ファンシーの扉

オリジナルの王道恋愛ファンタジーを中心とした小説です。最後にはホッと出来る物語作りを目指しています。(R設定がある時は冒頭に記します。独自の判断でご注意ください) 尚、過去の作品については『◆ALL』をご覧頂きページの下の方にあります「Next」を押すと過去の作品まで全がご覧頂けます。作品のキーワード検索も『◆ALL』ページ左上よりご利用頂けます。

ずっと心に決めていた《187.策 案》(アレク視点)

ずっと心に決めていた

夜通し馬車は走り続け、邸に戻って来たのは翌日の早朝。
まだ日も昇っていない時間だった。

余程疲れているのか、到着した事にも気づきもせずに、マリエッタは私の肩に寄りかかったまま眠っている。
ヨハンナに先に降りて貰い、別邸の扉を開けてもらうと、彼女が目を覚まさぬように気を付けながら、優しくその身をそっと抱き上げた。

「お嬢様、余程疲れておいでのようですね」

「当然だ。私でもこの1日で1週間分の労力を費やした気分だ」

体力には自身のある男の自分ですらそのように感じるのだ。
こんなに華奢な身のマリエッタの疲労度は、おそらく私の比では無いものだろう。
身体的な疲労度もさることながら、精神的にもかなり堪えているに違いない。

「あら、その割には、旦那様は随分と清々しいお顔をなさっておいでのように感じられますが?」

「当然だ」

これで、愛しい者と結婚することが叶う事になるのだ。嬉しくない筈がない!
マリエッタを寝台に降ろすと、その額に優しく口づけると、懐に入ってある結婚申請書の書類に手を置いた。

「少し城に顔を出して来る」

執事のハンデルに捕まれば、おそらく本日中に申請書を提出することもままならない。
訴えた所で『そんなものはリレントにでも任せておけばいいのです!』と言われておそらく終わりだ。
申請書の提出は当人でなくてはならないと言うものでは無いが、なんとしてもこれだけは、自らの手で提出したいと思っている。

「統帥長閣下の許へお出かけですか?」

「ハンデルには式典に少し遅れると言っておいてくれ。奴と殿下に少し話がある。それに申請書は一刻でも早く提出したい」

「30分が限度ですからね。それ以上はハンデルを抑え込める自信がありませんから」

「上出来だ。後は頼んだぞ」

リレントとヨハンナに後の事を任し、私は単独で城へと馬車を走らせた。

運の悪い事に、今回式典の開始時刻と、書類の申請窓口の受付開始時刻が重なっていると言う事態に陥っている。
事情を話した所で、とてもあの執事が書類を出して来いと言ってくれるとは、到底思えない。
それどころか捕まったら最後、いつ離してもらえるかもわからない。
念願の……、マリーとの今後の行く末を担う書類を手にしているにも拘らず、提出がままならない事態と言うものは御免だった。
私はとにかく、1分1秒でも早く、この婚約申請書類を王城にある法務省の戸籍課に書類を提出したかったのだ。 
それに、警務騎士団本部にも顔を出さなければならなかった。
休暇に入る少し前、悪友パウウェルが少し気になる事を言っていた。
そして、マクシミリアン殿下にも内々に婚約申請の書類を提出した旨を伝え、再度ご配慮頂けるように頼んでおくつもりだった。
だが、急な事だ。
殿下には内々に面会する事はとても難しいと思っている。
スケジュールも関係してくるし、そこは全てを把握している筈であるパウウェルを頼るつもりだが、どうしても会う事が叶わなければ、奴を介して報告してもらう他ないと思っている。

