突然、超SS劇場

突然、超SS劇場 ~その5~ 不毛な王太子(後編) /『記憶の彼方とその果てに-番外編-』後日談より

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頭では分かっているのだ。可愛い我が子の成長の為に、そんな子供じみた嫉妬に駆られた我儘を言う事は間違っているのだと。
だからアーリアが乳母を側に置いても昼間だけでもせめて自らの乳で育てたいと言う申し出も受け入れたし、ラルフがアーリアの乳を美味しそうに飲んでいる姿を目にし、勿論可愛いとも思う。
だが、噛まれたとなれば話は別だ!

「……リア……、今後の授乳は乳母に任せなさい。もう3か月も飲ませたんだ。十分だ」

「ラル? 何馬鹿な事を言っているの?」

「噛むと言う事は、ラルフはきっとアーリアの乳が欲しい訳では無い、弄んでいるんだ!!」

「……えっ!?」

アーリアが何処か呆れているようにも思える表情をしている事に気付き、自分でも馬鹿な事を言ったと直ぐに後悔した。

「いや、歯が生えているのならばもうアーリアが危険を冒す必要は無い。何かの感染症を起こしても悪いし、今後の授乳は控えた方が良いと思う。全て乳母に任せなさい」

「……でも、ラルフが乳を飲んでいる姿は本当に可愛いのよ。セイラルと私の赤ちゃんが私の母乳で育ってくれていると思うと嬉しくて仕方なくて……。だから、私からその幸せを奪わないでッ」

「うっ……」

縋る様な……少し潤んだ瞳で告げられれば、とても嫌とは言えない。
いや、今ここで否定して、この久し振りの営みを拒否される事態に陥っては元も子も無い。

「とりあえず……少しだけ様子を見て、この事はまた考えよう」

「有難う。ラル!」

私の首にしがみ付き、自らの唇に引き寄せようとするアーリアの可愛い姿。

「来て? ラル」

何時になく積極的なアーリアの姿は、私を翻弄させるに十分だった。



数日後、授乳中のアーリアと息子ラルフグレードの姿を再び目にした。
耳に突き抜けるような声を響かせ泣きじゃくっていたいラルフグレードが、アーリアが抱き上げ乳を含ませた途端、泣きやみ懸命に母の乳を貪る姿はやはり純粋に可愛いと思った。

(ああ、やはり邪念は捨てよう)

と、この時思っていたのに……。じっと見ていると最初の3分程は必死に乳を飲んでいた様だったがその後、何やら……口に含んでいるがあまり必死に飲んでいないように思えて来た。

「リア……、ラルフもうあまり飲んでないぞ」

「えっ!?」

「乳で……遊んでないか?……」

「そんな事ある訳……あっ、イタッ!!」

「ほら見ろ!! こいつリアの乳で遊んでるッ! リア、授乳はもう禁止だ!! 我が子とは言え、リアの乳をもて遊ぶとは言語道断だ! 力加減も分らずリアの乳を玩ぶ輩にもうリアの乳は貸せない!!」

その言葉に傍にいた乳母と侍女が自分を見つめ何処か引いて行くのを感じてハッとした。

「ラルぅ……、 その考え方絶対におかしい!!」

「うっ……」

何も言えない……。我が子に嫉妬するとは我ながら不毛だと思う……。
けれど仕方ないじゃないか! 私は誰よりアーリアを愛しているのだから!

それから暫くセイラルは、せっかく侍医から許可が下りたと言うのに、アーリアから床を共にする事を拒否され続けた。

身から出た錆とは言え、不毛な王太子である。

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~ Comment ~

NoTitle 

まあ、あれだ。
父親は子どもにも嫉妬する生き物なんですよ。
特に男の子ならなおさらそういう風になります。
度量が狭いと言われようが、それが男の性なのさ!!
( `ー´)ノ

LandM様 

こちらにも有り難うございます。

そうそうそう!
正に奥様を溺愛する男はそうだろうと言うのが私の頭の中には出来上がってます。
その中でもセイラルは前世の件もあるのでその部分は今の所私の男キャラでは断トツだと思ってます。
よって、セイラルはこれで良いんです♪(笑)

男性からそう言って頂けると心強いです^^/

いつもコメント有り難うございます。
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