パウリンの娘

パウリンの娘《第11章1》

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ライサンドは昼の散歩にサンドラがやっと応じてくれると聞き、かなり機嫌が良かった。

「では兄君、サンドラ嬢をお借りいたします」

上辺だけの丁寧な言葉を述べ去って行く所をシドが賺さず入って行った。

「やはり私も行こう。サンドラはこう言う事は不慣れだから粗相があってはいかん」

「有難うお兄様! 実は心もとなかったの・・・・ライサンド様、宜しいかしら!?」

口を挿む間もなく笑顔でそう聞かれ、ライサンドは嫌とは言えなかった。

「勿論です」

見え見えの作り笑いを浮かべて話を合わせている。

“心にも無い事を!”

そう思うとシドは笑いが込み上げそうになった。

二人の邪魔はしないからと言うと笑顔で後を少し離れて付いて行った。
それは、次の散歩でも、その次の散歩でも変わらず続き、ライサンドがまたイライラを募らせているのが手に取るように分かる。
奴の辛抱もそろそろ限界のようだと感じ付いて行くのは止めて、途中から今日は少し離れた所でシドは二人の様子を警戒し見守っていた。

庭先で庭師に扮したミゲルが声を掛けて来たのはその時だった。

「上手く行きました。侍女だった娘が証言してくれるそうです。それと、ランドンがニックの助手として一緒に厩舎入れたそうです。仔馬とも会いドレアスを確認したとの事です」

「そうか! ライサンドの所行についての調べも先が見えて来たし近日中に奪還の手筈を整えるようゼロ様にお願いしよう」

「それが・・・・あまり時間が無いのです。明日の正午過ぎにはライサンドと一緒に仔馬は王宮に向けて発つそうで・・・・」

「明日だと!? 急だな」

「もしや、こちらの動きに感づいたのかもしれません・・・・。申し訳ありません」

「いや、お前たちはこの短期間に本当に良くやってくれている。ゼロ様も感心していた」

「恐れ入ります」

事が急展開し、シドにも余裕が無くなってきた。

“手筈もあるし、今夜急にと言うのは無理か。とにかくゼロに早急に連絡を取らなければ!”

「詳しい事はゼロ様と話して後でサビエルに連絡させる」

「招致致しました」

さぁ、こうなったら忙しくなる。
おちおちライサンドだけには目を向けられないか・・・・。

「サンドラ! 戻るぞ」

「はい、お兄様。では、ライサンド様失礼致します」

ローレライは頭を下げるとシドの許へ走って行った。
シドはライサンドが“チッ”っと舌打ちしてこちらを睨む姿を見逃さなかった。

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NoTitle 

やっぱり二人が絡んでると嬉しい~v-238
顔がにやにやしちゃいます♪
邪魔者早くどうにかして~(笑)

はのん様 

二人が出てると私も楽しい♪
出してやれない場面はやはり筆の進みが悪いです^^;
邪魔者は早くステージから降りて欲しいよね~。
でも、シブトイのが邪魔者のサガです(笑)
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