城に着き、警務騎士団本部へ顔を出す。
暫く城に泊まり込みだと言っていたから奴はいるはずだ。

「補佐官殿? このようなお時間に、珍しいですね。長期休暇中と伺っておりましたが、まさか何か火急の事態でも?」

顔見知りの青騎士に心配そうにそう告げられて、苦笑いしながら否定した。

「いや。少し野暮用だ。居るか?」

「はい、執務室においでです」

警務騎士団での私の待遇は、日頃から出入りしている事もあり顔パス状態だ。
勝手知ったる何とやら。私は悪友の執務室の前まで行くと、扉を軽く二度叩く。

「パウウェル、入るぞ」

返事も聞かずにそのまま執務室の扉を開いた。
奴は書類の山に埋もれながら、その隙間から顔を覗かせると、かすかに微笑した。

「……ダダ漏れだな。お前、隠す気が無いだろう?」

喜びに感情が乱れまくっているせいか、どうやらパウウェルには私の思考が流れ込んでいるらしい。
私は婚約申請書を懐から取り出すと、奴の前にチラつかせた。

「朝一で提出して来る」

「それにしては早いお出ましだな」

「殿下にもう一釘刺しておこうと思ってな」

「ああ。流石にまだ寝ているだろう? それに今日の予定ではおそらく面会は無理だ。折を見て私から念押ししておいてやる。この結婚が整わなければ、グラッセ候は使い物にならなくなるとな」

「ああ、頼む」

苦笑いを浮かべると、私は奴に後の事を任せる事にしたが、思わぬ吉報も入って来た。

「しかし、良かったな。何とかこちらの守備も上々でな。お前の休みが明けるまでに良い報告が出来ればと思っていたが、やっと、追っていた女が口を割ってくれたらしい」

「追っていた……、女?」

「奴は隣国ステガルドでは留学中から、かなり乱れた生活を送っていたらしいからな。中には一人ぐらい過去にさかのぼり奴の事を疎ましく思っている者もいるかも知れないと思い探ってみれば、一人だけ見事にビンゴした」

「過去の女絡みとは、また奴らしいと言う他ないな」

因果な奴だ。
なんでも相手は鉱石王ブラッド・バーンの元秘書だった女で、偶然を装いバーンと最初に引き合わせたのはその女だったそうだ。今は分からないが、過去に奴がバーンとの密会に使っていたとされる隠れ家的店を教えて貰えたらしい。その店に暫く潜入し奴とバーンの関係に詳しい者の話を聞ければと張っていれば、バーンと取引のある密売業者の者に会うことが出来たそうだ。現在監視下にあり出国できないでいるロナルドを良い事に、言葉巧みに自国で奴との取引をしているが、仲介料が高く思ったほどの利益が得られない事から自ら直接取引が出来る相手を探しているのだと言う事をアクアローズの原石を手に話を匂わせてみれば、相手側も見事に乗って来た。近々視察と称し今度こちらに招待すると言う話になっているらしい。
国交の関係で、ステガルド国内で犯罪の有無を暴いた所で罪の問うのは難しい。ならばこちらに招き入れる他ないと考えた次第なのらしいが。

「視察先はマニエール男爵家の持つ鉱山を考えている。奴がマニエール男爵家に婿入りする話はステガルドでも既に知られている事らしい。より相手を信頼させるにはマニエール男爵家の所有する鉱山は打ってつけだと思わないか? 男爵には隣国からの視察団の受け入れを受け入れる旨、国務尚書の名で打診しようと思っているが、勿論今回の話はフルデンベール伯爵には当日まで伏せておくつもりだ。視察には補佐官であるお前を同行させ対処しようと考えているが、何か異存があるか?」

色々と考えている最中だとは言っていたが、話が既にここまで煮詰まって来ているとは思っても居なかった。

「ロナルドは如何するんだ?」

「当日、様子を見計らって偶然を装い、視察団と合流させるつもりだ」

「分かった。勿論だ。私が同行させてもらう!」

私は2つ返事で、悪友の案を受け入れた。

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お知らせ(紹介) 『ロゼリア姫は逃げられない。/佐倉紫』 ネット配信中! 他

お知らせ&感謝

突然ですが、今回はネット配信&書籍の紹介です。

先日に引き続き、またまた仲良くして頂いております同じラブファンタジー系の作品を多く書かれいるプロの作家さんで、こちらのサイトでもリンクを貼らせて頂いておりますプロ友「ベリー・ウィッシュな日々」の佐倉紫さんが前回の『マイフェアレディも楽じゃない』に引き続き、先月末よりネットのみとなりますが、新たな作品が配信されるようになりましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。

