ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《103.真 実2》

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まさか自分に振られると思っていなかったのか、アレクシスは苦笑いを浮かべていた。

「ええ、まぁ……。この状況から推察するに、その指輪が間違えなく我が家の家宝の指輪であると言う事は隠しようのない事実のようだ。だが、既にその指輪に関しては、我々は如何する事も出来ないのだ」

「そっ、そんな……」

「今起こっている現状についての説明なら出来るのだが」

「現状についての……。なっ、何でも良いッ。教えろ!!」

余程余裕が無いようで、ロナルドは怒号を浴びせるようにアレクシスに言葉を叩きつけた。

「母から伝え聞いた話によれば、その指輪は主に依存するのだそうだ」

「主に……依存する?」

「前主より定められた正当と認められる主に依存し、それ以外の者を決して受け入れない。そう言うもののようだ」

「受け入れないって、ならば先程のあの指輪と……。いや、でも全然違うじゃないかッ」

確かに先程のアリシラ様の指輪と似通った話だが、全く状況が異なるように思われる。
あの指輪は他の者が触れる事すら拒否した。ロナルドがそう言う結論に至るのも無理はないと思う。
だが、アリシラ様はその事を全面的に否定した。

「同じタイプのものだからといって、全て同じ現象が起こると思わない方が良いわ。聞き及んだ話によると城お抱えだった術者と言うものは、二つとして同じ術は施さなかったと言うから」

「城お抱え?!」

「この指輪は昔王家より我がグラッセ家に降嫁された王女に、当時の王が持たせたと伝えられている指輪だ。心配した当時の王が娘の身を守る為にとどの様な依頼をして術を施していても不思議ではないと思うが?」

「そんな……」

術の話を聞き、にわかにざわめき立つ周囲の人々の姿。
現在呪術の存在は公には認められていない。
歴史書においても、国として認めぬと決定して以降は大々的に解術が施されたと言う記載がされてある。それ故呪術については既に消失したものと言う考え方をする者は少なくない。だが……。

「公にはそう言う話になっているけれど、中には解術を施す事が難しかったものがあってもおかしくは無いと思わない? 術者の能力が全時代において同じ力で保たれている筈無いもの。時として特質的能力を保有する者が現れる時代もあるわ。呪術で相手を惑わし我が国を最初の強敵から守ったとされるマウリンやバウッセリアの戦いで英雄として称えられたモロゲンはその中でも最たる能力の保有者だと言われていたわ。貴方もこの話は知っているでしょう?」

「それは……」

「呪術が解術が施されたとされる時代の術者の能力を超えれば、解術は困難になるわ。となれば当然強い呪術がかけられたものは解術されないまま現在に残っていたとしても不思議では無いと思わない?」

確かに……。
アリシラ様の仰る事は最もで、周囲で話を聞いていた方々からも多少のざわめきはあるが、納得し頷く様子が方々で見受けられる。

「……仮にそうであったとしても……、この指輪を所有する家の当主はお前なんだろ! 如何にかしろよ!!」

全ての可能性が絶たれたと思ったのか、ロナルドは半ばヤケクソじみた言葉をアレクシスに投げかけた。

「止めるのも聞かず、自らの所有物の様に振る舞い我が家の指輪を嵌めたのは、今目の前にいる貴方のお妹ではないのか? 横領罪で告訴する事はあっても、私が助けてやる義理は無いと思うが!?」

「それはッ……」

「元より如何いう現象が起こるのかは私も実の所知らなかった。母からは『指輪は主に依存するから誰にでも授けられるものではない』と伝え聞いていたから一応は止めたのだが、その貴方の妹は、指輪を我がものであるかのように主張し私や貴方の言葉を無視した。自らが起こした事だ。こちらに落ち度は無い!」

「……頼む。教えてくれ……。何でもするから、妹を助けてやってくれ……。何とかしてやってくれよ……」

懇願するロナルドが、少しだけ哀れに思えた。

「そこまで言うのならば、先ずはマニエール男爵令嬢に謝罪するんだな」

悲壮感漂うロナルドを尻目に、アレクは神妙な眼差しでそう告げた。

「なッ」

突然の、降って湧いた話に、私も驚きを隠せず戸惑ってしまった。
一体アレクシスは急に何を言い出すのか?
謝罪って……、急にそんな事を言われても困ってしまう。それにテロネーゼさんを助ける条件が私に謝れだなんて、何を考えているのだろうか?

(私、一体如何すれば……)

如何すれば良いのか分らず、懇願する瞳でアレクシスを見上げたが、その表情からは何の答えも見出せず、視線をアリシラ様に移してみればこちらも見るなり微笑を返された。

「そうね。おそらくそれしか打つ手立ては無いでしょうね」

「…………」

アリシラ様まで、何を言い出すんですか!?
そんな事を突然言われても困ってしまいます! 私に一体何が出来ると言うのですか!?

困惑し、私は祈る気持ちで天を仰いだ。

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NoTitle 

更新、お疲れ様です。


ここで、どうでもいいと切り捨てない辺り、この売国奴野郎も性根は根元までは腐ってはいないようですね。
まあ、身から出た錆ですし、同情する気もありませんがね。

しかし、これ幸いとアレクが責める、責める(笑)
公では呪いを封印しても、それが利用できるなら人道的に反しない限り、使うっていうのは一つの手で賛同はできますね。

こういう悪用を防ぐための呪術ってのは悪役しかかからないでしょうから見ててすっきりしますし。

とりあえずマリーに主点が移りましたがマリーはどんな対応をするのかな?

yama様 

今日は。

ここで、どうでもいいと切り捨てられないのは妹の件があるからですねぇ(笑)

もうアレクはとにかくロナルドには色々と個人的な恨みつらみがあるので、ここぞとばかりに責める責める。心の中ではもっとあくどい攻め方考えてましたが、それは必死に抑え飲み込みました(笑)

そうそうこういう呪いはある種の人間以外には必要ないでしょうから、そのつもりです。

さあマリーはどうしますかね。少しは成長した反応が見れると良いですが……(笑)

いつもコメント有り難うございます。

NoTitle 

モノは主に依存する。
言い得て妙ですね。例え呪いがあろうとも、祝福があろうとも、それは主に依存するのがモノに塊根だとおもいます。

LandM様 

今日は。

呪いとの噛合いがあるのでモノと言えども主に依存しなければやはりおかしいと思っての設定でした。
そう言って頂けて良かったです^^

いつもコメント有り難うございます。
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