても優しそうな人物で得意気に落札の話をする。

ローレライは複雑な心境だった。
お腹にあるこの模様、間違いなくうちのジュリエッタだ。
でも・・・・。

「本当に可愛い仔山羊だわ。有難うございます。・・・・幸せになるのよ」

仔山羊を撫ぜながらそう言うと、ローレライは切な気にその手を離した。

「本当に有難うございました」

深々と頭を下げるとローレライは逃げるように足早にその場を立ち去った。

「おい、待て! 違ったのか!?」

手を引かれ戻されると、ゼロの胸にコツンと額を預け、ローレライはハラハラと泣き出した。

「ジュリエッタなの・・・・でも、そんな事言えない・・・・。あんなに喜んでくれて、子供達も待ってるって・・・・。あの仔はきっと私の許でなくても幸せに暮らせるわ。だから・・・・」

「そうか・・・・。おまえは優しいな」

そう告げるとゼロはいつもの様にポンポンとローレライの頭を優しく叩いた。


ゼロは245番の仔山羊がローレライのものだと直ぐにフリードルへ知らせた。

「直ぐに押さえましょう」

「いや。245番はいい。122番をどうにか押さえられないか? 倍額支払ってやれ。それで駄目なら近衛姿で乗り込め! 証拠品として差押えろ」

「招致致しました」

そう告げるとフリードルは足早に去って行った。

「お前どうしたんだ? 性急すぎないか!?」

「俺から見ても、やりすぎと思うけど・・・・」

「これで、良い」

ゼロは憮然とそう告げた。

「迷惑をかけてごめんなさい。そして、有難うございます」

ローレライがそう言い深々と頭を下げるとゼロの表情は和らいだ。

「気にするな」

ローレライと視線が絡まる。
当然の事をしたまでだとゼロは言いた気だった。

その姿をシドは楽しそうに眺めていたが、ルシオンは複雑な心境で見つめていた。

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~ Comment ~

NoTitle 

うふふ…v-238
思わず顔がにやけてしまいます(^m^)
ゼロくん早く自覚しようね~!
でもあと絡み少ないの~?
残念……(T^T)

はのん様 

有り難うございます^^
ゼロは拘りあるからねぇ^^;
ローレライは無意識に突っ走ってるけど(笑)
この後真相が絡んでくるので・・・・。
その流れの中で、大きなお楽しみも何れ出て来るので、それまでしばし、お待ちくださいね(^_-)-☆♪

NoTitle 

最後のありがとうございます。がネックになりますよね。
これを言うのと言わないので主従関係はかなり変わりますからね。日頃の感謝の言葉は非常に大切です。

LandM様 

そうですね。ローレライは貴族を鼻にかけているような娘ではなく、地元では平民とも平気で遊ぶような娘だったので、こういうさりげない一言が自然と出る様な娘です。
主従関係が有る無に関わらず、人として最低限こういう事は大切ですよね。
そういう所は意識して、キャラに織り込むようにしています。
特に人の上に立とうと言う人物ですしね。

いつも有り難うございます^^
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