パウリンの娘

パウリンの娘《第14章2》

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意に沿う形でとはいかないが、意中の者との結婚は決まっている。
本来色々将来について話しておくべき事もあるが、二人の場合少しそれは異なる。
自分たちの事よりも先ずこれから我王を退かせ、新王をどのような形で玉座に就かせるかが一番重要な使命だった。

「パウリンの存在は本来、王にのみその詳しい内容が知らされるものだ。しかし、私は信頼のおける側近や重臣等には時として内容を明かす事も、存在を知ってもらう事も必要だと思っている。お前はどう思う!?」

「私は、ザビーネ様から多くを告げられてはいません。過去の前例も何も知らない。なので、ゼロに任せて良い事なのか、私が決めなければならない事なのか分らない・・・・」

ローレライは運命を受け入れ背負っていく覚悟だけでも手一杯の状況だった。
出来る事ならばゼロに全てを任せてしまいたかった。
しかし、そう言う訳には行かない。

「前例か・・・・。お前にならもぅ明かしても良いな。今まで迷惑をかけてしまうし、それにより身を危険に曝すような事になっては不味いので伏せていたが・・・・ザビーネは伯母ではない。私の母だ」

「ゼロのお母様!?」

ローレライは心の中のモヤモヤが晴れて行くのを感じた。
伯母では無く母と言われた方が俄然納得がいく。
この綺麗な漆黒の髪に薄紫の瞳はザビーネ様にそっくりで、醸し出す雰囲気も穏やかな時の表情などは本当に良く似ている。

「それで色々とな。父とパウリンの件で話しているのを耳にした事もある」

「王以外の者に話しても良い事なの!?」

「信頼のおける王の側近になら話した方が聞き入れてくれる事もある」

「ゼロのお父様は王の側近なの!?」

「ああ。父は現宰相のオードラル公爵だ」

母が前王の姉君でパウリンの後継者で、父が公爵で現宰相だなんて・・・・。

「確か宰相は前王の時代から変わっていなかったはずだわ。前王とは従兄弟の間柄と聞いた事があるわ」

「ああ、父と母は従兄妹同士だ」

ローレライは頭がクラクラして来た。
ゼロは元々生粋の王族だわ!!

「両親とも王族だなんて・・・・。パウリンの決めた事でなければ、私にはとても恐れ多くて・・・・。何も知らずに、今まで何て事を・・・・」

ゼロに甘えすぎたし、最初から知っていたらこんなに好きになんてなっていなかった!?

「何を言っている!? 私は私だ!! お前は王族だと差別するのか!? 私が必要では無いのか!? お前にとって私はそれほど簡単に切り捨てられる程度の存在なのか!?」

「そんな事無いわ! 私にはゼロが必要なの! ゼロでなくてはダメなの!! だってゼロは私の!!・・・・ パウリンが定めた運命の人だから・・・・」

“私の好きになった初めての人だから・・・・”

ローレライは心の中でそう叫んでいた。
あぁダメだ。やっぱりこんなにもゼロが好き・・・・。
でも、女とも思えない者から告げられてもゼロにとっては迷惑なだけ。
負担をかけてしまうだけ・・・・。

ローレライは溢れ出す涙をグッと歯噛みして飲み込むと、言いかけた言葉を心の奥底に沈め鍵をかけた。

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~ Comment ~

NoTitle 

言っちゃえばいいのに~~~!
…と思うけど(笑)
そうすると簡単なのにね~(大笑)
でもそれじゃ話が終わっちゃうから!ププッ(*^m^*)

はのん様 

早く言わせたら・・・・ラスト変わっちゃうから(笑)
お互い好きだから嫌われたくないし、嫌われても逃げられないし結婚は絶対だから慎重なのよね。
嫌われての結婚生活って想像しただけで悲惨だし^^;
ジレ甘シーンを挟みつつラストに突き進みます!!^^
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