パウリンの娘

パウリンの娘《第12章3》

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地下に降りる階段を下っているとシドの怒鳴り声が聞こえてきた。

「この期に及んで、お前はまだシラを切るつもりか!!」

どうやら聞き出すのにかなり手間取っているようだ。

「シザーレ、もぅ良い。私が変わろう」

「すまん」
 
シドは申し訳なさそうにそう告げるとゼロの肩を叩いた。
シドの隣には昨夜からずっと地下牢の監視をしているタウリンも傍に居た。
ライサンドは地下牢に入ってもそのふてぶてしい態度は一向に変わっていないようだった。

「やぁ、アイスラント。随分慌てているみたいじゃないか。何事かあったのか!?」

「仔馬を何処にやった!?」

「何を言っているんだい!? 囚われの身の私に何が出来るって言うんだ!?」

「捕まった場合も想定しての行動だったのか?」

「!!・・・・な、何を馬鹿げた事を。私はあの女に嵌められた被害者だ。サンドラも気がある素振りを見せ誘うような態度だったからわざわざ部屋に行ってやったのに。あっ、もしかしてお前が私を陥れる為にあの女に私を誘惑させたのか?」

突拍子もないライサンドの言葉にゼロがワナワナと震え出した。
このような下賤な者が私の身内なのか!?
ライサンドと言い・・・・我王と言い・・・・、もぅウンザリだと思った。

「・・・・私の事をどう言おうと構わん。しかしあいつを侮辱する事だけは許さん!! 気がある素振り!? 何処がだ!! お前のような者を・・・・私は絶対に許さん!!」

「別にお前に許して貰う必要は無いさ。もぅ全ての手は打ってある。今更どうにもならんさ」

そう言うとライサンドは不敵に微笑んだ。

「何をした!?」

「まぁいいか。教えてやるよ。お前の言う通りさ。もし、私がしくじり、父が王に罪を問うような書状を託す時は用意していた書状とすり替え届けるように予てから頼んでおいた。父上には隠居して頂く。家督を私に譲ると言う内容だ」

「・・・・何だと!?」

「だから今更何をしても無駄だ。俺には誰も逆らえん」

今度はクツクツと声を上げて笑い出した。

「今フリードルが信用のおけるキールの者とソイドとその仲間たちを追っている」

「!!」

明らかにライサンドの表情が変わった。

「まぁ、お前には関係ないようだから気にすることもないか。その者はかなりお前と故意にしているようじゃないか」

「・・・・面識はあるが奴は父のお気に入りだ。私の言う事など聞かないさ」

ライサンドはまさかソイドの事が知れるとは夢にも思ってもいなかった。
ソイドはキールの中でも父からもかなり信頼されていた筈だ。
自分がそうなるように振る舞わせた。
とにかくここはシラを切り続けるしか無いと思った。

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