離婚しましょう? 旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ 本編《シルビア視点》6

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想像すらしていなかった旦那様の言葉は、今までとは違う意味で、私に衝撃を齎した。

(月……の……モノっ……て……、月の……モノって、月のモノってッ?!)

旦那さまっ、何て言う恥ずかしい事を、そんなすらすらと真顔で仰っているのですか!?

私の頭の中では、告げられた言葉がグルグルと周り続け、みるみるうちに羞恥で頬が染まってしまう。
えっと……それは、今まで浮気はしていなかったけれど、妻に満足できないからやっぱり今後はご婦人達の許へ通いたいと言う……。次は何時デキるのだとか、そう言う事を思っての……詮索をしていると言うご報告……なのですか?

「……お前今、何かとんでもない事を想像しているだろう……」

「えっ?」

何故バレて……?

「皆、夫のある身だったから、避妊には自主的に気を付けている者達ばかりだったし、それに私も気を付けていた……。それでもそう言う関係にはあった事実は拭えない。お前には常に誠実でありたいと思っていたから、確固たる証明をもって何があっても今後はお前を安心させる事の出来る自分でありたかったのだ。そう思っての行動だった。それでも私を許せないか?」

「だっ、旦那……さま……」

本当に、それ程までに私の事を?

「その者達には、きちんと妻を愛してしまったから、結婚前の約束は反故にしたいと正式に申し出た。皆、各々納得してくれた……。だが、お前に誠実にありたいと願い出た行動が、よもやそれが痣になってしまい、離婚を切り出される事になろうとは……」

でも……、では何故……。私の聞いた事については如何繕われるおつもりなのですか?
マゼレーゼ様のお邸に、足を運んでいる旦那様のお姿を見たと言う報告の真意は、私に対し誠実で有りたいが故に起こした行動だったと?
マゼレーゼ様のお身体とお腹の御子をご心配なさっての事では無かったと言うの?

「で……、では本当に……マゼレーゼ様のお腹の御子は旦那様の御子では……?」

「違うッ。……マゼレーゼには、私以外にもつきあっている男が他にもいた。だから、その子はその者達何れかの子なのだろう。だが、もし仮に私との間の子の可能性があったとしても、申し訳ないがマゼレーゼを身受けするつもりは無かった」

「えっ?!」

……お身受け……なさらない?

そう言う事を、全く想像すらしていなかったからかなり驚かされた。
それにマゼレーゼ様に旦那様意外にもお付き合いされている殿方が居ただなんて……。
では、私が今まで思い悩んで来たのは一体何だったの?!
旦那様の浮気に関しては、ある意味容認する心構えを持って嫁いだ筈の私が、旦那様との離婚を覚悟し決めた経緯は、新しい命とこのローゼリアン伯爵家の未来を担うべき者の母親は共にあるべきだと思ったから……。
それにお身受けなさるのなら、私の存在は不要だと思った。ううん、何よりその方をお迎えした状況で、共にこの屋敷に住むなど、私自身が耐え切れなかったから……。

「だってそうだろう? 酷い話かもしれないが、お前を心の底から愛していると気付いた今、例え自分の子であったとしても、その者の産んだ子を愛おしく思えるとは思えない。それなりの生活援助はするだろうが、身受けする事だけは有り得ない!」

「本当に酷い方……」

私は嬉し涙に零れながら、満面の笑顔で微笑んだ。

「酷くてもしょうがない。私はそれ程に、お前だけを欲しているのだから」

「旦那様ッ…ンっ……」

言葉を告げるや否や、旦那様に再び力強く抱きしめられ、何度も食むようにその唇を貪られた。
だが、想いが互いに通じた今、それだけで満足できる筈もなく、次第にどちらからともなく深く舌を絡め合った。

「ぁふっ、……んっ……、旦那……さま……、いき……出来ない……」

「我慢しろ! 離婚は認めない、良いな?」

「っ……、はい、旦那様ッ……ぁん」

私の答えに満足した旦那様は、満足げに微笑むと首筋に唇を這わせ始めた。

えっ? えっと、まさかこの様な所で?

