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パウリンの娘

パウリンの娘《第7章5》

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ローレライの頭の中は“どうしよう・・・・”と言う言葉でいっぱいだった。
まだお礼も言えてないのに、失礼な事ばかりしているのにこの上護衛に剣の指導はありえないと思った。

「お兄様・・・・どうしよう・・・・」

ローレライは小さな声で兄に呟く。

「別に気にすることないよ」

「でも・・・・さっきだって・・・・」

「何!?」

うつむき加減に小声で二人が話しているのに気付いてゼロが言葉を口にした。

「何だ!? 言いたい事があるなら言え!」

話しが決まったかと思えば向かいで何やらこそこそ話。
誰だって良い気分はしない。
自分の事を何か言われているとでも思ったのだろうか!?
いや、普段のゼロなら思いっきり無視して終わりだ。
それが言葉を発した時点で、確実にゼロの反応が今までの女に対するものでは無いとシドは確信していた。

ローレライはゼロの声に慌てふためいた。

どうしよう! 更に怒らせてしまった!?

心なしか顔色も悪くなり、俯き不安な表情でいっぱいのローレライを見ていたらルシオンはもぅ黙っていられなかった。

「レライはずっと気にしてるんだ」

「お兄様!」

皆の前で言わないで!!
と、叫びたかったが、恥ずかしすぎてローレライは言葉を口に出来ずに真っ赤になるだけだった。

「さっき馬屋でレライがあんたに抱きついたんだろ!? こいつ、その事をずっと気にしてたんだ。レライは昔っから嬉しい事があると相手に感謝して抱きつく癖があるんだ。それを今迄気にした事なんて無かったんだけど、あんたから・・・・何だ・・・・言われた一言で17にもなってそれは不味かったと気付いたらしい。あんたに失礼な事をした、申し訳ないって気持ちと、ジュリアスの治療をして貰ったのにお礼も言わずに飛び出して来た事をずっと気にしてたんだ。だよな」

ローレライを覗き込み、これで間違ってなかったかとルシオンが確認するとローレライはこくりと頷いた。

「何だよ、それ」

今時奇特な奴だと呆れたようにシドが言う。

兄が一番言い難かった事を話してくれたお蔭で随分気が楽になったローレライは、思い切って言葉を口にする。

「・・・・それに・・・・先程も支えて下さったのにお礼も言えなくて・・・・。その上またご迷惑をおかけする事になって申し訳なくて・・・・色々と有難うございました」

深々とローレライは頭を下げた。

“何だ!? この女訳が分らんぞ?”

今まで見た事もない女の反応に、ゼロは困惑していた。

「あの・・・・先程のお話し、私にとってはとても有難いお話ですが、ゼロがお気をを悪くされたのでしたら、私は別に今のままでも・・・・」

シドが慌てて口を挿む。

「いや。それは困る! こっちも忙しいんだ。急に話が変わってはまた計画を立て直したり、色々・・・・とにかく大変になるんだ!」

「そうなのですか?」

何も分からないので、ローレライは素直にそんなものなのかと思う。

ゼロはシドの慌て振りに何やら腑に落ちない所を感じたが、シドや他の者達が自分の我儘のせいで余計な仕事を背負わなくてはならなくなったのは事実なので、その事は口にせずに飲み込んだ。

「シドがそう言うのならば別に構わん」 

「すみません」

「何故謝る? お前は何も悪くは無いだろ」

「いえ・・・・でも・・・・」

「クドイ!」

また、怒らせてしまった・・・・。
ローレライは焦ってオロオロするばかりで何も言えなくなってしまった。

「こういう時は有難うで良いんだ」

フリードルが助け船を出してくれた。 

「有難うございます。宜しくお願いします」

そう言い頭を深々と下げると、ゼロは静かに頷いた。

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~ Comment ~

NoTitle 

早くツンデレが見たいなぁv-238(笑)
こういうの好き^^
私書くと皆あまあまになっちゃうから↓
是非このままで(^^)b

HANON.H様 

こういうの好きですか!?
有り難うございますm^^m
私はあまあまも大好きなのに、自分があまり書けそうになくて羽音さんが羨ましいです^^
8章がツンデレには程遠いけど、少しゼロが変わった姿を見せてくれます^^
今後の二人は、ツンデ位で(レ無し)やっぱりジレが多いかなぁ(笑)

NoTitle 

ローレライのあの性格で芯が強くなったら、末恐ろしい人になるのだろうなあ・・・ということを思ってしまってみているのは私の先入観ですかね。ローレライが最終的にどのような立場になるかにもよりますが。妻であれば、よき妻であり、女王であれば、マリーアントワネットのような女王になるのでしょうね。彼女は最も市民に福祉活動をした女王で有名ですが、あまりに裕福すぎたことと家臣を信用しきる性格から誤解も多かった人ですからね。

LandM 様 

確かにそうなれば末恐ろしいかも^^;
人を疑う事を知らないですしね。でも、違う点は裕福では決してない事とこう見えて自分をしっかり持っている事でしょうか。贅沢も好まないですし。
良き妻になる事は疑いないでしょうね。女王としては福祉活動には力を入れると思いますが、ローレライの場合人任せでは無く出来る限り自ら焼いたお菓子等を配り歩いたり(この時点ではまだ出て来ていませんが趣味はお菓子作り)、出来る事は一緒に行動しちゃいそうです。
芯は少しは強くなると思いますが、マリーアントワネットには程遠い気が!?(笑)

いつも有り難うございます^^
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