ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《122.評 価》 

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神妙な眼差しで語り合うアレクと統帥長閣下。
特にアレクはかなり強い憤りを感じているようだった。

「それで、誰だったんだ?」

「まあ、待て。まだ確証を得た訳では無い。今調べている所だが、おそらく今回は限りなく黒に近いと思う」

「その根拠は?」

「まだ、お前に言える段階では無いのだがな……。ただ、過日お前に今まで縁談を持ち込んで来た者達の名を聞いた事を覚えているか?」

「ああ、勿論だ」

「!!……」

(まさか、アレクに本当の縁談話があっただなんて……)

夜会の度にあれ程若く美しい令嬢等に囲まれながらも、軽く受け流していて本気で付き合う様な素振りを微塵も感じさせていなかったから、今までその様な考えに及ぶ事はなかったのだけれど、よくよく考えてみればそれ等の令嬢の家々が伝手を介して縁談を申し込んでいても可笑しくは無い話だった。アレク程若く将来有望な独身の当主など中々居ないのは事実だし、確かに誰もが放っておかないだろう。
私のような者にでも縁談の話は舞い込んで来る位なのだから、アレク程の美丈夫な者に今まで話が無いと思う事事態、失念だった事に今更ながら初めて気づいてしまった……。
その事に気付いてしまうと、次に二人の口から漏れ出る言葉が何であるのかが気になって仕方がなかった。
……けれど、アレクの心が今私だけにあると言う事は信じられる!
過去に何があろうと、今は私だけを……。
それでも頭の中を色々な妄想がかき乱して行く。

アレクは紹介された令嬢等に会ったのだろうか?
お付き合いは? その令嬢とはどれ程の親しい付き合いだったのだろうか?

考える必要は無いのだと自らに言い聞かせてみても、一度頭の中で膨れ上がってしまった妄想は中々止められない。
悶々とした感情をどうしても振り解く事が出来なくて、このままではいけないと、それを打ち消す為に大きく首を振り打ち消そうと試みた。

(駄目だ! こんな事ではッ)

自らにそう言い聞かせ、気持ちを落ち着かせようと、今度は大きく息を吐き出した瞬間、強い視線に気付き慌てて顔を上げた。
するとそこには私を見降ろす二つの視線が重なり合っていた。

「マリー? 如何かしたのか?」

「幾分表情は堅いように見受けられるが……」

「あっ……と……、えっと、いえ……、何でも無いの……。ふふっ。。。」

掻き乱れた心の内を覗かれる事を恐れ、私は必死に作り笑いを浮かべて誤魔化そうとしたのだけれど、どうやらそれは裏目に出た様だった。

「……私に縁談話があった事がマリーには……、そんなに楽しい事なのか?」

「えっ?!」

思いもよらないアレクの発言に私は一瞬放心状態になってしまった。

「聞きたい事があるのなら誤魔化そうとせずにきちんと聞け。何でも話し合えるようになろうと誓ったのは嘘だったのか? 政務の事では話せない事もあるが私は……、私自身の事でマリーに隠し立てしなければならない事は何一つ持っていない!」

「ぁっ……、ごめんなさい、アレクシスッ、私……」

そうだった。あの夜……、アレクと共に誓ったのだ。
お互いにこれからは、何でも包み隠す事無く話しい合える二人になろうと……。
何処か傷ついたような苦しげなアレクの発言に、私は心の内に秘めていた複雑化した思いが解けて行くのを感じた。

「まあまあ、それ位にしておけ。本当にお前はマリエッタ嬢の事になるとまだまだ余裕が無いのだな」

「今更……。お前が突っ込むなよ……」

「悪い。でもまあ、ここまで来るのに本当に苦労していたからな。お前の気持ちも分らなくはないが、そこは程々にしておかなければその内大切な姫に愛想を尽かされるぞ。女と言う生き物は縛り過ぎても逃げていくものだからな」

