離婚しましょう? 旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ 本編《シルビア視点》3

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「許してくれ、シルビア!」

その言葉が全てを物語っていた。
やはり旦那様は私と結婚してからも、以前の御婦人達とのお付き合いを続けられていたのだ。

「ずっと……好きでしたのにぃ……っ」

零れ出た言葉は、包み隠す事の出来ない私の本心。
ずっとずっと、旦那様に助けて頂いた幼い頃からの想い続けていた……。けれど……。

「私もだ」

「!!」

ずっと欲しいと思っていた言葉に、一瞬、息が出来なくなり胸が詰まりそうになった。
けれど、そんな事は有り得ない!
私は慰めの……、口先だけの言葉が欲しくて旦那様に想いを口にした訳では無い。
ただ、私が旦那様の事を、どれだけ思いを交されている多くのご婦人達よりもずっと以前から思い、私が誰よりも先に旦那様を見初め、恋に落ちたのだと言う事を知って欲しかった。
想いは届かなくても、貴方を思う想いだけは私が誰よりも一番なのだと言う事を、たった三月にも満たない結婚生活を強いられただけの馬鹿な妻だったかもしれないけれど、その事だけは覚えていて欲しかったから……。
だから、私は旦那様の口先だけの言葉を否定して、大きく首を振り続けた。

「嘘を仰らないで!」

「嘘じゃない!!」

慰めから出た言葉なのだろうけれど……、その言葉の意味がどれだけ重いかと言う事を貴方は知っているのかしら?

けれど、まるで返し言葉のように即答で旦那様の口から紡がれた言葉は、私に大きな衝撃を齎した。今の私には何の慰めにもならない言葉なのに……。
けれどその言葉は、一瞬だけでも信じたいと言う気持ち私に植え付けて行く。
信じても、更に自分が傷つくだけ。全ては現実が物語っていて、それを否定する事がどれだけ難しいかを私は知っているのに……。

「だって、今まで……、言ってくれた事も……ッ」

それでも、その言葉に思わず縋り付きたくなるのは、きっとまだ私の中に旦那様への気持ちが残っているから……。

「えっ?!」

「好きって、言ってくれた事……、ありませんのにぃ」

貴婦人ずらして旦那様を否定し続けることが難しい馬鹿な、子供じみた女だから……。

「いや、そんな筈は……」

それなのに、旦那様は、何かを懸命に思い出そうと言う仕草を覗かせていた。
一体何の為に?
私に取り繕う必要等、もう何も無い筈なのに……。

「あっ……」

何を思い出されたのか?
その言葉を口にした途端、旦那様はまるで羞恥でも覚えたかのように顔を真っ赤に染めると、何故だか口ごもった。
そして、一言。

「……好きなんだ……」

(はあ?!)

「いっ、今更……。そっ、そんな、口先だけの好きだなんて、要りません!」

思わず旦那様の羞恥なる言葉に吊られてしまい、私も火照る頬に両手を添えながら言葉を返してしまった。

「ならば、如何しろとッ……」

それは私が聞きたい!

火照った熱のせいなのか?
何処か次なる言葉に焦っていた私は、更なる思いの丈を旦那様に曝け出していた。恥ずかしい言葉も踏まえて……。

「それに、けっ、婚して、二月も経つのに、まだ7回とか可笑しいって言われましたッ」

「はあ?!」

「ひっ、一晩で、それだけ求められる奥様方もいるって……」

「それはッ」

「お母様はッ、……けっ、結婚式の夜は、お父様に求められすぎて、……何回求められたか分らない程だったって仰っていました!」

「それは、凄いな……」

女を落す事に百戦錬磨の旦那様も、流石にその言葉にはドン引きされているご様子。
それなのに私の言葉は止まらず、旦那様へ今まで告げる事の出来なかった疑問を、思いの限りに並べ立て、叩きつけてしまった。
言葉は咳を切った様に次から次へと溢れ出して来る。

「感心なさらないで下さい! なのに、旦那様は、私に見向きもなさらずに、毎日お酒ばかりで……」

「だから、それは言っただろう? 部下の者達が……」

「分かっています! でも、悔しいんです! 私が旦那様の一番なれるチャンスだったのに、私にはそれが許されなかった……。それって、私は、旦那様の部下の方たち以上にはなれないって事ですよね?!……」

「そんな事は無い! 私は誰よりもお前を、愛して……」

そんな馬鹿な……。
今、誰よりも、私を愛して……て、言って下さった?!
出来る事ならばその言葉を信じたいッ。けれど、そんな筈は……。

今までの私に対する閨での行動は、とても妻を愛している夫のものとは思えない。
愛しているのならば、何故もっともっと触れてみたいと思わないの?
私は恥ずかしいと思いながらも、旦那様に触れられるだけで幸せだったし、もっともっと旦那様に触れたいといつも思っていた。
触れ合った後も、ずっと側に居て旦那様の温もりをもっと傍で感じていたかった。
本当に私を愛していると言うのならば……、私にその言葉を本当に信じさせる気があるのならば、その理由を吐いて貰わなくては!

その理由が納得できるものでなくては、到底私は旦那様の言葉を受け入れることは出来ない!
そう思った。

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~ Comment ~

NoTitle 

まずは小説再開おめでとうございますです。
この作品は個人的にラブコメディで楽しんでいるので、読み返してみても楽しいので、それで気分転換も良いですよね。
涼音さんの小説はなんでも楽しみにしてますので、お互いに頑張りましょうね~~。
(/・ω・)/

LandM様 

今日は^^

有り難うございます。
やっと落ち着いたと言っていいかな?
昨日地震後初めて余震の無い生活を過ごしました。
まだ、揺れないことが半信半疑の生活で、全く恐怖がないと言うのは嘘になりますが、夜は眠れるし安定した生活が取り戻せました。

何かに没頭できる時間は私にとって一番楽しい時間です。
特に今は明るく振舞いたいと思って過ごしているので、この作品は見直していても特に楽しいです^^

引き続きこれからもよろしくお願いいたします。
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