ずっと心に決めていた
ずっと心に決めていた《44.嫉 妬》R-15
アレクから告げられた言葉が、あまりにも意外すぎて私は一瞬呆気に取られてしまった。
「……マリーには、共に噂話を楽しむ殿方がいたんだ……」
「えっ?」
「誰? そいつ」
「楽しむって……。いえ……。ただ、ロイエルはッ」
「そいつロイエルって言うんだ。何時知り合ったの?」
「彼はデビュティの時のパートナーよ。お互いまだ社交界には知り合いも少ないから、会えば言葉位交わすわ」
「ふーん……」
「アレク?」
「名前で呼ぶなんて、随分と親しいんだ」
「別に親しいって程では……。ロイエル……、いえ、彼が名前で呼んでくれって言うから、そう呼んでいるだけで……」
「まあ、良いけど……」
何か含んだ様な物言いが引っかかる。
「何?」
「いや、別に」
様子が何処か不自然で、問い正そうとしたけれど咳払いを一つで躱された。
「まぁ、確かに……、あの者達の事をブサイクだとは言わないけれど、私はああ言う容姿の者を好ましい等と思った事は過去においても一度も無いのだけれどね。どちらかと言えば気持ち悪いとさえ感じる」
「えっ!?」
一瞬自分の耳が可笑しくなってしまったのかと思ったが、どうやらアレクの様子はそうでは無いらしい。
彼の審美眼の方が欠落しているのでは無いだろうか?
「私は華美な化粧をする者や、着飾れば良いと思っているような輩に魅力は感じない。だいたい心底惚れ込んでいる相手が傍に居るのに、何故周囲の女に目を向ける必要があるんだ? その考え方事態理解出来ない。それにマリーは貧相だとか何だとか自分の容姿の事を気にしているようだけど、特にこの胸なんて私の手の平サイズには丁度良いと思わない?」
いきなりニッコリ微笑まれ、ローブの合わせから片手を忍ばせ胸元を覆われた。
「っ!! あっ、あああ、アレッ!!」
「ねっ」
「なっ!! ななな、なっ……」
衝撃すぎて、口は開くが上手く言葉にならない……。
私の反応を楽しむかのような余裕に満ちた言動が何処かくやしくて、必死に睨みつけようと目線を上に向けた瞬間、想像とは違うアレクの険しい表情に気付いてハッとした。
(えっ?)
「……奴は何と言った?」
低く唸るような低音で、私を見おろし少しずつ近づいて来るアレクの口元は、唇を通り過ぎるとローブの合わせの縁を食み、胸元に差し入れたままの手をゆるりと揉み回しながら、じっとこちらを睨んでいた。
「ゃんっ、なっ……」
「奴は何と言ってマリーに触れた? そんな可愛い嫌なら無理だよ。男は皆期待する。本当に嫌ならもっとハッキリ言わなきゃ。今の位じゃ全然止められる訳が無い!」
「ぁん……アレ……ク……んっ」
ローブの合わせの中に差し入れられていた胸元を擽る手の動きが早くなる。
「大きさなんて関係ない。マリーに備わっているもの全てが私には愛おしくて仕方無い。……でも、もし今私に触れられる事が……、本当に嫌悪感以外の何ものでも無いのならば、今突き放してくれ! 一言『嫌いだ』と告げてくれればそれで良い。そうすればきっと……、私はそれでこれ以上マリーに手が出せなくなるから……」
ローブの真上にピタリと顔を寄せ、上目づかいで切な気に苦しそうにそう告げられて、背筋がゾクリっと奮い立つ。
「そんな……ッ ぁんっ」
「頼む……。嘘でも良い。私は奴の様にマリーを傷つけたくはないッ」
「無理よ……。嘘でも、そんな事言えない……はぁ」
「……マリーッ」
「……だって、……恥ずかしいだけだもの……。私だって本当はアレクに触れられたいって思ッ……ゃんっ!」
勇気を出して言葉を告げた途端、胸元に差し入れられていた手は肩へと移動してあっと言う間にバスローブは肩を滑り落ちて行った。
「ああ、マリー。綺麗だ。とっても可愛いよ」
甘く囁くながら露わになった鎖骨部に所有印の様な薔薇色の痕を残すと、しなやかな指先は私の胸を下からすくい上げるようにアレクの手の平に包まれ、優しく揉みあげられていった。
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「……マリーには、共に噂話を楽しむ殿方がいたんだ……」
「えっ?」
「誰? そいつ」
「楽しむって……。いえ……。ただ、ロイエルはッ」
「そいつロイエルって言うんだ。何時知り合ったの?」
「彼はデビュティの時のパートナーよ。お互いまだ社交界には知り合いも少ないから、会えば言葉位交わすわ」
「ふーん……」
「アレク?」
「名前で呼ぶなんて、随分と親しいんだ」
「別に親しいって程では……。ロイエル……、いえ、彼が名前で呼んでくれって言うから、そう呼んでいるだけで……」
「まあ、良いけど……」
何か含んだ様な物言いが引っかかる。
「何?」
「いや、別に」
様子が何処か不自然で、問い正そうとしたけれど咳払いを一つで躱された。
「まぁ、確かに……、あの者達の事をブサイクだとは言わないけれど、私はああ言う容姿の者を好ましい等と思った事は過去においても一度も無いのだけれどね。どちらかと言えば気持ち悪いとさえ感じる」
「えっ!?」
一瞬自分の耳が可笑しくなってしまったのかと思ったが、どうやらアレクの様子はそうでは無いらしい。
彼の審美眼の方が欠落しているのでは無いだろうか?
