ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《27.懐 抱1》(アレク視点)

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愛しくて、愛しくて、愛しくて・・・・。
これ程愛しい存在を自分は今までどうして無視する事が出来たのだろうか?

小さく震えながらも私に縋り付いて来るたどたどしい彼女との触れ合いは、私の身を焦がして行った。
とても想像とは比べものにならない程の、初めての感覚だった。
マリーとの触れ合いが、これ程までに深いものだったとは・・・・。

「マリー・・・・、ああ、マリー・・・・ッ」

「アっ・・・・レク・・・・」

貪るように互いの温もりにしばし酔いしれた後、私は更に湧き起こる欲望の波を精一杯の理性を総動員して押し潰した。
奴のせいで傷ついたマリーの心はきっと傍から見ているよりも柔軟では無い筈だ。
今はこうして身を任せてくれているが、きっとこれ以上の行為はマリーの心を傷つける。行きずりの行為ならばそれで済まされる事かもしれないが、私がマリーに抱いている感情は、その場限りの関係で終わるようなものでは無い。
マリーは私にとって永遠に繋ぎ留めておきたい女なのだ。
あれ程に泣きぬれて逃げ出して来たあの日のマリーの状況を思えば、これ以上己の欲望を押し付け、マリーに恐怖心を植え付けるものではない!
奴がマリーにした事を思えば、今すぐにでも全てを自分色に塗り替えてしまいたいと言う衝動を何とか押し殺しながら、私は理性を保つ為に必死で身を離し、少しだけ距離を置いた。

(私は奴とは違う! 自分の欲望のままに無責任な想いをマリーに押しつけたりしない!)

自らにそう言い聞かせた―――。


空を見上げれば満点の星空。
夜空の星々に勇気を貰い、マリーとこれからの事について話し合う為に言葉を告げた。

「マリーはこれからどうする? どうしたい?」

口先ではマリーの意見を大切にするような口ぶりでそう告げたが、実の所私の意志は既に固まっていた。

「・・・・帰りたく、ないッ。お母様は一度屋敷に戻ってもう一度お父様ときちんと話をするべきだと仰っていたけれど、今屋敷に戻ったとしても結局は何も変わらないと思うの。あのロナルドの口ぶりだと、お父様は今でもロナルドを婿養子に迎えるつもりだわ。だから屋敷へは絶対に戻れない。いえ、戻りたくないのッ」

「そうか・・・・」

「でも、だからと言って侯爵夫人にこれ以上迷惑をかける訳には行かないと思うの」

「そうだな・・・・」

相槌を打ちながら次なる言葉に期待した。

「だから私・・・・、アレクとの想い出を胸にッ」

「駄目だ!」

マリーが言わんとしている言葉が何なのか瞬時に理解出来、それを拒否した。
あんな所に入られればそれこそ始末が悪い。
身を隠すだけならば良い場所かもしれないが、簡単に連絡が取れなくなる上、まかり間違い事の解決が長引けば、直ぐに迎えに行けず正式な誓いを立てさせられてしまう可能性もある。そうなってしまえば連れ戻す事は困難になってしまう。
流石にそこまでさせる訳には行かないし、絶対にさせてなるものか!!

「けれど、もう無理なの。私、もう絶対に・・・・、何があってもアレク以外の人なんて耐えられないッ。生きていて、このまま無理矢理アレクとの仲を引き離される位なら修道院に身を置いてでも、この想い貫きたいの!!」

ああ、マリー。君はどうしてこれ程までに私を翻弄してくれるのだろうか・・・・。

「ならば、私の所へ来ないか?」

「えっ!?」

「マリーの私への気持ちが、本当に揺るぎの無いものならば、是非私の所へ来てくれ!」

私は真剣な眼差しで彼女を見つめ、ありったけの想いを込めてそう告げた。

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~ Comment ~

NoTitle 

ほうう。
ま、感情の通りに恋愛がうまくいないのが子どもの恋愛ですが。
感情が先走ってしまうのは仕方ないことですね。
・・・ということまで考えると。
過程をふっとばすのが若さの力ですかね。

LandM様 

そうですね。
恋愛に対して感情道理に運べないのは若さと経験の浅さでしょうか。
ここまで突っ走る事が出来るのはやはり若さゆえでしょうね。
若いってある意味羨ましいです。(笑)

いつもコメント有り難うございます。
気付くの遅れて遅くなってすみません。
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