ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《45.真 実1》R-15

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熱い吐息が肌の上をゆっくりと這い、告げられた言葉に羞恥で頬を染める。

「香しすぎて耐えられない。食べて良い?」

「そっ、そんな事……、聞かなッ……ぁん!!」

首筋に熱い吐息を感じながら降りてくる熱に、少し固くなって来た自身の胸の突起を食まれ身体の芯がピクリと反応する。
湿り気を帯びた舌先で擽られると自分でも信じられない甘ったるい声が漏れ、思わず頬が染まった。

「や……っ、やぁ……。アレクッ」

恥ずかしすぎて如何かなりそうだった。

「とっても可愛いよ、マリー」

優しい声音でそう囁かれた瞬間、背筋にゾクリッと何かが走った。
告げてくれた言葉が嬉しくて潤んだ瞳で見つめ返していると、何故だかアレクが急に苦し気な表情を覗かせた。
伏し目がちになり少し戸惑う様に視線を逸らすと、突如信じられない言葉を吐き捨てた。

「っ……。くそぅ……」

吐き出された言葉が意味するものは一体何なのか?
突然告げられた甘やかな場を打ち壊す言葉に、私は戸惑いを隠せなかった。

アレクの表情は一変して何処か不安気に満ちている。
当然の様に愛撫していた手の動きも、ピタリと止まってしまっているままで……。

(何? 何が起きてしまったの?)

目の前の現状を、私は上手く飲み込めずにいた。

けれど、やがてゆっくりとだが漠然と頭にある事が過り始めた。
もしかして……、気付かぬ内に不慣れな自分が何か不味い事をしてしまったのではなだろうか?
考えれば考える程それが明確なものの様に思えて来て、やがて頭の中はその答えを探る事でいっぱいになっていた。

(ならばそれは何? 如何すれば許して貰える? それとも何か別の事が原因なのだろうか?)

色々と思いを巡らせてはみたものの、結局どれも掴みどころのない答えばかりしか思いつく事が出来ず、解決の糸口も見つけ出せないまま如何する事も出来ない自分に更に戸惑った。
沈黙のまま流れる時間がこれ程重々しく感じるのは初めての事だった。
けれど如何考えても、彼が何か不味い事をしてしまったと言う結論には思い至らない。
だとすれば告げるべき言葉は一つしか残されていない。
だから意を決して躊躇する言葉を口にした。

「あの……っ、ごめんなさい。……私、何も知らないものだから……。でも、決してアレクを否定している訳では……」

上手く説明できないけれど、自分がアレクに触れられる事を決して不快に思っている訳ではないと言う事だけは、はっきりと伝えたかった。
あれだけ恥ずかしいと思いながらも、あの温かな指先が自分から離れたままになってしまうのかもしれないと思うと不安で押しつぶされそうだと言う今のこの気持ちを、自分でもとても信じ難い感覚だと思いながらも、きっとアレクだからそう思えるのだと理解していると言う事実を如何しても彼に分かって欲しかった。
だってあの時は、そんな事をとても思えなかったから。
アレクだけが特別だと言う気持ちに、気付いてしまったから……。

(お願い……。何か言って…… )

不安で押しつぶそうになりながら返される言葉を待っていると、突如大きく息を吐き出す音が聞こえて来て、俯きかけていた視線を慌てて彼へと戻した。
すると、凝視する視線の先から思ってもみなかった言葉が告げられて、思わず息を飲んでしまった。

「……すまない。謝るのは、私の方なんだ……」

「えっ?」

―― アレクから返ってきた謝罪の言葉の意味するものは?