「だっ、旦那様ッ、まさか、こっ、このような所で……と言う事は……」

今の私は正しくソファーに座らせられ、押し倒されようとしている状況だ。

「ここでは駄目なのか?」

「ダメと言うよりも、旦那様はそもそもこう言う所でそう言う事をなさる方ではありません……よね?」

いつもきちんと寝台まで招き入れられ、それから二人で並んで座り『良いか?』と尋ねられ、私が了承してから……、と言うのが始まりだった。

「経験の浅いお前を激情のままに抱いて、怖がらせたくは無かったからな」

「えっ?」

「強引に誘って……、もし、お前から『怖いから嫌だ!』とか、否定されたら立ち直れない……。この先お前を抱けないかもしれないと思うだけで、私はきっと狂えるぞ」

「えっと……」

って事は、旦那様は週に一度の夜勤明けの日だけでなく、もっと私を誘いたかったと、思って下さっていたと?!

「もし今私に抱かれるのが嫌だと思うならば言ってくれ。嫌々抱かれて、今後その事がトラウマとなって、お前から拒否されるのは嫌だからな」

見る見るうちに全身が熱くなって来るのが分かった。

旦那様が、ずっと私をもっと抱きたいと思ってくれていただなんて……。
嬉しいッ、嬉しすぎる!

「でっ、では……、私の躰は……、だっ、旦那様に満足して頂けていたのですか?」

“はぁ――っ”

旦那様が大きな溜息をつきながら、頭を抱え項垂れた。

「思い違いも大概にしろよ! 私が週に一度のお前との交わりを、いつもどれだけ楽しみにしていたと思っているんだ! 初めてのお前に無理をさせたくないから、夜勤明けの……疲れて帰って来たその日なら、1回でも諦められると、そう思っていつも耐え忍んでいたと言うのにッ!!」

「えっ? では、毎回一度だけで終わってしまうのは、私の躰に満足して頂けなかったと言う訳では……?」

「有り得ない! お前に無理をさせたくなかっただけだッ」

「えっと……。では、いつも一緒に寝て下さらなかったのは?」

「私を受け入れてくれた後の色香漂うお前の肌を目の前にして、一緒に寝ろだと?! お前、鬼畜なのか? そんな事出来るか!!」

「えっと……、それは如何言う??」

「愛しいお前の柔肌を目の前にして、理性が保てるか!! お前、抱き潰されたかったのか?!」

「はいッ」

即答で返事をする私に、旦那様が何処か呆気にとられているような表情でこちらをじっと見つめていた。

「えっ?」

「旦那様の愛を、もっと感じられるならば、別に構いませんでしたけど?」

言葉を吐き出すと同時に、まるで捕獲者のような眼差しに変わった旦那様は、私をその場で押し倒した。

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~ Comment ~

NoTitle 

ん~~~~。
ちょっと気持ちは分かるかな~~。

アレですよ。
本当に好きな人との情交は大切扱っていかなきゃな~~。
・・・と、男心に思うのですよ。

だけど、気軽な異性友達とかとの情交は色々な情交を試したくなる心情になるんですよね。好奇心を満足させたいとか、色々考えたりするのですよ。(゜_゜>)

それが男というものなのだ。
(-_-メ)

LandM様 

今晩は。
こちらにも有り難うございます。

作品を書くにあたって、自分の経験ではどうにもならない事もあるので、旦那に過去に聞いた酷い話とか(苦笑)、今まで読んできたものの中で自分なりに消化し確立してきたある種の男性像を組み合わせたりと模索しながらキャラを作っていきますが、実際、男性からそういって頂けて良かった♪
作り物の作品ですが、出来れば共感も得られたいと言う思いはあるので^^

好奇心をそそられる爆弾告白有り難うございます。
うちの旦那も何か以前(結婚前の話で)色々言ってましたが(笑)
ホントに男心の耳より情報、大変勉強になります。

いつもコメント有り難うございます。
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