●ムーンライトノベルズで連載されたあの作品が電子書籍化!!一巻はナント格安の99円!
ロゼリア姫は逃げられない1
『ロゼリア姫は逃げられない。[1]』著:佐倉紫 イラスト:城之内寧々
eロマンスロイヤル / Web版 (小説>恋愛) 2017年04月28日より配信開始
頭脳明晰イケメン腹黒宰相補佐 × 秘密たっぷり才色兼備のお姫さま。

<あらすじ>
品行方正・公明正大・清廉潔白を絵に描いたような才色兼備の姫ロゼリアは、毎日、ある秘密の場所に向かう。そこはロゼリアが唯一ひとりきりになれる貴重な場所。ここで笑顔の下に抱え込むストレスを発散していたのだが、いつのまにやら合い鍵を手に入れた宰相補佐ライフィールは忍び込んでくるように……。
ロゼリアの罵倒を涼しい顔をして聞き流し、あげくに「秘密を守り、ロゼリアのために働く自分に褒美がほしい」とあつかましい要求までしてくる始末。
ライフィールは「王宮に敵なし」と言われる弁論・論述の達人で、言いくるめることも言い負かすこともできず、ロゼリア姫は自身の秘密と引き替えに身体を差し出すことになっていまい――。
『完璧な王女さま』を演じる快感とストレスを抱える姫さまと、稀代の天才と言われつつ影の薄い宰相補佐の、秘密で秘蜜な攻防戦。

ネット配信はこちらから 
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【Amazon Kindle版】  【BOOK☆WALKER】  【BookLive】  【コミックシーモア】  【楽天Kobo電子書籍】


ロゼリア姫は逃げられない2
『ロゼリア姫は逃げられない。[2]』著:佐倉紫 イラスト:城之内寧々
eロマンスロイヤル / Web版 (小説>恋愛) 2017年04月28日より配信開始
番外編付き

<あらすじ>
ある事件から、急遽、女王に即位し婿を迎えなくてはいけなくなったロゼリア。
結婚は王族の務めであると割り切り、婿の選出を周囲にまかせたものの、よりにもよって選ばれたのは公爵家のひとり息子、エリック・バージウルスだった。
婚約者に選ばれたことでエリックの態度は横柄になり、ロゼリアを婚約者として支えるどころか邪魔ばかり。ロゼリアは苛立ちで爆発寸前! エリックは「自分を敬え」と傲慢に言い放ち、結婚前に寝所を共にすることまで求め――大爆発したロゼリアが求めたのは、あの腹黒宰相補佐ライフィールだった。
「わたくしと結婚して、わたくしのいちばんそばで、わたくしを支えて」
「はい。僕でよければ、喜んで」
『完璧な王女さま』を演じる快感とストレスを抱える姫さまと、稀代の天才と言われつつ影の薄い宰相補佐の、秘密で秘蜜な婚姻譚。

ネット配信はこちらから 
   ↓    ↓
【Amazon Kindle版】  【BOOK☆WALKER】  【BookLive】  【コミックシーモア】  【楽天Kobo電子書籍】



●あの単行本が文庫版となって再登場!!
疑われたロイヤルウエディング
『疑われたロイヤルウェディング 』著:佐倉紫 イラスト:涼河 マコト
ノーチェ / 文庫本(小説>恋愛) 2017年05月04日発行

<あらすじ>
初恋の王子との結婚が決まった、小国の王女アンリエッタ。けれど初めての夜、別人のように変貌した王子は、愛を告げるアンリエッタを蔑み、乱暴に彼女を抱いた。冷たくも激しい愛撫に困惑し、悲しみを覚える彼女だったが、かつての優しい王子を信じ、その後も愛を捧げようと決める。すると頑なだった王子も徐々に心を開きはじめて……一途な花嫁と秘密を抱えた王子の甘く濃密なドラマチックストーリー! 文庫だけの書き下ろし番外編も収録!

