パウリンの娘

パウリンの娘《第11章2》

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シドはゼロの部屋にフリードルと配下の者達を集めて訪れた。

「そうか、例の侍女の証言がとれたか!」

「やはり嫁いで行った令嬢が経済面の支援をしているらしい」

「では、恐らく公はお知りではありませんね」

「知っていたらこの状況はないだろう」

叔父上だったならばきっと屋敷に迎える筈だとゼロは思った。

「明日の朝食後に庭で茶会を開いて貰うように話を付けよう。その時に叔父上にその女性と子に引き合わせる」

「他の者でも証言してくれそうな者がいれば交渉してくれ」

ここにいる全員の者からライサンドを許せないと言う思いがひしひしと感じられた。
全てが決まるとタウリン、クランケは邸内で証言してくれそうな者の交渉に赴き、サビエルがミゲルの許にゼロの意向を告げるべく向かった。


その日の晩餐には珍しい事にライサンドは同席していなかった。
ローレライは昼間散歩途中で抜けてしまい気まずかったし、少しいつもより表情も怖かったので顔を合わせずに済むことにホッとしていた。

ゼロはずっと嫌な予感がしていた。
昼間部屋の窓辺から園庭での様子をこっそり伺っていたが、ライサンドの様子がずっと気になっていた。
シドが途中でローレライを呼び散歩を中断させてからは、その様子があからさまに怒りに満ちたものに変わっている気がした。
それはローレライへの執着心がかなり強固なものになっていると言う危機感を拭えない。
明日から留守にするのならば今夜何か仕掛けて来るのではないかと言う警戒心を抱き晩餐にも出向いたが、奴は晩餐には顔を出さなかった。
やはり今夜何か仕掛けて来るのか!?
晩餐後、部屋を空けている間に忍んでいるのではないかと警戒し、ローレライの部屋を皆でくまなく調べたが隠れている様子も無かった。
今までこう言う時の自分の勘は殆ど外れた事が無い。

「ゼロ!? どうかしたのか?」

「腑に落ちん・・・・」

「でも、あの娘の部屋には問題なかっただろ!?」

「ああ」

「まだ何かあると?」

「分らんが、嫌な予感がどうしても消えん・・・・」

ゼロはずっと落ち着かなかった。


ローレライが部屋へ戻り、皆が部屋の様子を調べ終わると頃合いを見計らって屋敷の侍女が入って来た。

「お湯の用意が出来ておりますのでゆっくりされて下さい」

「有難う」

いつも侍女は晩餐が終わった頃に現れて、お湯の用意も抜かりない。
コルセットを外して貰い湯に入っている間にいつも着替えの仕度をすると、一声かけて下がって行く。
本当に良くできた侍女だった。

今日もいつもの様にコルセットを外して貰うと湯に浸かり、ゆっくり疲れを癒し用意された絹の夜着に袖を通そうとした時、隣に部屋着も置かれていてローレライは一瞬手を止めた。
明日もしかしたら来れない都合でもあるのかしら?
あまり深くは考えずに朝の仕度でもして行ったのだろうと気にも留めなかった。
寝室の化粧台の前に座り髪を梳かしていると、パタンと扉が開きヒソヒソと話している声が聞こえた。

「パエリア!?」

ローレライはいつも来てくれる侍女だと思い名を呼び、声をかけ振り返った。
しかし、そこに居たのはライサンドだった!!
ローレライは急いで夜着の上に傍にあったガウンを纏う。

「・・・・こんな夜更けにどうしてライサンド様が!?」

「夜更けだから」

ライサンドの瞳に、ローレライは恐怖を感じた。

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~ Comment ~

きゃーーーーーー! 

早く~~~ゼロ~~~!!!
助けに来ないとヤバイよぉおお!!!
うは~!楽しい~~♪♪♪
早く続き~!(笑)

はのん様 

お待たせの場面の始まりです(笑)
こう言う反応は嬉しい限りです^^
そうそう、ゼロ!早く来ないと!!(笑)
続き、微妙にR指定出した方が良いか迷い中です^^;

NoTitle 

おお、意外にピンチなのか。いずれにせよ、貴族殿がするような行動でないような。もっと人を使うことをした方が良いような。優雅たれの原則論で行くのであればの話しですが。

LandM 様 

お返事遅くなりました。
はい。ピンチです!
そうですね。普通の貴族がする行いではありませんが、ライサンドはこう言う人なんです。
貴族の優雅たれの原則論は彼の場合事女性に関してのみ有効ではありません(苦笑)
いつも有り難うございます^^
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