FC2ブログ

記憶の彼方とその果てに

記憶の彼方とその果てに《12.衝 撃》

 ←記憶の彼方とその果てに《11.視 線》 →記憶の彼方とその果てに《13.自 責》
何故気付かなかったのだろう?
確かにあの時助けてくれた従者の口ぶりは見知っている者の様だった。

『今回は流石に、言い逃れはできませんよ!!』

確かにそう言ったのだ。

あの控えの間の時にでも聞いておくべきだったのだ。
それがあまりに突然の再会に自分が混乱してしまい、何も考えられなくなってしまったから・・・・。
こうやって脇らから見つめられるだけで、ドキドキ鼓動が止まらない。
正式な婚約者となった傍に居る王子には何も感じないのに、これは酷い裏切り行為だ。

「そうでした。貴女にお伝えしなければいけない事がありました。今宵よりは私と貴女は正式な婚約者です。お父上のお許しも頂きましたし何があっても許される身ですから、その御覚悟はだけはなさっておいて下さい」

王子はニッコリと爽やかに微笑み、何事も無い事の様にそう告げた。

(「えっ!? ええっ!? え~~~~!!」)

アーリアは告げられた言葉に真っ赤になりながらパニックに陥った。

如何しよう・・・・。確かに婚約した身だ。
今日から同じ城で暮らすのに、結婚するまでは清いままでいたいです等と敢て言葉にするのも恥ずかしい。
それに何より、何とかこのまま王子を如何にかする事が出来たとしても、1か月後は確実に妻となる身だ。
そうなれば何があろうと決して王子を拒めない。

(「本当にこのままで良いの? アーリア。 あの方が傍に居るのに、王子の胸に飛び込める?」)

チラリとマジミールに目を向ける。
ニッコリとこちらに向けて微笑む笑顔に、絶対に無理だと悟った。

自分は王子では無く、間違いなく今この従者に恋情を抱いている。
それが良く分かった。

これから自分はどうするべきか?
この場できちんと王子に謝るべきか?
いや、それは出来ない。

周りを見渡せば、両親も弟もとても嬉しそうな笑顔だ。
自分一人の行動一つで己だけでは無く、我が家だけでは無く一族諸共確実に巻き込んでしまう事になるのだ。
何故自分はあの時簡単に折れてしまったのだろうか?
今このような状況になるのだと分かっていれば、話があった時点で何があっても断っていた。
自分には忘れられない人がいるから、せめてその方の素性が知れるまで、話を進めるのを待ってほしいと両親に言えば良かったのだ。
全ては自分の不甲斐なさが起こした事だが、はっきりと思いに気付いてしまえばもぅ嘘をつきとおせるとはとても思えなかった。

神様は何て残酷な事をなさるのだろうか。
せめて、王子の従者がマジミール様でなく他の者であったなら、優しい王子だ。いつかはマジミール様の事を忘れて好きになれたかもしれない。
今でも決して王子が嫌いな訳では無い。寧ろ好印象だ。
だが、マジミール様が傍に居るのにそれは絶対に無理な事だった。

考えれば考える程に心が折れそうになる。

(「ごめんなさい。セイラル王子。ごめんなさい・・・・」)

今にも泣き出しそうな自分をどうすれば抑えられるのか、それはアーリアにも分らなかった。

押して頂けると励みになります^^

にほんブログ村




総もくじ  3kaku_s_L.png パウリンの娘
総もくじ  3kaku_s_L.png 記憶の彼方とその果てに
もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ&感謝
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【記憶の彼方とその果てに《11.視 線》】へ
  • 【記憶の彼方とその果てに《13.自 責》】へ

~ Comment ~

NoTitle 

ほら~!だから言っちゃいなって~(笑)
前ページの王子と従者(ううん?どっちがどっちだ? 笑)
の目と目の会話がいいわ~(^m^)
ホントバレちゃうから~
そしてさりげな~く行きますよ?と言っちゃって~
ふふふ…
でもね~…ちゃんと分かるの~?あら~大変~←ひとごと 笑

ノリノリで書けてましたか~?^^
私は全然~^^;
頑張ってくださいね~^^b

はのん様 

ホントほらねっ、だよね♪
あわわわわ!前のページ間違いです!王子を従者に今訂正してきました^^;
有り難うございます^^
もぅこれ結構ややこしくて、何でこんなの作っちゃったんだろうと最初の頃かなり翻弄されてました^^;
今でこそかなり慣れましたが、これからもやっちゃう恐れあり!その時はご連絡ください(笑)

そうそう、この二人の目と目の会話私も結構好きなの♪
アーリアは、何となく分かってる?(爆)
彼女はローレライ程ボケてないです(笑)

はい、ノリノリ続行中だったんだけど、夏風邪引いた息子のお蔭でノリ切れません(今傍で鼻水垂らしながらブロックしてる・・・・)
いやぁ、傍にいると書き辛いわ^^;
眠くならなかったら夜続き頑張る♪

いつも有り難うございます^^

NoTitle 

じわじわ読んでます。

20時40分はまだですか(゜゜☆\(^^;

ポール・ブリッツ様 

ありがとうございます。
こちらも長いですので、ゆっくりお読み頂ければと思います。イブに完結し、その後前作のSS開始予定です。

時間を待っている時ってついそわそわしちゃいますね。

いつも有り難うございます。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【記憶の彼方とその果てに《11.視 線》】へ
  • 【記憶の彼方とその果てに《13.自 責》】へ