パウリンの娘

パウリンの娘《第14章8》

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ローレライは瞳に涙が溢れ出すのを必死に堪えた。

「レライ、何言ってるんだ!? あいつはお前と一緒になるって言ったんだろ!? だったらそんな筈ないだろ!?」

「それは、運命を受け入れてくれただけだから・・・・」

「お前ずっとそんな事思ってたのか!? それだけじゃ無いって。あいつ絶対にお前の事好きだって。見ていれば分かる」

「間違いないって言い切れる!? 本当に!?」

そう問いながら、ローレライの頭の中にはゼロの部屋の前で聞いたあの言葉が今も鮮明に張り付いて離れていなかった。
“あいつを女と思ったことは一度も無い”
確かにゼロはそう言ったのだ。
兄にそう問うた後、直ぐにクルリと振り返ると今度はフリードルを見上げた。

「フリードルはどう思う!?」

少しでも不安を打ち消したかった。

「私の知る限り、ローレライに向けられるあの面差しは明らかに他の女性に向けられるものとは全然違う。姉君達にすらあのように優しい表情は先ずしない」

「微妙だわ・・・・」

「全然微妙じゃないって!」

「思い込みで抱え込んで悩むのはローレライの悪い癖だな。そう言うのは相手にとってもキツイと思うよ」

「・・・・・・」

ローレライは何も言えなくなってしまった。

フリードルは悩んでいるのはローレライだけではない事を伝えたかった。
ローレライの反応を見て、フリードルはあのゼロの憂いを帯びた瞳が何を意味するのか理解した。
結婚を決めた筈の二人が今になって何故このような心のすれ違いを生じているのか!?
このような中途半端な状況をそのままにし、何故ゼロが行動に移せないでいるのかフリードルは理解に苦しんだ。
これは普段のあの方の行動ではない。
だが、自分にとっても大切な二人だ。絶対に幸せになって貰いたい。

「一つだけ確かな事がある。今ゼロの一番近くにいるのはローレライ、君だよ」

それは、二人への思いが口にさせた言葉だった。 

「分かった。聞いてみる。・・・・私、絶対に幸せになるから、お父様とお母様にも心配しないでって伝えて」

その言葉にフリードルとルシオンは肩を撫ぜおろした。

翌朝ルシオンはランドンを伴いゼロから託された書状とローレライから持たされた手紙を携えランドンと共にバラサインを後にした。
妹の勇気を信じて・・・・。

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NoTitle 

まわりがみんないい人だねぇ~v-238
がんばって~~~^^/
応援したくなるね♪
あ~もどかしい(笑)

はのん様 

傍にいるのは皆基本良い人♪
けど王宮編に入ったら変なのも出て来るよ!!
もどかしいでしょ~^^
次で本当に解決できるのか!?(笑)

NoTitle 

結構大変というか。
基本的に良い人だからこそ、何か言ってくる。
・・・というのが逆に大変なときもありますよね。
好意がもどかしく感じるときもあります。
人の心情によっては。

LandM様 

そうなんですよね。
基本良い人で、だから空回りしちゃうんですよね。
じれじれ作品なのでこれからもかなりそう言うモヤモヤは出て来ると思いますがお付き合い頂ければと思います。

いつも有り難うございます^^
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