「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

2013年Xmas特別企画/幸福の在処8~パウリンの娘番外編~

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まさか、このような場所に王が自ら来ようとは、夢にも思っていなかった。

「「王様・・・・・」」

メイテルとサンドラは揃って声を上げた。

「良かった。皆、無事だったんだな・・・・安心した」

王は第一声、声を荒げる訳でも無く、皆の身の安全を心配してくれていた。
後ろめたいのか? それ位の配慮はあるらしい。

「王妃も居るのだろう? 話がしたい」

「今更何ですか!?」

メイテルは、王に対して敢て強く出た。
何があっても王妃様は自分が守ると言う、それは強い意志の表れだった。
だがその一方で、もしかして・・・・とも期待して、王に対して牽制をかけたのだ。

「・・・・誤解なのだ・・・・」

「はぁ!?」

「全て誤解だ。あいつが思い煩う事は何一つ無いのだ。だから・・・・話をさせてはくれないか?」

「・・・・またですか!?」

「すまん・・・・。まただ・・・・」

呆れて果て、それ以上言葉が出て来なかった。
メイテルは深いため息をつく。
多少の予測はしていた。だから城に行きたいと王妃に申し出て、あの宰相に問い詰めてやろうと画策を練っていた訳なのだったが、間抜けにも程がある。
では、何だ!? あの伯爵の言った事は全て虚実だったのか!?

メイテルはやれやれと言う様に王を見据えて一言告げた。

「もう、次はありませんからね。次に王妃様を傷つけたら一生会わせませんからね!」

「嫌だ!!」

即効で駄々を捏ねる子供のような王の姿にクスリと笑みが零れる。

その侍女の姿に、王は少し照れたような素振りをみせた。
自分でも今の発言は不味かったと思ったようだ。

「いや、頼む。これからは行動を起こす前に、必ず私に言ってくれ。居なければシザーレ・・・・宰相にでも確認を取ってくれ。それに、間違っても王妃をああ言う件で悩ますような所行だけは今後も絶対にあり得ぬから、もうこう言う話で私を悩ませないでくれ・・・・」

「そのような事を、苦し紛れとは言え仰っても良いのですか?」

「苦し紛れなどでは無い!! あいつと母以外の女と名のつく生き物に手を触れるだけでも虫唾が走ると言う現状の私が、他の者に手を出す道理が無いだろう!?」

・・・・この発言は、目の前に性別的にも女性である2名を前に発言するには些か問題のある言葉ではあるが、その熱意は一応伝わった。

「分りました。少しお待ちください」

そう告げるとメイテルは扉の前に近付き声を掛けた。

「王妃様そこにいらっしゃいますね。今お聞きになった通りだそうですので、今一度だけ王様をお信じになってみては如何ですか?」

『もう、無理よ・・・・私何を信じていいのか、もぅ分らない・・・・』

ローレライは混乱していた。
もし、また裏切られたら・・・・いや、真実でなくともそのように言葉を耳にすれば心が壊れてしまうと思った。

「お気持ちはお察し致しますが、今は感情より先に一番にお考えなければならない事があるのではありませんか?」

メイテルの言葉にハッとして、ローレライはまだ膨らみの無いお腹にそっと手を当て優しく撫ぜた。

(お願い。お母様に勇気を頂戴)

そう心の中で呟いた。

『・・・・分りました』

王妃はゆっくりとそう告げると扉に近付き耳を傾けた。

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※一部改稿しました。(H26.1.2)

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