ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《147.指 輪2》

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何?
それってアレクは指輪の申請をそのままにしておく方向で考えている……と言う事なのだろうか?

「如何して? 仮申請を取り消す事が出来るのならば、私はそうして欲しいわ」

「いや、でもそれだと挙式までに間に合わないかもしれないから」

サラリと告げられた言葉に、息を呑んだ。

「きッ……? きょ、きょしっ……っ……!?」

驚きすぎて息が詰まり、言葉が上手く発せられない。

「マリー、落ち着いて。深呼吸ッ。ほら、吸って、吐いて、吸って……、そう。ほら、もう一度……」

アレクの掛け声に合わせて、何度も大きく深呼吸を繰り返した。

「ふぅーっ……」

「少し落ち着いた?」

アレクは薄笑みを浮かべて何だかとっても楽しそうだ。

「……今、そのぉ……。きょっ、キョシキって言った?」

「言った。プロムミナ大聖堂が、色々と行事や何やらで詰まっていて、今年の休日はもう来月末しかとれなかったんだ。だから予約しておいた」

「『予約しておいた』って、そんな簡単に……」

プロムミナ大聖堂は王室と縁ある場所で、戴冠式や王族の挙式も行われている場所だ。

「何? マリーはこんなに早く私と式を挙げるのは嫌だった?」

「嫌だとか、そう言う事では無くて、そもそも片付ける問題はまだ沢山あるのだし、それにウェディングドレスだってまだっ」

「忘れていると思うかい?」

「っ!! 出来ているの?」

「そのドレスを頼んだ仕立て屋に、母の仕舞っていたウェディングドレスの仕立て直しを頼んでおいたんだ。マリーのサイズに合わせてね。多分そのドレスと一緒に出来上がって来ている筈だけど……」

「出来上がっているの!?」

「あっ、お古はやっぱり嫌だったかな? 生前母が、娘が生まれたら着せたいって言っていたからマリーにって思ったんだけど……」

「いえ、そう言う訳では……。でも、」

「そうか! やっぱりこう言う事はマリーのお母上とも相談して決めた方が良かったよね。何か色々と時間が無かったから咄嗟に思いついて頼んでしまったんだけど、マリーのお母上も自分の花嫁衣装を着せたいって思われていたかもしれないし、あッ。それとも作り直した方が良かったかな? 御免。だったら早急に仕立て屋を呼んで生地を選び直してッ」

「ちょっと待って、アレクシス! 少し考えさせて!!」

「ああ、御免……」

勝手に進んでいる出来事に頭が全然ついて行かない……。

来月挙式って?
衣装も揃ってるって、こんな事有り得るの!?

勿論アレクの屋敷へ行くと決めた時から、私の心は決まっていた。
アレクとの結婚の意思は固い。
でも、それは全てが片付いてからだと思っていた。
それなのに……。

「来月なんて、とても無理よ……」

「無理じゃないよ。ずっと働きづめだったから明日から休みを貰えたんだ。明日はマリーの祖父君に会いに行こう」

「お爺様に!?」

「ポリゼベーテ伯爵夫人からは婚約申請書の記載欄に名も貰えた。後は3年前に引退された前マニエール男爵から署名を貰って提出するだけなんだ。この休暇中にそれが成されれば全然余裕だよ。今のこの状況では過去の申請書の効力は無効になる事で間違いないだろう。あの兄妹の拘留期間が解かれない内に事を進めた方が、我々の婚約申請書が受理される確率も断然上がる。王太子殿下にも後押しして貰えるように頼んであるし、後は前マニエール男爵に署名を頂ければ、全て上手く行く! 今月末には結果が出るだろうから、その間に招待客のリストもアップして、結果が決まったら直ぐに招待状を出せばいい。そんなに難しい事では無いさ」

「それにしても、ここまで急ぐ必要が何処にあるの? 私は来年でも式が挙げられるのなら全然……。アレクは如何してそんなに式を急ぐの? 年内になんて慌ただしいにも程があるわ」

「ゆっくりなんて構えていられないよ! 中に出しちゃったし、デキてたら困るじゃないか」

「って……、アレクシスッ!!」

突然の生々しい発言に、私は頬を真っ赤に染めながらアレクシスの胸元を必死に叩きまくった。

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~ Comment ~

NoTitle 

確かに昔はウェディングドレスは母親のもとを使うとかありましたよね。最近のウェディングドレスは高すぎるような嫌いが。。。伝統のものを使うのも粋ってものですよね。家族愛が試されるところですね。
・・・今は昔ほど家族が緊密ではないという証明でもなるのか。。。

