ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《83.誘 導1》

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焦りに加えて顔面蒼白なロナルドの表情。

「あの馬鹿ッ。あれ程言っておい……」

何かを言いかけてこちらの視線が気になったのか慌てて口を結んだ。

「如何かして?」

「いえ、別に……」

視線を泳がせ、再び口ごもる。
この何処か焦ったような様子は一体何を表しているのか?

「そう」

「……」

アリシラ様はにっこりとほほ笑みながら何を告げるでもなく、一体何を考えているのか?
次なる出方が気に掛かり、二人の表情を伺うように相互に視線を移してはみるけれど、ロナルドの何処か不穏な表情は窺い知れるものの、アリシラ様の考えている事は全く掴めない。
依然にこやかな笑顔を振りまいているだけの姿に、自分はこのまま黙って観衆を気取っていても良いのか分らなくなってしまう……。
やがて半ば困惑しながら考え込んでしまっている自分に気付かれたのか?
笑顔のままの、こちらへ視線を落すとゆっくりとした口調で声を発した。

「そう言えば私、先程ちょっとした噂話を小耳に挟んでしまいましたの。口々に呪術が如何とか、色々と気にかけていらっしゃる方々が多く見受けられたのですけれど、そんなに気になるものなのかしら?」

「えっ?」

この発言は、アリシラ様は呪術が気にならないと言っているようにも受け取れるのだが?

「あっ、はい。呪術には色々と怖い噂も聞きますので、皆様気にされていらっしゃる様で……」

「まあ、そうなの? 害を成すのは当事者だけで周囲には無害だと言うのに、皆様何てお優しいのかしら」

この言い回しに、いつものアリシラ様とは何処か違う違和感を覚えた。
本来のアリシラ様ならば、ここまで遠回しな発言はなされない気がする。
やはり何かあって策を巡らせているのではないかと、そんな事を漠然と考えていると……。

「……やはり何か害があるのですか?」

おそらくは私とは全く別の意味でロナルドはそう尋ねた。

「あら、やはり気になるのね」

「いえ、それは……」

妹が関わっているのだ。ロナルドが目に見える反応を示した所で何ら不思議では無い。
けれどそれをアリシラ様は何処まで知っているのか?
私がアレクから託されたあの指輪の事を……、今テロネーゼ嬢が持っている事を何故知っているのか?
先程テロネーゼ嬢が指輪を持っている事に気付かれたと言っていた。ならばその時指輪を見ていた?
いや、話しの感じでは遠目で垣間見た程度の感じだった。とても指輪のデザインなどを確認出来る状況では無かったと思う。
ならば如何して……?
頭の中が疑問で満ち溢れて、訳が分からなくなりそうだった。

「妹君の事ですもの。気にもなりますわよ」

「お前、何を喋ッ……」

ロナルドが鋭い視線を私に向け、責め立てようとすると同時に何かがパサッと言う音を立てた。
慌ててその方向を見つめて見ればアリシラ様が手に持っていた扇を開きこちらを冷ややかな眼差しで見つめていた。

「あっ、いえ、そのお話はマリエッタからお聞きになったのですか?」

「マリエッタさんが、如何かして?」

「……いえ……」

ロナルドの反応を見定めたのか? 冷ややかな笑みを零すと言葉を付け加えた。

「感じたのよ」

「感……じた?」

突如話し始めた意外な言葉に、一瞬アリシラ様が何を告げようとしているのか理解出来なかった。

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~ Comment ~

NoTitle 

更新、お疲れ様です。
おお、おおアリシアさん。この場の主導権を完全に握ってますねえ。
やっぱり甥を陥れようとした売国奴には容赦するつもりはなさそうですね。

アリシアさん自身も、本当にはっきりしていることはわからないはずでしょうが、それをあえてわかっているかのように振る舞って相手の反応を伺っているのでしょうね。マリーもさっきのように信用ならない相手には惚けるような仕草を彼女たちから学んでいってもらいたいものですね。

さて、少しずつ追いつめられる売国奴、今マリー達が囮のような状態で、アレク達がちゃくちゃくと事件解決の手口を掴んでいるかと思うとカタルシスが楽しみです。

yama様 

今日は。

はい。アリシラ様完全にこの場の主導権を握っています^^
もう容赦しませんよ。相手はあのアリシラ様ですから♪
アリシラ様事態タヌキな部分もあるので何処までがホントで何処までが嘘なのか分かったモノじゃありませんが、いい方向に導いてくれる筈です(笑)
マリーも雄弁な手管の応酬に少しずつ成長の跡が見えるようになるかな~♪
その裏で、アレクも彼なりに頑張ってくれている筈です。
そちらはロナルドがもっと追い詰められた後、切り替わりますのでそれまでお待ちいただければと思います^^

いつもコメント有り難うございます。

トリック 

アリシラ様「その指輪の周りにいると、陛下に逆心あるものの鼻の頭には血管が浮き出るのです」

ロナルド「えっ……ほんとうですか」

アリシラ様「ウソです。しかし逆心ある間抜けな男が誰だかはわかりましたわほほほほ」

マリー「アリシラ様……ジョジョ第三部読み終えたならどうかお貸しください。承太郎はこれからどうなるんですか知りたくて知りたくて」

(^^;)

ポール・ブリッツ様 

今日は。

ぶははははっ。
今回はこう来ましたか♪
アリシラ様とマリーははジョジョの愛読者だったんですね(爆)
まだ3部なんですね。先は長いぞ!(笑)

とまあ、今アリシラ様も多少?猫被ってるのでま溜るのでまだ優しいですが、ジリジリと追い詰めているのでお楽しみに♪

いつもコメント有り難うございます。

NoTitle 

マリーを守る者はいるようで。
小説ホームズ対ルパンでは、
孤独になればなるほど強くなるキャラクターが多かったですが、
そういうわけにもいきませんね。

LandM様 

今日は。

そうですね。
マリーの場合は現段階でまだ単独行動は難しいですね^^;
支離滅裂になりそうです(笑)
でも、何れ……、もっと成長すれば、きっとやり遂げてくれると信じています♪

いつもコメント有り難うございます。
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