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「パウリンの娘」
パウリンの娘 《番外編》

幼き日に2 ~パウリンの娘番外編~

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「伯母上、お久し振りでございます。来られるとお聞きし、楽しみにしておりました」

肩までかかる波打つ栗毛の髪にアイスグリーンの瞳の少年はそう告げるとニッコリ微笑んだ。

「まぁ、まぁフリードルなの? 何だか急に大人びて。うちのルシオンとはえらい違いだわ」

「ルシオンは相変わらず元気そうだものね」

ルシオンは着いた早々軽い挨拶だけ済ませると、祖父母宅で飼われている愛犬のバロンを従えて既に屋敷の外へとくり出していた。
その後ろを、馬車を置き場へと移動して戻って来たばかりの伯爵家の者が慌てて追いかけている。

「ええ。もぅ土地柄のせいかしら。都会とは全くかけ離れた自然の中で育ったものだから本当に伸び伸びと育ちすぎてしまって。一様それなりの教育はさせてはいるのだけれど、全く興味がないと言うか・・・・。先生のお話しでは一様理解はしている様だとは言って頂けているのだけれど、普段があれでしょ。伯爵家の長子としての自覚に欠ける所があって、もぅ来年は10歳なのよ。頭が痛いわ。もぅ少し落ち着いてくれると良いのだけれど・・・・」

「あら、子供は子供らしくが一番よ。うちなんて家督教育を始めた途端、何だか急に落ち着きはらってしまって全然面白くないのよ。小さな大人みたいでしょ。ルシオンに少し刺激を与えて貰おうかと期待してるのよ」

「まぁ、そうなの!?」

「性格、半分ずつ入れ替えられたら丁度いい感じなのかしらね?」

「そうね」

ニコニコと母親たちは子供を他所に勝手な事を捲し立てていた。

呆れた様にその姿を見つめる少年の眼差しは何処か冷ややかなものだった。
やれやれと、少年が深いため息をついた時だった。袖口をツンツンと引っ張る者が居た。

「猫しゃんなの?」

目線を落すとこちらを見上げて問う幼い女の子の姿。
少年は腰を屈めると女の子と同じ高さに目線に合わせ、覗き込むように優しく聞いた。

「なぁに?」

「ねんねした猫しゃんなの?」

「 ? 」

少女の言っている事が、全く理解できない・・・・。
すると伯母が急にこちらをクルリと振り向いた。

「ああ、ミドルの事ね。覚えてない? 一昨年私が連れて来ていた猫。先月亡くなったのよ。私がいつかきっとまた会えるって言ってしまったから・・・・。確かに毛色に瞳の色は似ているわね」

思い出した。あの猫だ。
確かに以前ルシオンから猫みたいとからかわれた事があった。

「え~と、ローレライだよね。僕は残念だけれど猫じゃないんだ。覚えていないよね。前会った時は赤ちゃんだったから。僕はフリードルって言うんだよ。君より4つお兄ちゃんだ。お母様同士が従姉妹でね。僕たちは再従兄妹になるんだよ」

「はとこ?」

「まだ分らないよね」

「はとのお兄ちゃまなの!?」

「えっとね。人間なんだけど・・・・」

幼い子供との関わりが普段無い一人っ子のフリードルはどう喋れば理解して貰えるのか考えあぐねていた。
すると、ローレライの母であるマリーネが、助け船を出してくれた。
ホッとしたのもつかの間、今度は伯母が思いも寄らぬ事を言い始めた。

「ローレライ、フリードルはローレライのもぅ一人のお兄様なのよ。そうね、ルシオンは幾ら好きでもお嫁さんになれないと前にお話ししたでしょ。でも、フリードルはお兄様だけど、ローレライが大きくなって素敵だなって思ったらお嫁さんにだってなれるのよ」

“なっ、何て事を言っているんだ! 伯母上は!! ”

助け船とは程遠い、伯母の何かを意図するような突拍子もない発言に、思わず焦りの隠せないフリードル少年だった。

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