「何だ? それはお前の体験談か?」

「まあな……」

苦笑いを浮かべる統帥長閣下の言葉に、アレクが真剣な眼差しで食い入るようにこちらを見返した。

「そっ、そんな事はありません! 私はアレクに愛想をつかしたりなんて……。グラッセ侯爵を信じていますから!!」

そこだけは強調したくて大きな声で思いの丈を訴えてみた。
けれど統帥長閣下の答えは至って冷静なものだった。

「まあ、だいたいこの時点でそう言う答えが帰って来るのは妥当と言う所か……」

「何だよ。その妥当って言うのは……」

「大切な親友を任せるんだ。それなりの評価はさせて貰うさ。まあ、お前の周りに集っていた女共と違い第一印象で好感が持てたのは確かだがな」

「おいおい、あの女共とマリエッタを一緒にするのは止めてくれよ!」

「まあ話は最後まで聞け。それに、今の状況においても不自然なく一瞬だが狼狽していたような素振りをみせていた。それはお前への愛情の現れに相違ないと理解できた。マリエッタ嬢の事はお前から物事を消極的に捉えるきらいもあるように聞いてはいたが、それを打破しようと動じないように努力しようとしている姿も垣間見えた。向上心を持とうと努力する事は良い事だ。かなりの好感度だ。互いに恋愛事には不器用そうだが、これだけ惹かれあっているならばおそらく大丈夫だろう。じきに彼女との信頼関係ももっと深まって行くだろう。合格だ」

「パウウェル……」

「マリエッタ嬢、先程は正式に紹介を受けたにも関わらず、愛想の無い受け答えをして試すような真似をして済まなかった。コイツを……、アレクシスを宜しく頼む」

改めて右手を差し出し深々と頭を下げる統帥長閣下に、慌てて頭を下げ右手を差し出した。

「こっ、こちらこそ宜しくお願い致します!」

アレクシスは統帥長閣下の言葉に、少なからず感銘を覚えている様だった。

私自身人から試されるような事をされるのは好ましい事だとは思っていない。
けれど今回の場合は少し印象が異なった。大切なアレクシスの事をこれ程までに心配し心を尽くそうとしてくれている、力ある友と呼べるべき人間が側に居てくれることが嬉しくて仕方なかった。
瞳を合せれば少し照れくさそうにして握手を交わす二人の姿。それがとても微笑ましく思えた。
私にはアレクと統帥長閣下のような信頼の寄せられる友はまだいない。
けれどいつか私にもそう言う友と……、親友と呼べるべき人が現れればいいなと願わずにはいられなかった。

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~ Comment ~

NoTitle 

こんばんわ(^ω^)

パウウェルさん、アレクさんより一枚も二枚も上でオトナですね~w サクッとマリーさんのことを見抜いていますが、彼もまた洞察眼を磨くほどの恋をしたことがあったんでしょうか。

マリーさんが言えずにいる本音、アレクさんのことを気遣って言えないなども、アレクさん気づいていけるといいですね~。なんでも言葉に出して言えばいい、というわけじゃないだろうけど。でも、やはり言葉という形に出して意思表示は大事だし、マリーさんガンバレ(・ω・)☆

テロネーゼさんのような強いタイプの親友ができると、マリーさん精神的にタフになりそうw

NoTitle 

更新、お疲れ様です。


お忙しかったりトラブルで大変でしょうが、こうして書かれたお話が楽しいですのでやっぱり上手な方だなって思います。

アレク、女性向け小説の中でいっつも思ってたことを代弁してくれてよかったです。まったく、既に結ばれてるのにうじうじしてるんじゃなくてちゃんと聞きやがれって思ってましたのでこういうセリフはすっきりしました。

まあ、マリーもパウウェルさんの言うとおり努力して姿勢は立派だと思うのであとはどうやって結果につなげれるかそれを頑張って貰いたいですね。

マリーは先輩は結構いますが友の様な方は見当たらなかったですね、対等に話し合えて伸ばせ合う友人を彼女も見つけていくといいな。

ユズキ様 

今日は^^

>パウウェルさん、アレクさんより一枚も二枚も上でオトナですね~

はい。彼の方が職業柄と言うのもありますが、何かにつけて鋭いですね。それに4歳年上ですし、アレクは城での心構え的なもののいろはは彼に習ったようなものですからね。

>彼もまた洞察眼を磨くほどの恋をしたことがあったんでしょうか。
はい。これは多分書かないと思いますが、彼は幼い頃より決められていた幼馴染の婚約者がいました。ずっと可愛がっていましたが、構いすぎてウザがられた口です^^;
おまけに彼女は今彼の弟と結婚していると言う^^;ちょっと不憫だったりします。

