パウリンの娘

パウリンの娘《第3章3》

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翌朝、ローレライは自分がどうやって部屋へ戻ってきたのか直ぐには思い出せなかった。
あれは夢だったのか!?
コルセットは緩められてはいたが、夜着にも着替えずそのまま床に就いてしまったようだった。
そして左手にはしっかりパウリンが握ぎり絞められていた。
やはり夢では無かったのだ・・・・。
そこへ侍女のメイテルが入ってくる。

「お嬢様、お目覚めでいらっしゃいますか? 昨夜は随分とお疲れのご様子でしたがお加減は如何ですか? 大丈夫でしたら湯の用意も出来ておりますが、どうなさいますか?」

「入るわ」

昨夜コルセットを緩めてくれたのも記憶に無いけれど、きっとメイテルだ。
聞きたい事もあるだろうに気持ちを察して何も聞かずにニッコリと微笑んでくれる侍女の心遣いが今はとても有難かった。

湯に入り、少し気分を落ち着かせて食堂へ行くと夫人は食事を終えた所だった。
軽く挨拶を済ませ、自分も席に着く。
夫人は今日の午後には発つと聞いている。
付けようとしていたナプキンを再びテーブルに置くとローレライはその場で立ち上がった。

「後でお茶にお誘いしても良いでしょうか?」

咄嗟にそう口にしていた。
夫人は嬉しそうに微笑むと、快く承諾してくれた。

湯に浸かり少し落ち着きを取り戻した時、昨夜驚嘆して言葉を失ってしまった後、夫人が自分を労り、話を切り上げて休むように言ってくれたことを思い出した。
もしかしたら、まだ聞いておかなくてはならない事があるのかもしれない。
夫人が去ってからでは遅いのだ。
まだ自分の中で全てが消化しきれていないし、畏怖に囚われてもいる。
しかし“あの時聞いておけば良かった”と後になって後悔したくはないと言う思いの方が今のローレライには強かった。

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