パウリンの娘

パウリンの娘《第10章8》

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ゼロから事件の詳細を探る為に時間が必要だからライサンドに暫く付き合ってやってくれと頼まれた。
嫌だと思ったけれど自分は断れる立場ではない。
ライサンドの件には盗まれたドレアスも関わって来るし、ランドンと多くの涙を飲んだ娘達や家族の為にもローレライは拒否する事が出来なかった。
ゼロからは決して二人きりにはさせない事と、シドが兄として付き添ってくれるからと聞かされ、その事はとても心強かった。

ローレライはゼロにどうしても聞いておきたい事があった。
それはここへ来る前から気になっていた事。
ゼロと公爵家との関係。
兄が尋ねた時のフリードルの口調からもゼロ自身からでないと聞き出せそうには無かった。
好きでも無い人と付き合わされるのだからそれ位聞いても許されるだろうとローレライは自分に言い聞かせた。
考えてみたら自分はゼロの事をあまりに知らなさすぎる。
本当の名前だって知ったばかりだ。
色々聞きたいと思っても中々面と向かってはこう言う事は聞けないものだ。
でも、ライサンドの事を聞き出すように見せかけてなら容易に聞けそうな気がした。

「あの・・・・ライサンド様とお話しする上で何も知らないのも失礼ですし、色々聞いておきたい事があるのだけど・・・・」

ゼロの眉間が一瞬ピクッと動いた気がした。

「なんだ!? あいつの趣味とかなら私は知らんぞ。本人に聞け!」

・・・・何だか機嫌が悪い!?

「いえ。違うの。公爵様はゼロの叔父様なのでしょ?」

「そうだ」

「どう言う叔父様!?」

「叔父上は、叔父上だろ」

「いえ、あの私の母はエルのお母様と従姉妹なの。それで私も叔母様と呼んでいるのだけれど」

「ああ、公は母の弟だ」

公爵が叔父と聞いて、多分そうではないかとは思っていたけれど少しそれは腑に落ちないと感じていた。
だから聞きたかったのだ。
ローレライの記憶が正しければ前王には上に姉と下に弟がいるだけのはずだ。
ゼロはザビーネ様を伯母と言っていた。
ではザビーネ様はゼロのお父様と御姉弟なのかしら?
でも、血統馬の持ち主はザビーネ様で・・・・。
もっと聞きたかったけれど、それを聞くのはライサンドとの関連も無さすぎるし結局ローレライはそれ以上聞けなかった。
しかし、以前から振る舞いから醸し出される空気がかなり位の高い人だろうとは思っていたけれど、まさかこれ程まで高貴な人だとは思ってもいなかった。

「では、ライサンド様とは幾つ違い? どちらがお兄様なの?」

「確か同い年だ。私は10月だが奴は知らん。自分で聞け!」

「お歳は!?」

「27」

10歳違いだ!
お父様とお母様と一緒だわ。

「10歳違いだと十分恋愛対象になるわよね」

ローレライは少し嬉しくなってクスッと笑った。

「だから気をつけろと言っている!!」

何だか聞いて行く度にゼロの機嫌が悪くなっている気がする・・・・。

「もしかして、怒っている!?」

はぁーっと、ゼロが大きな溜息をついた。
ローレライの頭をクシャクシャっと撫ぜる。

「怒ってはいない。怒っては居ないが・・・・、頼むから気をつけてくれ・・・・」

ゼロは苦虫を掴まされたように言葉を吐き出した。
表情も柔らかくなった。

“ああ、心配してくれているだけだったんだ”

「はい」

嬉しくなってゼロに微笑みかける。
ゼロの事が少しでも聞けてローレライはとても満足だった。

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NoTitle 

81歳の男性と22歳女性が結婚して子どもを作るようなご時世ですからね。結婚はいつになっても大丈夫ということですね。結婚にしても恋愛にしても。意外にこういうのは現実世界のほうがぶっ飛ばしてますからね。

LandM 様 

そうですね。女性が一定年齢以内で何の問題もなければ、男性は高齢でも子供は出来ますものね。そこまでの年齢差は流石に凄いと思いますが、10歳前後なら結構周りにもいるし、全然有りだと思ってます^^
確かにこういうのは現実世界のほうがぶっ飛ばしてますね。

いつも有り難うございます^^
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