ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《70.策 案1》

 ←ずっと心に決めていた《69.追 及4》 →ずっと心に決めていた《71.策 案2》
程なくしてサンデスが訪れて、途中で貴婦人等の噂話を耳にしてからアレクがどれだけ私の事を心配してくれていたのかを更に詳しく聞かされて、何だかとても申し訳ない気持ちになってしまった。
自分がどれだけアレクの想いを顧みず、身勝手な行動に出ようとしていたのか今となっては後悔せずにはいられない。
自責の念に駆られているとベンチの側の外灯がともり傍に設置されている時計で間もなくアレクシスとリレントさんがこの場を離れて30分が経過しようとしている事に気付いた。舞踏会の開始時刻まであまり時間が無い。
本当に二人が間に合うのか少しだけ心配になっていると微かに遠くから足音が聞こえて来て、その音はやがてハッキリ聞き取れる程になっていった。
程なく息を切らせて二人がこの場へと戻って来た事を確認すると、胸をホッと撫ぜ下ろした。

「はぁー、後15分か。何とか……、間に合いそうだな」

「っ、はいっ」

「お疲れ様でございました」

少々荒い息づかいの二人を見て、気遣うようにサンデスがアレクにハンカチを差し出した。
二人の様子から、がなり急いで何か色々と手を尽くしてくれたのだと言う事だけは理解出来た。

「それで、急で申し訳ないのだが、話を先に進めさせてもらうよ」

「はい」

「では、先ずは御母君に少しご相談が……」

「あら、私に? 一体何かしら?」

アレクとリレントさんの前に母だけ何故か呼ばれて話しを始められた。

これは一体如何いう事なのだろうか?

母はと言えば『えっ?』とか『まあ!』とか何やら思いもかけぬ頼まれごとをしたかのような反応で、それでいて何処か楽し気に微笑んでいる。

「―――と言う事で、お願い出来ませんでしょうか?」

「勿論お受けいたしますわ! 何だかわくわくしますわね。思わず興奮して声が上ずってしまいそうですわ。大丈夫でしょうか?」

「噂話と言うものは、それ位の方が良いのです。その方が現実味を帯びていて相手も食い付きやすいと言うものです。ですからとりあえずそう言う事のお好きのご婦人方に先ずは話して頂きたいのです。出来ればドワイヤル伯爵家と近い者に出来るだけ早く話が流れる様にして頂けると更に有難いのですが……」

「それでしたら大丈夫ですわ。あちらのガーデンパーティに招かれて知り合った方々もおりますのでお任せください」

「良かった。助かります」

リレントさんと顔を見合わせて何処かホッとしている様子のアレクシス。
一体母にどの様な頼み毎をしていたのか?

「それから、マリエッタ」

「はっ、はい!」

自分は何を頼まれるのかと少しドキドキしていると――。

「君にはとりあえず、当座は何もして貰う事は無いんだ……」

「えっ!?」

「それと本当に申し訳ないのだけれど、今日の約束は反故にして貰いたいんだ」

「それって……」

突然何を言い出すのか……?

「今日のこの場で、私はマリーとの仲を公にするつもりでいた。ロナルドに対抗してね。婚約申請からひと月を過ぎると言うのにまだ認可されないのは可笑しいと公言して奴にその理由に心当たりがないか焚き付けてやるつもりだった。けれど現状況は如何やらそれを許してはくれなさそうだ。この状況で奴に喧嘩を売るのは得策では無いと思う。だから、済まないが今日はマリーと過ごせそうにない。だから君はとりあえずしばらくお母君と一緒に居てくれ。途中から叔母上にも頼んであるから。あの人には護衛がついているから傍に居れば安心だし」

「ちょっと待ってよ、アレクシス!」

「それから、あの指輪の件だけれど、あの件は、もう諦めてくれて良いから」

「えっ? それは、一体如何言う……」

「申し訳ないがその事に関しては詳しい事はまだ話せないんだ。けれど、決してマリーに悪いようにはしないから……」

指輪を……諦める?

アレクのまさかの発言に、私は身を固くして自身の震える腕を抱きしめた。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村


総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【ずっと心に決めていた《69.追 及4》】へ
  • 【ずっと心に決めていた《71.策 案2》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

更新、お疲れ様です。
アレク、もう何らかの対処をしたんですね、さっすが、仕事ができる男はやっぱり違うっ!

とはいえ、マリーに対するこの態度は男からみてもどうなの?って思ってしまいました。
なるべく、彼女に負担をかけさせないように軽めに言っているようですが、マリーに対して何か説明不足な感じがします。

言えない理由はなんとなくわかりますが、もうちょっと言い方がないのかなあ、これじゃあ、マリーがまた不安になっちゃうじゃないですか。

こうして見ると、言葉を伝えようとしても、もともと行動で伝えることが主流の男はやっぱり女に対して口下手でうまく気持ちが伝わらないことってよくあることなのだなと思います。
私ももうちょっと、女性に対して気遣いを感じさせられる言動をとれるようになりたいものです。

さて、不安を煽るような言動を聞いてマリーはどんな反応をするのか、アレクもそれに対して何を学ぶのか。

yama様 

今日は。
アレクは最悪の事態を考えて既に行動にでました。
アレクの言い方についても考えなくはなかったのですが、アレクが勝手に・・・・^^;
こういう所、彼は不器用なんですよね(笑)
でも、この後不器用ながらも頑張っていると思います彼なりに(苦笑)
そうですね。男の人って結構説明不足でトラブルってありますよね^^;
私的には人によっては男のプライド的にもで左右される方も居るのではないかと思うのですが、アレクの場合マリーに対して男のプライドは、はっきり言ってありません!(爆)
それなのにこれって言うのもちょっと問題かも^^;

マリーのこの後の言動は彼女の性格を考えれば、既お分かりかと思うのですが^^;それを踏まえて温かく見守って頂ければ幸いです。

いつもコメント有り難うございます。

 

こういっちゃなんだけど、マリーさん、主人公なのに、

「動けば動くほど事態が混乱し悪化する」

という天運にめぐまれているみたい(^_^;)

ポール・ブリッツ様 

今日は。

言われてみればそうですよね。別にマリーが何をしたと言う訳では無いのですが(笑)
事が解決するまでは悩まされそうですが、それまでは何と言ってもヒロインなので頑張って欲しいですよね^^;

いつもコメント有り難うごさ゜います。

NoTitle 

う~ん。マリーには不幸属性でもあるのだろうか。
まあ、そんなのお構いなしで行動していくのが一番なような気がしますが。

LandM様 

今日は。

マリーは、まあアレクを好きになった時点で障害が大きかったわけですからね。その延長でズルズル来てますが、その不幸属性を打破する為に出来る事はこけからやってくれるでしょうから、本人が何も気づいてない様なので、このまま突っ走ると思います。
気付いてないのが幸いです(笑)

いつもコメント有り難うございます。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【ずっと心に決めていた《69.追 及4》】へ
  • 【ずっと心に決めていた《71.策 案2》】へ