ネット購入はこちらから 
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【Amazon】  【楽天市場】  【honto】  【セブンネット】

どちらも番外編付き、おまけに『ロゼリア姫は逃げられない。』の方は、かなり加筆もされているそうです。
特別な美味しい仕様となっております作品たち。
ご興味を持たれた方は、ネットや最寄りの書店などでお見掛けされましたら、是非一度手に取って頂ければと思います。


以前の書籍紹介記事 
   ↓    ↓
『王家の秘密は受難の甘さ』
『シンデレラ・マリアージュ』
『白薔薇は束縛にふるえる』
『疑われたロイヤルウェディング』
『獰猛な王は花嫁を愛でる』
『愛されすぎて困ってます!?』
『騎士侯爵の優しい策略―花嫁の初恋―!?』
『マイフェアレディも楽じゃない』


佐倉さんの小説HPはこちらから
     ↓    ↓
ベリー・ウィッシュの伝言


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  離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第8話(R-15)

信じても良いですか?旦那様ッ

下腹部に蠢く生暖かい感触に、重い瞳をこじ開ける。
ぼんやりと意識の中に入って来たのは艶やかな黒髪を乱しながら、肌蹴る衣服の隙間からちらりと見える白色の胸を自らの片手で揉みしだく女の姿。
もう片方の手は私のモノに伸ばされており、熟れた真っ赤な果肉色した唇を大きく開くと、ぴちゃぴちゃと艶めかしい音までさせながら、懸命に口に含んでいた。
思いもよらぬ自らの醜態に、私の意識は急激に覚醒した。

「や……めろ……」

だが、言葉が上手く出て来ない……。

「あら、もう起きてしまったの? つまらない」

「お……まえ、は……ッ」

その女には見覚えがあった。
以前より、しきりに私に誘いをかけていた女だった。

「聞いたわよ。貴方最近随分とご無沙汰なんですってね。私が慰めて差し上げるわ。有難く受け取りなさい」

やられた……。
また、グレンかッ!

奴は何と言っていたか? あの時……。薄れゆく意識の中で……。

『お前ばかり幸せにはさせないッ』

等と言っていた気が……。
奴に何があったのか?
あれだけ好き放題遊び回っていて、どの口がその様な戯言をのたまうのかと言う気にもなるが、そのような見解をしている余裕は今の私には無いッ。
とにかく今は何とかしてここから抜け出さなくては!
そう思い必死に藻掻くが、身体が痺れてあまり言う事が効かない……。

「往生際が悪いわね。この薬は、数時間は抜けないわよ」

アルコールによる増長効果と痺れに発汗、効果が数時間と言われてピンと来た。

「トリ……エフェランか……」

「人的害は無いわ」

当然だ。
奴は午後からの職務を考慮して依存性が無く、けれど現状において一番効果的と思える薬を私に使ったのだ。
何の害も持たずに、私を丸め込むだけの為に……。
油断した。最悪だ!

どれ位眠っていたのかは分らないが、まだ身体に痺れが残っているからそんなに時間は経っていないのだろう。
空は薄っすらと白み始めていると言う感じだ。
飲まされて1時間と言う所だろうか?
痺れの効果のピークは1~2時間。人によって個人差が伴う。それからは徐々に感覚が戻りはじめるが通常3時間は一人で歩く事も困難だ。
使用から5~6時間後には汗や尿となって完全に体内から放出されると言われているが……。

「グレ……は如何した……」

「仲間を送りに行ったわ。じきに戻って来るわ。そしたら一緒に楽しみましょうね。ふふふっ」

「っ! …… 」

言うや否や、私のモノを再び口に含める女の姿。

久し振りの淫らな感触は、私の中の眠っていた欲望を呼び戻そうとしている!
だが、このような状況での行為は屈辱的以外の何ものでも無く、それにもまして妻に対し何と言って申し開きをすればいいのか、今の私には全く見当がつかないッ。
自分の甘さと弱さが導き出した自らの危機は、自らで乗り越えなければどうしようもない。
ましてや薬の効果が切れるのを待つ余裕も無い。グレンが戻って来れば恐らく逃げ場は無い。
ならばその前に如何にかして……。

