「記憶の彼方とその果てに」
記憶の彼方とその果てに番外編

待ちわびて2~記憶の彼方とその果てに番外編~

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突然の息子の訪れに、母は何か予想していたのか自分を待っていたかのような発言をした。

「あら、セイラル早かったのね。もう政務は終わったの?」

「終わる筈が無いでしょう! 今しがた侍医より知らせを受け驚き飛んで来た所です!」

「あら、そうなの? それは御足労をかけたわね。良かったら貴方も一緒にお茶でも如何?」

「母上! 今がどの様な状況の時かお分かりなのですか!? サロン所では無いでしょう!」

「だって、諸先生方を交えてのこのサロンの訪れる日をずっと指折り数えて待っていたのよ。それを病気でもないのに中止するなんて出来ないわよ」

確かに病気では無い・・・・。病気では無いが・・・・。

「今回の件は、ある意味病気より性質が悪い・・・・」

「セイラル! それはあまりにも酷い言い草では無くて? 貴方にとってはッ」

「母上!! 今この様な場で軽々しく口にする事ではありません!!」

その言葉にハッとして、王妃は慌てて口を閉じた。

口うるさい母を一撃し、静かになった一瞬を見計らいセイラルはサロンを訪れていた詩人と貴婦人等に一礼すると懇願した。

「申し訳ございませんが急な所用の為、本日はこれにてお引き取り願えますでしょうか?」

一同は只ならぬ王子の様子に一礼すると、王妃の引き止めるのも遠慮して、直ぐに部屋を退出してくれた。

「もう、セイラル! 貴方一体どう言うつもりなのよ。せっかく来て頂いたのに!!」

「そのセリフ、そっくりそのまま母上に返して差し上げます。母上こそ一体どうするおつもりなのですか?」

じっと見つめるセイラルに王妃は素知らぬ顔で傍に置いてあるティーカップに注がれたお茶を一啜りした。
側に居るアーリアは豆鉄砲でも食らったような表情をしている。
様子を伺いながら静かに母の動向を見守った。

「あら、勿論産むわよ」

告げられた言葉に、セイラルは首を横に2、3度振ると深いため息をついた。

「そのような事を軽々しくお一人でお決めになる事は止めて下さい!」

何とも言えない複雑な心境だった。

「あっ、あの・・・・・何だか先程から、お話しが見えないのですが・・・・」

側に居たアーリアが一番驚いた様で、とても素っ頓狂な表情をしてこちらを見つめている。

ああ、アーリアはこんな表情でもどうしてこんなに可愛いのか。
いやいや、ここはこのような邪念を抱いている場合では無い!
再び深いため息を一つ零すと、どう説明したものかとセイラルは頭を抱えた。

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