記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに -第3章-《18.承 諾》

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サニエルは驚きを隠せず、固まったまま言葉を発せられずにいた。

(今・・・・、マジミール殿は何と言ったのだ?)

一瞬何を聞いてしまったのか、頭の中で整理が出来なかった。

沈黙の中、誰も次の言葉を発っせようとはせず、時計の秒針を刻む音だけが部屋にやけに大きく響いていた。
そんな中、最初に突破口を開いたのは祖父だった。

「まぁ‥‥、確かに。正確に言えばそうなるか・・・・」

祖父もマジミールの言葉に納得している意思を示した事からサニエルはハッとし、我に返った。

「・・・・それは・・・・如何言う・・・・?」

「言葉の通りです。ですが詳しい詳細は、今は告げられません。本来この事をお教えする事事態、躊躇せざるを得ない状況なのです。ですがこちらも無理を承知でサニエル様にお願いをするのですから、お教えする事で少しでもサニエル様に安心して頂ければと思い、譲歩致しました」

「それは、申し訳ありません・・・・」

「いえ」

「・・・・だが、申し訳ないが、訳が分らない・・・・」

「はい。その様にお話し致しました」

「そうですか・・・・」

訳が分からないだろうと想定して、話を進める等理解に苦しむ。

「明確にお教え出来るにはもう少し時間を要します。ですが決してサニエル様に悪い様には致しませんので・・・・」

深々と頭を下げるマジミールは、ふざけている様子も全くなく至って真面目だ。
祖父に関しても、この様な事でとても冗談を言う様な方では無かった。

セイラル王子が二人いる等と言う馬鹿げた話をされ、普通に聞いていれば憤りすら感じているかもしれない事が何故かマジミール殿の口から耳にすれば不思議と全く違うように聞こえて来る。
加えて、祖父からもそう同意するような言葉が発せられれば、もぅそれは受け入れるしかなかった。

「分りました。・・・・いえ、良くは分りませんが・・・・、私を安心させる為に内なる話を聞かせて頂いた・・・・、と言う事なのですね? 状況に対する理解は苦しみますが・・・・」

「事情をお察し頂き、有難うございます」

深々と頭を下げるマジミールは至って真面目そのものだった。

「今マジミールの告げた事は、お前の胸だけに仕舞っておいてくれ。もし、他者に知られれば面倒な事にも成りかねん。お前が今進めている計画も終いになるやもしれぬ事、肝に銘じておけよ」

「勿論です、祖父君」

「では私は早速仕度をし、城に戻る手筈を整えますので失礼させて頂いても?」

「急な事ですまんな・・・・」

「いえ。今自分がセグウェイ意外に信じられるのは、祖父君とマジミール殿お二人だけですから」

一礼するとサニエルは会議室を後にした。


しかし、セイラル王子が二人居るとはどういう事なのか?
まさか兄は双子で、もう一人何処かに隠されているのか?
いや、待てよ・・・・。
確か、あの時・・・・。兄の死を初めて祖父君より聞いた折、祖父君は何と言った?
『お・前・の・知・る』と、言わなかったか?
では・・・・私の知らないセイラル王子が何処かにいると言う事か!?
だとすれば、その事を祖父君もこのマジミールも知っていると言う事になる。
誰なのだ? もう一人セイラルと言うのは・・・・。

サニエルは色々と思いを巡らせながら二人いると言う兄について新たな興味をそそられた。
だが、考えてみれば現時点で思い込みによって色々考えるのは得策では無い事に思えた。
祖父君もマジミール殿も触れられたくないから、詳細を教えてはくれなかったのだ。
何れ事は公にしてくれるようだ。
ならば現段階で色々と詮索するのは止そう。
誰にでも触れられたくない事の一つや二つはある。

サニエルは己に言い聞かせ、部屋に戻ると急ぎ当座の荷物だけをセグウェイに詰めさせた。やがて覚悟を決めると、共に足早に退王邸を後にした。

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