意識を集中させ、私は震える膝を片手で支えながら立たせると、ズボンの裾にいつも忍ばせている短剣に手を伸ばした。
何とか感覚は少しだがある。
女は私のモノにしゃぶりつくのに夢中で、全く私の行動に気付いてもいない様子だ。
持てるのか、どれ位の力が腕に入るのかも分らなかったが、何とか剣を手にする事が出来た。
女の背に剣先を突き付ける事も可能だったが、そんな真似をして大事にはしたくなかった。
とにかく少しでも事を穏便に済ませたかった。
出来れば妻にバレないように……。

私は不自然の無いように女の腰に両手を回すような体制を取ると、剣を持っていた右手で、自らの左手首を切りつけた。

「っくッ……」

鋭い痛みの感覚ッ。
おそらく計画は成功だ。
私は傷つけた左腕を、私に跨る女の前にさらけ出すと言葉を吐き捨てた。

「そこを退けッ!……」

「ひぃぃッ!!」

滴り落ちる流血を目の前にして、女は瞳が飛び出らんばかりに目を見開くと、恐れおののいた。

「早くこの血を止めなければ、私は腹上死だ。……お前はどの様な言い逃れも出来んぞ。如何する?!」

必死に腹に力をため込んで、気迫に満ちた言葉を投げかける。
女は慌てて私から飛び退くと、その場にへたり込んだ。

「私の身なりを整え、服を着ろ! ここを出る!!」

女に身を整えさせると私は自らのシャツの袖を歯で食いちぎり、左腕に巻き付けた。
血はまだ止まらない。
加減が分らなかったから、思いの外強く傷つけてしまったのかもしれないが、そのお蔭で血が止まらず女はかなり怯えている様子だ。
女に腹上死なる言葉を叩きつけたが、実際手首を切りつけたくらいで人間そう易々と死にはしない。
何も知らない女は私に言われた通りに自らの身なりも整えると、私に手を貸した。

まだ薄暗い朝もやの中で、私は女に馬車を拾わせると、御者の手を借りながら何とかそれに乗り込んだ。まだ薄暗い朝もやの中で、私は女に馬車を拾わせると、御者の手を借りながら何とかそれに乗り込んだ。

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お知らせ(紹介) 『マイフェアレディも楽じゃない/佐倉紫』 絶賛発売中!

お知らせ&感謝

突然ですが書籍の紹介です。

この度、仲良くして頂いております同じラブファンタジー系の作品を多く書かれいるプロの作家さんで、こちらのサイトでもリンクを貼らせて頂いておりますプロ友「ベリー・ウィッシュな日々」の佐倉紫さんがアルファポリス社〈ノーチェブックス〉様より『マイフェアレディも楽じゃない』と言タイトルの作品にて8作目となります書籍を出されています。
早くにご紹介をと思いつつ、色々とバタバタしておりましてご紹介が遅くなってしました💦
既に13日に出荷され店頭にも並んでおりますので、知っていらっしゃる方や購入されている方もいらっしゃると思いますが、今回もこちらにて改めてご紹介させて頂きます。
マイフェアレディも楽じゃない

『マイフェアレディも楽じゃない』著:佐倉紫 イラスト:北沢きょう
ノーチェ / 単行本(小説>恋愛) 2017年04月13日出荷

<あらすじ>
唯一の肉親である祖父の遺言により、いきなり由緒ある伯爵家の跡継ぎに指名された庶民育ちのジェシカ。 祖父の願いを叶える決意を固めるも、現実はそう甘くない。 なんと、三ケ月以内に誰もが認めるレディとなり、国王陛下に跡継ぎとして認められることが必要で!?  虎視眈々と伯爵家の利権を狙う親族たちを黙らせるべく、とある騎士から淑女教育を受けることになるけれど ――彼のレッスンは騎士団仕込みで超スパルタ! しかも、夜は甘く淫らなスキンシップを仕掛けてきて……。
男女のアレコレも、立派なレディに必要不可欠!? 強引な騎士とにわか令嬢のドキドキロマンチックラブ!


