信じても良いですか?旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第5話

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肝が冷えた。全く私の妻はなんて危なっかしいんだ……。
心配で、これでは全く職務に集中できないッ。

注意をすれば……。

「だって、お父様達だけズルいですわ。私だって旦那様のお姿を見たいですのにぃ」

いや、別にお前の両親は、そもそも目的が違うと思うんだが……。

結局このままではどのみち私も仕事にならないし、後で妻が来ている事が殿下に知られれば申し開きをする言葉も見つからない。

「分かった……。とりあえず私の雄姿とやらはもう見られただろう? だがここまで来て殿下に挨拶もせずに帰す訳にも行かない。だから済ませよう。それが終わったら頼むから帰ってくれ。このままでは、お前が心配で、仕事にならん……」

「……はい、旦那様……」

しぶしぶ私の言葉に頷いてくれた妻の為に、結局私はその場の指揮を副団長のサンデルに任せ、30分程休憩時間を頂いた。


「殿下、こちらが我妻シルビアでございます」

殿下には、やはり妻が殿下にお祝いの言葉だけでも申し上げたいと来ていると言う旨を伝えた。夜会には参加せずに挨拶だけを済ませたら退出させて頂くと、話はつけてある。

「お初にお目にかかります、殿下。本日は本当におめでとうございます」

「有難う。伯より身重だと聞いていたから、暫くは会えないかと思っていましたが、お会いできて良かった。しかし驚きです。伯とは歳の差婚と聞いていましたから是非お会いしたいと思っていたのですが、この様に若い奥方だとは……。見た目は私とあまり変わらなく見えるのですが……」

「まさか、今年成人を迎えました。もう、立派な大人ですわ。殿下」

満面の笑みで殿下に向い『立派な大人』と言ってのける妻が恐ろしい。
自らの先の行動を振り返れば、とても自信に満ちてそう告げる事も出来ないと思うのだが……。

「しかし、今年成人とは……。確か伯は私と20違いだから……」

「13歳違いですわ殿下」

「歳の差は、気にならなかった?」

「全く。それに相手が夫ならば、歳の差なんて関係ありませんわ。私、もっと年が離れていても、構いませんでした!」

「年の差は、気にならないのか……」

「殿下?」

「私は……、私の妃候補の筆頭は、現在2歳なんだ……」

確かに10歳の殿下にしてみれば、現在2歳の相手と言うのはかなりの歳の差を感じるものなのかもしれない。

「この程度の年の差婚は貴族の世界では良くある話です。20歳近く離れた結婚も時折耳にします」

「そうなのか?!」

「ですから王族の結婚年齢差を殿下が気になさる必要はないのです」

我が国の王位継承者は年齢によりお妃候補が選定される。結婚される年に成人になったばかりの者が通常好ましいとされる為、現在殿下のお妃候補筆頭は2歳におなりの、隣国ブランシェ国の第2王女ジェシカ様と言う事になっている。

「それはあくまで殿下が平均的に25歳でご結婚を決められればと言う話です。年の差を気にしてお出ででしたら、もっと早くにご結婚される事です。遅くなられれば候補から外されますし、早くに他の方を見つけられればその方が候補となり選定を受けられます。殿下がジェシカ様をお気に召せば25歳でご結婚成されれば良いだけの事」

「そうだ。そうだよな?」

如何やら何処か納得し、吹っ切れたご様子。
良かった。
私とて17歳の時に会っただけの幼子と結婚するなど想像もつかなかった。

我が国では女性は、若い者ほど多くの子を儲ける事が可能であると思われている事から、王族だけでなく、娘をもつ貴族の殆どは往々にして成人直後に話を纏めたがる傾向にある。
我が下にシルビアが嫁いできたのも、おそらくそう言う経緯もあっての事なのだろうが、今となっては、その傾向に感謝したい。

「そうか……。ならば、私が平均よりもっと遅くに結婚を決めれば、伯の娘を私に貰えると言う事か?」

「でっ、殿下!?」

突然の言葉に私は驚きのあまり一歩後退した。
何を言い出すかと思えばッ……。

「可愛い奥方だな。私はお前の妻が気に入った。そしてお前の優麗さと騎士としての行いも尊敬している。だからその奥方の腹の子が女の子だったら私の妃にくれ」

「まっ、まだ生まれてもいないのに、そのような約束は……」

頭が混乱し、そう告げるのが精一杯だった。

この話はその場限りの暴発的な話だ。このような事を公共的にこの場で進めるべき話ではない!
だが自らにそう言い聞かせ冷静さを取り戻そうとしている私に、追い打ちをかけたのは我妻だった……。

「まあ! この子が王太子様のお妃に?! なんて素敵なの!」

「こら、シルビアッ まだこの話はッ!」

「おお、そうか? お前たちの子ならどちらに似ても絶対に美しい子に決まっている。今から楽しみだ」

いやいや、お願いだから勝手に二人で話を進めないでくれ!

「殿下……、しかし、この様な事は私達の一存では……」

「ああ、そうだな。後で父君や宰相たちとも話さなければな」

「…………」

妻を殿下に引き合わせるのは間違いだったと……、私はこの時痛切に感じていた。
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~ Comment ~

NoTitle 

まあ、歳の差結婚はよくあることですからね。
若い方が良いというのもごもっともな話しです。
昔は個人の意思より合理的な考え方をしてますからね。
私は別にいいと思いますけどね。
そういう作品も書いてみたいですよね。

しかし、妊娠している頃から結婚の予約とは。。。

LandM 様 

今晩は。

私の作り出す異世界設定では、年の差婚は平均的に良くある話ですね(笑)

この妊娠している頃からの結婚の予約設定、実はこれ、今温めている次世代編に実は移行する内容だったりします。
この猪突猛進タイプの10歳の王太子が、18年後どんな王太子になっているのか?
今少しずつ書き溜めているので、いつかお目見えすることも?(笑)

いつもコメント有難うございます。
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