パウリンの娘

パウリンの娘《第14章7》

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フリードルはゼロの部屋を出ると、その足でルシオンの許へ向かった。
ルシオンの部屋にはローレライも顔を出していた。

「心配かけて悪かったな。めでたい報告に出向く所を、水を差す形にさせてしまい申し訳なかった」

フリードルは深々と頭を下げた。

「やめろよ。お前からそんな事されると背中が痒くなる。ゼロからは心配はいらないと言われたんだけど、やっぱり顔見るまで落ち着かないしさ。こっちが勝手にやった事なんだから気にしないでくれ」

「でも、ホントに無事で良かったわ。ドレアスの事も本当に有難う。今ブラックナイトの支部で保護されているってゼロに聞いたわ」

「連れて来られると良かったんだが、ここでは安全とは言えないからな」

「それで良かったと思うわ」

「それより聞いたぞ。婚約したんだってな。良かったな」

「有難う」

「幸せか!?」

「・・・・そうね」

ローレライはニッコリ微笑んだ。

フリードルはここでも“おや!?”と、思った。
どうも様子がおかしい。
いつものローレライならば本当に嬉しい時は弾ける様な笑顔で頬を染め、嬉しそうに意気揚々と告げる筈だ。

「ローレライ、正直に言って。もしかして何か迷ってる!?」

ローレライはビクンと反応した。

「お前何言ってるんだ!? レライはずっとゼロに想いを寄せていたんだ。迷う事なんかある筈無いじゃないか! 聞くだけ野暮な話だ」

そう言い振り返るとローレライの表情にハッとした。

ローレライは兄の食い入るように見つめる視線に思わず目を逸らしてしまった。
しまった!!
今まで誰にも悟られないように気をつけて来た筈なのに・・・・。

そう言えば確かに少し変だったとルシオンは思った。
しかし、それはずっとライサンドの件を引き摺っているのかと思いあまり触れずにいた。
痛々しく思って取った気遣いが本来向けるべき方向を見失わせる結果になってしまったのか!?
離れている事で見えて来るものも確かにある。
きっと久しぶりに会うフリードルは自分とは違う姿勢で向き合えた事でローレライの以前とは違う微妙な違和感を感じ取ったのだ。

「レライ!?」

「何でも無いの・・・・。私には本当に全てが嬉しいの事なの。でも・・・・、ゼロはきっと違う・・・・」

ローレライが悲壮めいてそう告げる姿にルシオンは唖然とした。

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