この作品はノーチェブックス様よりの2冊目となる佐倉さんの書き下ろし作品となっております。
大人の西洋ラブファンタジー的な甘い雰囲気を出そうと意気込んでいたものの、主役二人がどちらも気が強く、結構ケンケン言い合いが始まってしまい、その都度「ええいっ、もっと色っぽくなれ貴様らああああ!」と必死に舵取りしつつ頑張って書かれた作品だそうです。
気が強い男女がどうやってハッピーエンドまで辿り着けるのか、楽しみな展開が待っていそうです。
●こちらより立ち読みできます●


ご興味を持たれた方はネットでも販売が開始されておりますし、最寄りの書店などでお目にしましたら是非一度手に取って頂ければと思います。


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以前の書籍紹介記事 
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『王家の秘密は受難の甘さ』
『シンデレラ・マリアージュ』
『白薔薇は束縛にふるえる』
『疑われたロイヤルウェディング』
『獰猛な王は花嫁を愛でる』
『愛されすぎて困ってます!?』
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パウリンに導かれて《第12章1》

パウリンに導かれて

翌日の朝食は部屋に運んでもらい、ローレライはゼロと二人でとった。
二人っきりでむかえる初めての朝。
給仕をしている侍女は自分たちの事を、どう思っているのだろうか?
ローレライは何だかとても気恥ずかしい思いだった。


「私はこれから少し出なければならないが、一人で待っていられるか?」

「はい……」

本当はとてもまだ怖いし心細いと思っていた。
けれど夕べもずっと傍に居て貰い、今朝も早くからシドやフリードルが何度も部屋を出入りしている事を思えば、ここに居てもらう事でゼロにかなりの負担を強いていることは明らかだった。
ローレライはこれ以上の我儘は言えないと思った。

「護衛はとりあえずサビエルに付いて貰う。お前の兄もここでは客人扱いだ。ずっと傍に居て貰うと良い」

ゼロの配慮にローレライは小さく頷いた。


ゼロはローレライと別れると、茶会までのわずかな時間を利用して公爵と会わせる予定の者達との最終面談行った。
本人が自ら訴え出る者は少なく、殆どがその親兄弟だった。
その中に、まだ歩き出したばかりの幼子を連れた若い女性が一人。
母の足元にしがみつく深緑の瞳に榛色の髪の男の子は、何処となく面差しもライサンドに似ている。

「貴女か? ベルギッタの侍女をしていたと言う者は」

ゼロが女性に声をかけた。
女性は傍に居た伝令を受けたミゲルを仰ぎ見る。

「こちらが全ての手筈を整えて下さいました、ライサンド様のお従兄となりますアイスラント様です」

確かなそうなのだが、ライサンドの従兄と紹介される言葉に、ゼロは少しの憤りを覚えずにはいられなかった。

「アイスラントだ。今回、知り得た詳細は全て叔父であるザンゾール公の耳に入れる事になるが異存は無いか?」

「はい。この度は、この様な場を設けて頂きまして有難うございます。こちらが息子のサンデルクです」

そう告げると、女性は1通の手紙をゼロに差し出した。

「これは?」

「お嬢様が……、今回私がお邸に伺う事になりました経緯を話しました所、持たせて下さいました。アイスラント様にお渡しするようにと預かりました」

ゼロは受け取るとその場で封を開け、中を確認する。
そこにはベルギッタが嫁ぐまでに知り得た兄に対する心苦しい所行についての胸の内が、告白のような形で切々と書き綴られていた。
そして当時の兄の我が侍女に対する執拗なまでの執着を思えば、彼女の産み落とした息子サンデルクは間違えなく兄の子であるだろうと言う事。
そして付け加えるように、今まで真実を告白できなかった事を詫びていた。
嫁いでからもずっと気に病んでいたのだが、父に告白する事で兄の代になり自分の今の嫁ぎ先への援助が打ち切られようになるのではないかと言う恐怖心から告げられなかったと言う事が付け加えられてあった。

