パウリンの娘

パウリンの娘《第15章7》

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ローレライは自室に戻りパウリンを眺めていた。
パウリンを読む能力は日増しに強くなっており、以前の様に映し出される姿を待つのではなく、自分が見せて欲しいと願うと映像が覘けるようになっていた。
あの、ハビと言われていた方はきっと王に凄い嫌悪感を抱いている。
王との間に何があったのか? 凄く傷ついているように見えた。
少しでも役立つ情報を探し出してあげたいと思った。

誰かが扉を叩く音とがした。

「私だ」

ゼロだ!
喜び、ローレライは満面の笑顔でゼロを迎えた。

「ゼロ!」

扉を開け駆け寄ろうとすると後ろにシドが立っており、少し躊躇した。

「今いいか?」

「ええ。勿論」

ローレライは二人に椅子を勧めると、ティーポットに手をかけた。

「いや、悪い。長居は出来ないのだ」

ゼロはその手を止めさせるとローレライを座らせた。

何かあったのだろうか?
いつもと違う感じがした。

「実はどうしても外せない用が出来て今から発たなければならない」

「えっ!?」

ローレライは突如不安に駆られた。

「ルシオンもいないし、フリードルも出した後だ。お前も不安だと思うが今晩だけだから耐えてくれないか?」

「シザーレも一緒に?」

「いや、こいつには私が居ない間何かあった時の対処をして貰わなくてはならないし、ここにいる。それに留守の間、お前を守って貰う。こいつの剣の腕は信頼できるしな」

「ゼロには敵わんがな」

シドがおどけた様に笑った。

ローレライはどうしようと思った。
行って欲しくは無い。傍にいて貰いたい。
でも、それは我儘だ。
自分は新王となるゼロを導く者なのに、何か事情があってどうしても出かけると言うのを引き留めるのは自分のそれこそエゴだ。
ローレライはゼロをじーっと見つめた。

「・・・・本当に今夜だけ?」

「ああ勿論だ。出来るだけ早く帰って来る。シザーレには私の部屋に泊まって貰い、何時でも駆けつけて貰えるようにする」

“いや、それは聞いてないし!”

シドは思ったが、とても言い出せる状況では無かった。

「隣にいるから何時でも呼べよ」

結局、苦笑いしながらもそう告げてしまった。

「・・・・分かったわ。くれぐれも気をつけて行って来てね。待っているから」

「ああ。心配するな直ぐに戻って来る」

そう告げるとゼロはローレライの頭をクシャクシャっと撫ぜて早々に出て行った。

ローレライは窓辺に立つとじっと外を眺めた。
暫くするとゼロとイクタシオの姿が見え、身を乗り出すと見えなくなるまでずっと目で追い続けた。

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~ Comment ~

NoTitle 

ゼロくん何事もなくさっさと帰ってこられるのかな…?
早く帰ってきてね~(><)

はのん様 

さぁ、それはどうかしら♪
でも、危険は全くありません。
意地でも早く帰る!! by.ゼロ(笑)

NoTitle 

すごい嫌な予感しかしないのですが。。。。
そういうわけでもないんですかね。
どう転ぶか少し分からないところが楽しいですね。

LandM様 

ここ、実は当初夜盗に途中で襲われる設定にしていたのですが、予想以上に話がかなり長くなってきているので結局そこはカットしちゃったんです^^;
で、道中は問題なく。
ただ、ゼロ的には好ましく無い事はあるかな(笑)
間接的に見たら大したこと無いんですがね^^;

どう転ぶか少し分からないところが楽しいですか?
最大の褒め言葉です^^
引き続き楽しんで頂ければ幸いです^^

いつも有り難うございます^^
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