突如告げられた言葉の意味を上手く捉える事が出来ず、何度も瞳を瞬かせながら呆然とアレクを見つめ続けていると、更なる言葉が告げられて再び目を見張った。

「了見が狭いな、私は……。マリーが悪い訳では無いと分かっているのに、奴も……、こんなに可愛いマリーを知っているのかと思うと……ついね……」

「えっと……?」

「あー……。だから、ただの……、私のヤキモチなんだ。我ながら見苦しいと思う。情けない男だな……」

自嘲気味にボソリと小声で告げられた言葉に、胸の奥がツキリッと痛んだ。
苦し気な表情で依然私を見つめている眼差しは、何処か泳いでいる。
私に回していた腕の力も段々緩んでいるのが感じられて来て、何処か今にも離れて行きそうな彼の寂し気な眼差しに不安を抱いた。
すると突如言葉にならない感情が急に胸の奥から溢れて来て次の瞬間、思わずその言葉を口にしていた。

「駄目ッ」

そして気付いた時には必死になり、彼のその胸にしがみ付いている自分がそこに居た。

「まっ、マリー?!」

「そんな事ないッ! 何をされても良いって思えるのは、アレクだけだものッ」

引き止めるように、更に頬を寄せながら縋り付いた。

「!! マリー……」

「彼には、……少し触れられただけで気持ち悪くて逃げ出したくて仕方なかったけれど、アレクになら、そんな事ないッ……。我慢しなきゃとか、そんな事絶対に思わない。あの時みたいに途中で……にっ、逃げ出したいって思わないッ……。逃げ出したりしない!」

とっても、とっても恥ずかしかったけれど、必死になって思いの丈を打ち明けた。

「えっ? ……途中で、……逃げ出した? マリー?!」

凝視し呆然と見つめる彼の眼差しを、私は決して逸らす事無く強い視線で受け止めた。

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※600字程加筆しました。内容に大きな違いはありません。(7/13 15:09)

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NoTitle 

色っぽい描写が綺麗で素敵ですヾ(*´∀`*)ノ
私もこういうの書けるようになりたいな。
素直なところがまた可愛いマリーちゃんですね。
アレクも安心したことでしょう。

Sha-La様 

今日は。
とっても嬉しいお言葉有り難うございます。
実は、こういう描写凄く苦手で、でもラブラブなファンタジーにはある意味必要な要素と思っているので勉強がてら頑張っている所です。
ですがストーリィ重視は崩したくないので出来るだけ違和感なく綺麗に入れ込めるようになる事が理想と思っていたので、これから崩れるかもしれませんが^^;とりあえず現時点で綺麗と言って頂けて凄く嬉しいです^^
有り難うございます。
マリーは純粋ですね。アレクは安心したらどうなるのか?(笑)
引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

いつもコメント有り難うございます。

NoTitle 

おーっ

これはもうなんつーか、よいっすね!
うんうんと頷いてみたり、いーなあとか羨ましいとか(笑)
感情移入しますね。男の方にですが。反則技みたいに読ませてくれますね、あはは。

素晴らしい。続き、l期待してますよ、すんごいの。

アホなコメントですみません。失礼しました(笑)

藍澤響平様 

今日は。
有り難うございます。
感情移入してして読んで頂けたとの事で嬉しい限りです^^
とりあえず今夜UP予定は指定無いですが、次から徐々に?
自分なりのイメージがあるので、その範囲内で崩さない程度の描写の中で精一杯頑張りたいと思います。(実はこういう描写は苦手で、もう必死(笑))
今回も途中からR度UPバージョンの隠しリンク貼る予定なので(+α程度)そちらも合わせてご覧頂ければと思います。
それが期待に応えられるものだと良いですが^^;

コメント有り難うございました。

NoTitle 

人は人の気持ちが分からないから求め合う。
・・・ということが分かったらドライな情交になってしまうか。
ま、そのことが分かっている大人でも
情熱的になるのが情交ですからね。
若いのは青春ですね。

LandM様 

今日は。
これからUP分はありませんが、その後よりは再び路線が戻ります。
さあどんな感じに仕上がっているのか?(笑)
まだ言えませんが、アレクの状況と性格を思い出して頂いて、読み進めて頂ければと思います。

いつもコメント有り難うございます。
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