「これはこのまま公爵にお見せしよう。貴女にとってもその方が良いでしょう」

「私は構いませんが、お嬢様が……」

「ベルギッタの心配事も分からなくもないが、私から言わせてもらえばそれこそが浅はかな考えだ。この告白文をご覧になられて、何の対処も出来ない程叔父は無能ではありませんよ。優しいですが、叔父は優しいだけではない」

領主とて人間だし人の親だ。家族は大切だろうが、領地と領民を守る義務がある。
色々あったが、今はライサンドを信頼し、領地の管理の半分を後継ぎとして任せていると言う叔父だが、この事実を知れば叔父が何もせずにいられる筈がないとゼロは思っている。



柔らかな日差しの中、茶会の席が厳かに開始される。
やがて開始30分が過ぎた頃、ザンゾール公爵がその場に現れた。
周囲と挨拶を交わしながら先へと進む公爵の目は、やがて母親の側で芝生の上に座り込み、ぬいぐるみを手に戯れている幼い子供に向けられる。

「その子か!?」

「……はい。申し訳ございません、旦那様……」

なつかしい侍女の姿を目にし、公爵は大きく首を横に振る。

「何を謝る必要があると言うのだ?」

公爵は目を細め、愛しげに幼子を見ると両手を差し伸べた。

「……おいで」

幼子は母を見上げると、母に向かって両手を差し出し抱っこをせがむ。
母は息子を抱き上げて目の前にいる領主に向けて小さく歩み寄る。

「サンデルク、ご領主様ですよ」

ザンゾール公爵は視線を少し下げると、幼子を覗き込み目を細めた。

「……まさか、ここまで幼い頃のライサンドにそっくりだとはな……」

「旦那様……」

「息子も幼き頃はこのように純粋に可愛い子だったのに、何処で育て方を間違えてしまったのか……」

公爵は寂しげにそう呟いた。

「叔父上、これを」

差し出されたのは先程受け取ったベルギッタ嬢からの手紙だった。
公爵は子供を母親に手渡し、手紙を広げた。
そこに書かれてあった衝撃なる事実を知ると、公爵は項垂れた。
その後、公爵は領地の者達や屋敷で働く者達数人からもライサンドの所行の訴えを全員から神妙な面持ちで聞き入れた。
領主から頭を下げられ、それでも怒りが収まらずに食い下がる者も居たが、大半の怒りはライサンドにのみ向けられるもので、領主に対しては好意的だった。

「皆はライサンドに……、どのような罰を望むか?」

罷免・流刑・投獄、絞首刑、方々で色々な声が上がる。
この場に呼ばれたランドンとニックからは仇討との声が挙げられた。

「当然だろうな」

ゼロがそう呟いた。

「貴女はどう思われますか?」

そう尋ねたのはフリードルだった。

「個人的にはお恨みしていないと言うのは嘘になります。しかし、ベルギッタ様には本当に良くして頂きましたし、何よりあのような方でも息子にとっては父親ですから、命を取るような事は望みませんが、関わってほしいとは思いません。静かに、息子と二人つつがなく暮らしていければそれだけで……。ただ、これ以上お嬢様にご迷惑をおかけするのも心苦しく思っておりましたので、何処かのお屋敷で働きたいと思っているのですが、何分小さな子供連れでは中々難しく……、出来ましたら、同じ年ごろの子供の遊び相手兼任で一緒に住み込みで侍女として上がれるお屋敷をご紹介頂ければ有り難いと……」

「そうか……」

公爵は深く頷いた。

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プロフィール

風波 涼音

Author:風波 涼音
オリジナルの王道恋愛ファンタジーを書いています。(ハッピーエンド推進)〇〇年振りに執筆を再開しました。少しずつ自分のペースで書いていきたいと思います。

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