パウリンの娘

パウリンの娘《第16章3》

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「あら、話声が聞こえたから誰かと思ったらアイスラントじゃない。久し振りねぇ。貴方この屋敷を出て行ったのではなかったかしら? 2年そこそこで帰って来るなんて、貴方の根性も大した事なかったのね。でも残念ねぇ。もぅ貴方の席はここには無いわ。ここは私の息子が継ぐから」

「お嬢様!!」

両親が留守と分かって安心していたが、まさか、姉が戻って来ているとは思っても見なかった。

「・・・・姉上。また義兄上と喧嘩ですか!? その度にこうやって戻って来るのは止めて下さい」

「良いじゃない! 今度こそ離婚するんだから!!」

ゼロは深いため息をつき、頭を抱えた。

「・・・・どうでも良いですから通してください。忘れ物を取りに戻っただけですから、取ったら直ぐに出て行きますから」

そう告げると無視して自室に向かおうとした。

「ちょっと待ちなさいよアイスラント!! 話くらい聞いてくれても良いじゃない!!」

そう言い睨みつけながら真剣な眼差しで後を追ってくる。

ああ、これだから嫌なんだ。それに引き替えあいつは・・・・。
どうしてもローレライと比べてしまう自分がそこにいた。

「慌てると危ないですよ。転んだら不味いでしょ」

ハッとして、姉は追い駆けるのを止めた。
そして、今度はじーっと睨みつけて来た。

ゼロは雑力するように二度目の深いため息をついた。

「後で少しなら話位聞いてあげますからとにかくそこで待っていてください」

「そんな事言って、裏口から逃げるつもりじゃないでしょうね!」

「そんな真似はしませんよ」

やれやれと思いながらゼロは自室へ急いだ。

部屋は2年前と変わらず綺麗に整えられていた。
一瞬だけ部屋を見回し懐かしむと、直ぐに隣の書斎に向かった。
出る時に机の上に置いた手紙は無くなっており、とりあえずは手に取って貰えたのだと少しホッとした。

目的の物は書斎の引き出しの一番奥に置いていた。
母から送られそのまま仕舞い込んだ。
貰ってからずっと自分には不必要だと思い、それから一時も触れる事は無かったが、取り出し小箱の中を確認するとホッしている自分がそこにいた。

“私がこれを必要とする事になろうとはなぁ”

ゼロは心の中でそぅ呟くと苦笑いした。
懐に大事そうに仕舞い込むと急ぎ部屋を出た。

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~ Comment ~

NoTitle 

お姉さんだったのね^^
恋敵か!?と思ったけど安心しました(笑)
話はいいから早く戻ってあげてね~^^/

はのん様 

そうなのよ^^
恋敵は何れ出て来るかもよ(笑)
ただ、凄く強力なのが設定上いるんだけど、それを本編で本格的に出すか、触りだけにするかまだ迷い中。
でも、ゼロにはローレライしかいないのは確かだから♪

NoTitle 

・・・・・わりかし忘れ物とは多いものです。
人生の忘れ物はいつか自分で手に入れないとトラウマになるものです。何事も忘れ物をしてはいけない。
後悔しない方がいいのは真理ですね。

LandM様 

この場合忘れ物と言うよりも必要ないと思い敢て置いて行っていた・・・・と、言うよりも貰ったことすら忘れていたと言っても過言ではない状況だったのですが、とりあえず、見つかって良かったです^^
これは自分の手で取りに行くことに意味があるものでしたから。
ホント手に入れられなかったらトラウマ所かきっと立ち直れないであろうしろものでしょうから(笑)

いつも有り難うございます^^
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