「私は華美な化粧をする者や、着飾れば良いと思っているような輩に魅力は感じない。だいたい心底惚れ込んでいる相手が傍に居るのに、何故周囲の女に目を向ける必要があるんだ? その考え方事態理解出来ない。それにマリーは貧相だとか何だとか自分の容姿の事を気にしているようだけど、特にこの胸なんて私の手の平サイズには丁度良いと思わない?」
いきなりニッコリ微笑まれ、ローブの合わせから片手を忍ばせ胸元を覆われた。
「っ!! あっ、あああ、アレッ!!」
「ねっ」
「なっ!! ななな、なっ……」
衝撃すぎて、口は開くが上手く言葉にならない……。
私の反応を楽しむかのような余裕に満ちた言動が何処かくやしくて、必死に睨みつけようと目線を上に向けた瞬間、想像とは違うアレクの険しい表情に気付いてハッとした。
(えっ?)
「……奴は何と言った?」
低く唸るような低音で、私を見おろし少しずつ近づいて来るアレクの口元は、唇を通り過ぎるとローブの合わせの縁を食み、胸元に差し入れたままの手をゆるりと揉み回しながら、じっとこちらを睨んでいた。
「ゃんっ、なっ……」
「奴は何と言ってマリーに触れた? そんな可愛い嫌なら無理だよ。男は皆期待する。本当に嫌ならもっとハッキリ言わなきゃ。今の位じゃ全然止められる訳が無い!」
「ぁん……アレ……ク……んっ」
ローブの合わせの中に差し入れられていた胸元を擽る手の動きが早くなる。
「大きさなんて関係ない。マリーに備わっているもの全てが私には愛おしくて仕方無い。……でも、もし今私に触れられる事が……、本当に嫌悪感以外の何ものでも無いのならば、今突き放してくれ! 一言『嫌いだ』と告げてくれればそれで良い。そうすればきっと……、私はそれでこれ以上マリーに手が出せなくなるから……」
ローブの真上にピタリと顔を寄せ、上目づかいで切な気に苦しそうにそう告げられて、背筋がゾクリっと奮い立つ。
「そんな……ッ ぁんっ」
「頼む……。嘘でも良い。私は奴の様にマリーを傷つけたくはないッ」
「無理よ……。嘘でも、そんな事言えない……はぁ」
「……マリーッ」
「……だって、……恥ずかしいだけだもの……。私だって本当はアレクに触れられたいって思ッ……ゃんっ!」
勇気を出して言葉を告げた途端、胸元に差し入れられていた手は肩へと移動してあっと言う間にバスローブは肩を滑り落ちて行った。
「ああ、マリー。綺麗だ。とっても可愛いよ」
甘く囁くながら露わになった鎖骨部に所有印の様な薔薇色の痕を残すと、しなやかな指先は私の胸を下からすくい上げるようにアレクの手の平に包まれ、優しく揉みあげられていった。
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Sha-La様
今日は。
ぅははははっ♪
>そのままどんどん行っちゃえ、アレク!←おい
このコメを一番喜んでいるのはきっとアレクでしょう(笑)
おそらく今の彼には期待を裏切る余裕が無いものと推測いたしますので(爆)
いつもコメント有り難うございます。
ぅははははっ♪
>そのままどんどん行っちゃえ、アレク!←おい
このコメを一番喜んでいるのはきっとアレクでしょう(笑)
おそらく今の彼には期待を裏切る余裕が無いものと推測いたしますので(爆)
いつもコメント有り難うございます。
NoTitle
噂話は楽しむのが女性の嗜みだと思いますが。。。
・・・というのは男性の偏見かなあ。。。
セックスに絡む感情は愛しいだけでないから楽しいです。
・・・というのは男性の偏見かなあ。。。
セックスに絡む感情は愛しいだけでないから楽しいです。
LandM様
今日は。
噂話は社交の場では女性の嗜みの一つだと私も思います。が、ここはアレクの了見が狭いんでしょうね(笑)
そんな彼ですから情事ごとも何か引っかかったままなのはどうしても集中できないと言う(笑)
って言うか、ただのRものにしたくないと言う私の拘りかも^^;
いつもコメント有り難うございます。
噂話は社交の場では女性の嗜みの一つだと私も思います。が、ここはアレクの了見が狭いんでしょうね(笑)
そんな彼ですから情事ごとも何か引っかかったままなのはどうしても集中できないと言う(笑)
って言うか、ただのRものにしたくないと言う私の拘りかも^^;
いつもコメント有り難うございます。
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NoTitle
そのままどんどん行っちゃえ、アレク!←おい