アレクとマリーは恋には互いに不器用なので、中々口に出さずに分かりあえない所がありますが、互いにいつか表情一つで分かりあえるようになると良いですね^^

>テロネーゼさんのような強いタイプの親友ができると、マリーさん精神的にタフになりそうw
ははっ、確かに~♪ テロネーゼ程荒んでいないしっかりした友人欲しいですね^^

ユズキさん、いつもコメント有り難うございます。

yama様 

今日は。

本当に3月の忙しさは何だったのか?
もうあそこまで忙しい事は早々無いとは思いますが、ホント、参りました^^;(おそらく週末ペンキ塗りしたら後は6月頃まで楽になると思われます)

トラブルも、本当にまさか、まさかで、2日目にファイル開かなくなったときにはホントに焦りまくりました^^;
書くのも暫く間が空いたので、感覚が如何かと思ってましたが、何とかペースを掴んでからはすんなり書けたと思います。
いやぁ、そんなお褒めの言葉を頂けて、私は書きたいものを書いているだけなんですが、そう言うお言葉が一番嬉しいです。有り難うございます^^

うちのキャラ成長してくれないといけないヒロイン多いので、アレクナイスでしたね^^
結構女性向け小説確かに多いですものね。私を含めて。

マリーは今成長段階ですね。パウウェルから勝ち取った信頼を裏切らないように頑張って貰いたいですね^^

マリーは先輩には確かに恵まれていますね^^
でも彼女も何れそう言う友人に恵まれると思うので(本編で出せるかなぁ。口頭説明で終わるかも^^;)、その時は存分に尻を叩いて貰いたいと思います(笑)

yama様、いつもコメント有り難うございます。

作品作りの参考にさせていただきます 

こんにちは、ファンタジー系ライトノベル投稿サイト夢園日記を
運営している岡崎大介と申すものです。
私もブログで小説を投稿しているので作品作りの参考にさせていただく、
ずっと心に決めていたの序盤を読ませていただきました

よかった点はキャラクターの描写が細かく、容易にどんなキャラか想像
できた点です。私はあまりキャラの見た目の描写がうまくないので少し
工夫をしないとダメかなと思いました

お互い執筆活動頑張りましょう!

岡崎 大介様 

初めまして。今日は。

何だか敷居の高いお言葉にとても恐縮してしまいます^^;
私が書く時に気を付けているのは、小説は漫画と違い文で表現するしかないと言う事。
そこを如何表現し、分かりやすく伝える為にどうすれば良いのかはいつも考えながら書かせて頂いてます。
書き手にも色々なタイプの方がいるのでどれが良い等と言う事は無いと思いますが、私はどちらかと言うと好きな話しを掘り下げて色々書きたいタイプなので、キャラの描写も細かい方だと思いますが、自分が書きたいと思うスタイルを、そのように捉えて頂けて光栄です。
何処まで参考になるのか分かりませんが、読まれて何か得るものがあるのならば幸いです。
今後も宜しければお読みくださいませ。

お互いこれからも創作活動頑張って行きましょうね。
コメント、有り難うございました。

NoTitle 

昔は縁談のほうが多かったですからね。
今は自由恋愛の時代ですが。
逆に縁談があったほうが結婚もしやすかったのかな。
あるいは価値観の相違が多くなったのかもしれませんね。

LandM様 

今日は。

そうですね。
古き時代は自由恋愛なんて殆どありえませんでしたからね。
結婚率から言えば有無を言わさず、年頃になれば親が決めた者と結婚ですから結婚は容易に出来ましたものね。
価値観はやはり女性社会進出に伴い変わって来ましたよね。
古いものを良しとする者、新しきを受け入れるもの、我が道を進む者……、ある意味価値観の相違は時代の流れから言って致し方ないのかもしれませんね^^;

LandMさん、いつもコメント有り難うございます。
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