NoTitle 

更新、お疲れ様です。

こんな短い間にもうウェディングドレスや結婚の準備までしてるなんて、まだ事件解決もしてないのに気が早すぎるなあ。

ふと思えばアレクってどれだけこの短い間に多忙なことをしてたんだろうって思いました。
マリーとの未来を考えるために頑張ったのでしょうけどちょっと体的に大丈夫だったのかなっと思いました。

『中に出しちゃったし、デキてたら困るじゃないか』

確かに生々しくて身も蓋もない、けどやっと気になってたことがきたっ!って思いました。この話を待ってたんですよ(笑)
二人の素敵な夜の一夜で彼女のお腹に命が宿っているか。
避妊描写なしだとこういう話を含めてそういうの期待しちゃってそれを含めた二人がどう向き合うかもR18ものの醍醐味の一つだと思うんですねえ。
出しちゃったってことはアレクはマリーとの交わりが気持ち良すぎて我慢できなかったのかな?そりゃ愛しい人が自分の下で可愛らしく乱れてたらそうなるのも無理ないよね。
でも事後、避妊薬等の対処をしてないから、むしろアレクはマリーのお腹赤ちゃんができちゃってたらいいなと思ったのでしょうね。

マリーだってアレクとの赤ちゃんは欲しいはず(今欲しいかはともかく)
このことにどうアレクと話し合うか楽しみです。

LandM様 

今日は^^

決まりと言う訳ではありませんが、私の中の設定では、こちらでは母の着た花嫁衣装を娘が受け継ぐと言う傾向色が強かったりします。
選ぶも選ばずも最終的には本人の自由ですが、良いものは受け継がれて行く事が大切だとされている国なので、古い家などでは特にその色が濃かったりします。アレクの家は建国当初からある名家ですし。

>伝統のものを使うのも粋ってものですよね。家族愛が試されるところですね。
私もそう思います。

>・・・今は昔ほど家族が緊密ではないという証明でもなるのか。。。
そう言った点ではそうとも言えるのかもしれませんね^^;
成人式の着物も、うちは女の子がいれば着てほしかったですが、いないからなぁ。一応姪っ子には「いるならあげるよ~」と、打診していますが^^;

いつもコメント有り難うございます^^

yama様 

今日は。

>こんな短い間にもうウェディングドレスや結婚の準備までしてるなんて、まだ事件解決もしてないのに気が早すぎるなあ。
書いていたら勝手にアレクが突っ走ってくれていました(笑)
アレクは仕事中も色々とマリーの事が気になっていて、気になったままでは仕事も思うように手につかず、結局リレントに色々頼んで手配してました^^;有能な彼が傍に居なければすべての準備や諸々の事は出来なかったと思います。途中で変わっちゃったサンデスとかだと、まだ身近な身の回りの世話とか以外あまり出来ないので^^;

>確かに生々しくて身も蓋もない、けどやっと気になってたことがきたっ!って思いました。この話を待ってたんですよ(笑)
有り難うございます^^
この後の会話、何処まで詳しく書いたものかと実は考えてました。(笑)
「ちょっと省略しちゃおうかな~」とも思ってましたが、何かアチラでも「指輪」の反応思った以上に強くてお気に入りもまたかなり増えているようなので、出来るだけ省略無しに書こうと思います^^
アレクが確信犯かそうで無かったかも踏まえてそこは書いて行こうと思います(笑)

いつもコメント有り難うございます。

NoTitle 

手回しがいい……という以上に、アレクが宰相になったら、東軍が「大阪城の外堀と内堀を全部埋める」ことを関ヶ原以前の段階ですでにやっていそうだと思えるほどの手際のよさであります(^^)

王国の未来は明るい(^^)

ポール・ブリッツ様 

今晩は。

実際に政治的問題となれば色々障害も多々あるだろうし、まあどの程度出来るかは皆無ですが、アレクはマリーの事となるとなりふり構わず的な傾向にあるので、ある意味素質はあると思います。将来的には彼には頼れる友人もいるので、今の所将来への展望は明るいのかもしれませんね♪
実際問題としては外堀はパウウェルがやってくれると思いますが(笑)

コメント有り難うございます。
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