パウリンの娘

パウリンの娘《第12章6》

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ゼロは公爵に地下室での一件の報告と共にルシオンとローレライの偽名での訪問についても理由を話し、詫びを入れていた。
公爵はライサンドを警戒しての対応だった事を告げるとそれを何も言わずに許してくれた。
そして、二人には今日の出来事と、これからの事をきちんと話しておかなければと思っていた。

「ライサンドが公爵からの書状を手下にすり替えさせ王に届けさせている。仔馬も予定より早く動かされてしまい既にここには居ない。おそらく王宮に向かっていると思う。今フリードルに追わせている」

ローレライは絶句した。
やっとドレアスを取り戻せると思っていたのに、またも奪われてしまうなんて・・・・。

「王宮に入ってしまったらどうなるの? もぅドレアスを取り戻すのは無理なのではないかしら・・・・」

ローレライは昨夜のショックも癒えぬままの状況に加えてドレアスの件でいつもより更に悲観的になっているようだった。

「大丈夫だよ。フリードルは何時だって頼りになる奴じゃないか。今回だってきっとやり遂げてくれるさ。なぁ」

ルシオンから振られてゼロはどのような言葉を掛けてやればいいのか戸惑っていた。

「フリードルが駄目なら他の何者が追い駆けようと所詮無理だ。単独で走らせれば昔から奴の右に出る者はいない。今はフリードルが何処までやってくれるか信じるしかない」

ゼロはフリードルが自分の右腕である事を認めている。
左腕は勿論シドだ。
その二人が居るからこそ、今自分はここに居られるのだ。

「フリードル・・・・お願い・・・・」

ローレライは神に祈る思いだった。

「シザーレは公爵の依頼を受けてキールの者の中にライサンドに組している者がどれだけいるか調査している。ランドンの姉の事件に関しては公爵が留守の間に起こった事で、公爵はランドンの父についても歪んだ形で報告されていたらしい。ニックには改めてキールへの復帰とランドンにも父の後を継がないかと言う誘いがあった」

ルシオンは絶句した。

「・・・・あいつには、もぅ!?」

「いや、私がシザーレから聞いただけだ。まだ二人はこの事を知らんが、お前にはランドンの主として聞いておく権利があるだろう? だから話しておく」

「分かった」

ルシオンはランドンがどれだけ苦しんでいたかを知っている。
何も話してはくれなかったが、その事は分かっていた。

「ランドンにはニックと一緒にキールを既に辞めた者の中にブラックナイトの思想に賛同する仲間となり得る人材を探して貰っている。最悪の場合ライサンドの息の根がかかっているキールの者との内戦に発展するかもしれんからな」

ニックとランドンは引き続きブラックナイトのメンバーとして動いている状況だった。

フリードルは全力で二つの件を阻止しようと動いてくれている。
仔馬の輸送に関しては早馬で飛ばす真似は出来ないしきっとエルならば間違えなく追いつけるだろう。
しかし、書状の件は早馬で昨夜の段階で屋敷を発たれていれば既に王宮に着いているかもしれない時刻。
どう考えても無理があった。
だが、エルは無理でしたと言ってそのまま帰ってくるように無能な者ではない。
間に合わなければ合わないなりにきっと何か手を打ってくれるはずだ。
書状が王の許に既に届いているとすれば、直ぐにでもライサンドに王宮に来るようにとの伝令が告げられるであだろう。
本来ならば公爵も一緒に呼ばれる筈だが、嘘の書状を作ってまでも父の爵位を奪おうとまでするライサンドが一緒に誘われるような内容の書状を偽造するとは到底思えなかった。
きっと何らかの理由で公爵が王宮に出向けない理由を作っているに違いなかった。

「こちらにいるライサンド側のキールの面々を今のうちに根絶やしにしておかなければならない。偽の書状が届けられ、我王からライサンド出仕を求められたら不味い事になる。ライサンドの仲間のキールの者は公爵が許さなくとも躍起になってライサンドを助け出そうとする筈だ」

そうなる前に災いは何としても絶っておかなければならない。

何れ王宮には出向くつもりではいた。
だが、それは我王を引き摺り下ろせるだけの準備が整ってからと思っていた。

「その前に状況はそれを許さぬかもしれんな・・・・」

ゼロがポツリと呟いた。

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NoTitle 

着実に進んでるけど~
もどかしい!(笑)
早くラブラブが見たい~^^
でもゼロはもう揺るがないだろうからね~♪
期待してます~(^^)b

はのん様 

そうそう、着実に進んでるんだけどね^^;
ゼロは何があっても揺るがないんだけど・・・・ローレライの性格がまたゴタゴタを引き起こす原因に^^;
ラブラブとまではいかないけどジレ甘位はあるかな♪
ゼロにちょっと同情するかも(笑)
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