記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに -第3章-《46.余 韻》

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夢の中で誰かが私の名を呼ぶ。

『・・・・アーリア、リア、そろそろ起きないと・・・・』

ああ、この声は愛しのマジミール様の声・・・・。

『起きないと・・・・するよ』

(んっ!? マジミール・・・・さま?)

微かに唇に触れる暖かな感触・・・・。
ハッとして一気に夢の世界から呼び起こされた。

「やっと起きてくれたね。私の愛しい眠り姫は」

ビックリして目をパチクリしている私を他所に、上から覗き込む様に軽く啄む様に口づけられた。

「おはようアーリア。起きていてもするけどね」

にっこり微笑む彼の姿に突如現実へ引き戻されて、私は勢いよく飛び起きた。

(先程の口づけも・・・・、では夢では無くて現実だったの!?)

「・・・・あっ・・・・あの・・・・私・・・・」

何が現実で、何処までが夢だったのか、今一つ自分でも掴めなかった。でも・・・・。

「・・・・えっと・・・・、また誘ってくれるのは嬉しいのだけれど、・・・・多分そろそろ仕度しないと時間が無くなると思うのだが・・・・」

少し照れたように、こちらを正視しようとせずにチラ見しながら彼から告げられた。

「・・・・さそ・・・・う?」

言われて自分の身なりを見てみれば、全裸である事に気付き慌てふためいた。

「きゃあァァァァ―――っ!!」

それに全身に散らばる無数の刻印!!
慌てて毛布にかかる掛布を身体に巻き付けた。

「あっ、あの、あの、あのっっっっ!!」

今朝までの出来事が鮮明に思い出されて来て、とても目の前の彼を正視出来ない・・・・。
あの事が夢では無く現実ならば、では今ここに居る彼は・・・・。

「・・・・あっ、あの・・・・一つお聞きしたいことが・・・・」

「ン!? 何だいアーリア」

満面の笑みで再び私を覗き込み、そう答える彼。

「あっ、あの・・・・あっ、貴方はセイラル様? それとも・・・・マジミール様?」

聞いた途端、彼は力なく深いため息を零した。

「・・・・あのねぇ、アーリア。それは無いだろ・・・・。あれだけ昨夜激しく愛を交し合った夫の私に対して、マジミールと私を比べるだなんて事は・・・・」

「で、では本当に私達、けっ・・‥結婚したのですか?」

「今更だよ」

「・・・・あれが、夢では無いだなんて・・・・信じられないわ・・・・」

ボソリと呟けば、彼が過剰な反応を示した。

「何だって? 私の君への愛が信じられないだって!?」

「いっ、いえ。あまりにも幸せすぎて、夢の様で・・・・」

だって、とても信じられない気分なのだ。
ずっと禁じられた従者マジミールとの愛に悩み続けてい筈なのに、実は彼こそが私の婚約者であったセイラル王子その人であったと言う事も、思いがけず葬儀が挙式に変わった事も、彼との昨夜の営みも・・・・、全てがまるで夢の様で・・・・信じられなかった。幸せすぎて・・・・。
でも、身体には彼が付けた刻印がクッキリと残っており、良く見れば左手の薬指には昨夜夢の中で交わしたと思っていた指輪が現実にしっかりと嵌められていた。

「ふふふっ、ラル、指輪見せて」

「ああ」

セイラルはアーリアの直ぐ側に腰を下ろすと手を取り二人の左手を並べた。

「お揃いだわ。本当に私達、結婚したのね・・・・」

「本当だよ。昨日私は永い間想い続けていた姫をやっと手に入れる事が出来たんだ。今の私はこの上なく幸せだよ。アーリア」

「私もよ、ラル・・・・」

どちらから共なく唇が寄せられ、軽く触れるだけのつもりの口づけは次第に激しいものになっていた。

「ああ、アーリア・・・・今一度だけ私と・・・・・」

今朝の余韻を残す妻の残り香に誘われて、夫の理性は脆くも崩れ去って行った。

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