記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに -第3章-《47.永 遠》R-15【完】

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セイラルはアーリアの上布を押さえている手を握り解きほぐすと、その中に押し留めてあった可愛い胸元にそっと触れた。

「あっ‥‥だめっ・・・・セイ・・・・ラル・・・・時間が・・・・私を呼びに来たのでしょ」

「んっ・・・・そうだけど、そう思って見ないようにしていたのにリアが煽るから・・・・」

「やだ。私煽ってなんか・・・・んっ・・・・」

「少しだけ・・・・やっぱりまだアーリアが足りないんだ・・・・。直ぐに済ませるから・・・・」

「ああ、ラル・・・・」

甘く囁かれ求められれば、最早抵抗する術は無かった。
アーリアもほんのりと頬を染める。
既に愛しい彼の妻となった身、求められ誰からも咎められる事もないのだから何の抵抗も無くその身を委ねた・・・・。

『あらっ!? セイラル様? アーリア様まだ起きられませんか? 本当に困ったものですわ。では、私が。失礼致しますね』

カチャリ!

「あっ、あの・・・・・あの、あの、しっ、失礼致しましたッ!!」

開けた傍から、真っ赤になり直ぐに扉を閉めたターニアの後から、中の様子を聞いたファンネが飛び込んで来たのはそれから直ぐ事だった。

「もう! セイラル様!! あれ程大丈夫かとお尋ねして、大丈夫と啖呵を切ったくせに全然大丈夫ではないではありませんかッ!! 今日は近隣の王族を交えた大切な晩餐会ですのにアーリア様の仕度を蔑にして恥をかかせるおつもりなのですか!!」

「わわわっすっ、すまないファンネ!!」

慌てて抱え込んでいたアーリアを抱きおろし、自らも急いで離れると身を整える。
アーリアは如何にも気怠そうに・・・・。それでも身体を起こそうと懸命な試みを見せた。

「ごっ、ごめんなさいファンネ。直ぐに行きますから・・・・」

急いで掛布を巻き付け寝台から降りようとして立ち上がろうとしたが・・・・。

「あっ、あらっ!?」

アーリアはその場で立てずにへなへなと床へ崩れ落ちた・・・・。

「ど、どうしたのかしら? 何故だか足腰に力が全然入らなくて・・・・」

溜息と共に、ファンネが額に手を当てた。

「・・・・すっ、すまない。それは私のせいだ!」

「・・・・セイラル様、本日の予定がございますから、お気持ちはお察し致しますがくれぐれもその点ご考慮下さいと昨夜お願いしたではありませんか!」

その言葉の意味に気付き、アーリアは真っ赤になって顔を上げられなくなってしまった。

「本当に済まないッ!!」

「この責任は自分でお取りくださいよ!」

「勿論だ!!」

満面の笑みを湛え、この時のセイラルの声はかなり弾んでいたように思われる。
それは策略だったのか、必然的に受け入れた状況であったのかは最早推測の域を脱しないが、その夜の晩餐には妻となった愛しい王太子妃を絶えずその腕に抱える王太子の幸せそうな姿があったのだと言う。

永きにわたり、互いの愛を信じ、求め、さ迷い、そして再び巡り逢えた二人は生涯ただ一人の者との真実の愛に生き、多くの子供と孫に恵まれ共に国を治め幸せに過ごしたのだと言う。

晩年になり、二人は跡目を息子夫妻に譲ると、時間を見つけては方々を旅行して歩いたと言う。
そして領地改革によりずっと所在が分からず不明となっていた前世であるリアーナの生まれ育った屋敷を探し出すと、二人がかつて出会ったあの懐かしい川辺を探し出した。
想い出の小屋は既に無かったが、リアーナがラルを初めて見つけた時に彼がもたれ掛っていた大きな岩の様な石は、今もその場所に留まっていた。
この川面に映し出される光の反射する風景と、空にたなびく雲の流れはあの頃のままのように感じられた。

「全てはここから始まったのだな・・・・」

「そうね・・・・」

「あの頃も、今も私はお前だけを愛しているよ。アーリア」

「私も貴方だけを愛しているわ。セイラル・・・・」

あの頃の想いも、今の互いを思う気持ちも変わる事無く、共に過ごした時間の分だけより深いものになっていた。
これからも彼等は互いの命ある限り支え合い寄り添い続ける事だろう。
この命ある限り、永久の眠りにつこうとも、それは変わる事無く・・・・。
二人の愛が来世でも再び結びつくであろう事を信じて・・・・。

【END】

R度UPバージョンは、毎日0時00分更新の⇒『こちら』の第3章-《47.永 遠》をご覧ください。

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これにて『記憶の彼方とその果てに』本編は終了させて頂きます。
今回初のR-18挑戦で、中々私には難しい領域でしたが、かなり良い勉強をさせられました。
長い間、お付き合い頂き有り難うございました。

また、明日より予定していたお待たせの『パウリンの娘』番外編(続編)~幸福の在処~ をXmasにちなんでお送りいたします。
こちらは25日引っ越しの為、今から出来る範囲で数話見直し予約UPして行きます。
Xmasバージョンとして既に書き上げている作品ですので、もしトラブルでUP出来ない時は後日ネット環境が整い次第まとめて投稿させて頂きます。ご了承ください。
結婚1年半後のローレライとアイスラントのお話です。
楽しんで頂ければ幸いです。
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~ Comment ~

NoTitle 

完結おめでとうございます~!
お疲れ様でした~(><)
ちょこちょこと拝見しにきてはいたのですが…^^;セミマセン…
幸せそうな二人でよかったです~(^m^)
弟くんのほうはどうなったかな~?とか…^^

続けてバウリンも~^^
楽しみに拝読させていただきます~^^/

涼音さんはチョー多忙だと思いますので、
リコメも気にせずに落ち着かれてからゆっくりと…
体調にはお気をつけくださいね~(><)
ではでは~

はのん様 

リコメ遅くなりました。
何とか昨日ネット環境全て移行しました。
まだ片づけは残ってますが、夜は休むことにしました(笑)

「記憶の~」も、大きな難関もありましたが、無事完結で来て良かったです。いい勉強になりました。

サニエルの話は書く予定有りますよ^^
本編の後日談の短編も。
その後新作予定。実はホントはそれより書きたい新作があったのですが、あちらでリクエストも頂いたので、こっちを先に書くことにしました。パウリンの番外編終了までにどちらか少しでも進められて少しずつUP出来ればと思っています。
お互い体に気を付けましょうね^^
いつも有り難うございます。

NoTitle 

読了しました。面白かったであります。

結婚式の後の濃厚なラブシーンの連続に、「ええいっしあわせ太りで渡辺徹になってしまえっ」と思ったことはナイショだ!(笑)

次はスピンアウト作品を読ませていただきますね~(^^)

ポール・ブリッツ様 

長いお話にまたまたお付き合い頂き有り難うございました。
面白かったと言って頂けて光栄です^^

ふっふっふっ、幸せ太りですか?
きっとアーリアが普通の奥さんで手料理する事が日常だったならば、間違いなく幸せ太りしていたでしょうね(爆)
スピンアウトも楽しんで頂ければ幸いです。

いつもコメント有り難うございます^^
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