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パウリンの娘

パウリンの娘《第8章3》

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シドは遠目で二人の姿を時折追っていた。
流石はゼロだ。
剣は生半可な気持ちで握るものでは無い。
習う側が本気にならなければ練習中の怪我も多くなるし、何より早い上達も望めない。
やはり色々な意味でゼロに任せて正解だったと自負した。


ゼロはローレライの様子を見て、見様見真似にしては形だけはマシだと褒めてくれた。
でも、それはランドンを見て覚えた逆手持ちだけで、後は全然駄目だった。

「お前に3つは無理だ。リバースだけ覚えろ」

「でも・・・・全部覚えたいです・・・・」

ローレライは折角教えて貰えるならば全部マスターして、自分の身位自分で守れるようになって皆に少しでも迷惑をかけたくないと思いはじめていた。

ゼロは短時間とは言え剣を交える事でローレライが生半可な気持ちで居ない事を理解していた。

「まぁ聞け。逆手と順手最大の違いは手首の可動域だ。順手は刺突や斬撃を遠くまで行えるが逆手に持つと可動域は狭くなる。どのみちお前には腕も力もないから順手は無理だ」

「はい・・・・」

悔しいと思ったがそれは事実なので仕方がない。

「だが可動域が狭い逆手持ちの方が攻撃に十分な力を乗せやすい。腕が無い分お前は攻撃面に力を入れろ。体重の乗せ方と動きを主に練習して行く。守りは私がやってやるからお前は隙あらば突け」

「はい」

そうだ。せめて自分が居る事で邪魔にならないようにしよう。
しっかり覚えなければ!
ローレライは覚悟を新たにした。


シドは遠目で二人の様子を見て満足そうな笑みを浮かべる。

「どうかしましたか!?」

「いや。ゼロが何時になく流暢に話して、時折笑みまで浮かべてる」

慌ててフリードルが振り向くと、既に笑みは浮かべてはいなかったが確かに主の表情が少しだけ幾分和らいで見えた。
ローレライとも普通に話している様子が伺える。

「あの方が、女性とあの様に話されている姿を私は初めて目にします」

「俺だって10年・・・・いや、忘れてくれ」

シドが言いかけた言葉を飲み込んだ。

「はい」

フリードルはゼロとシドの関係に以前から自分が入り込めない何かがあると感じていた。
シドと自分は2年前王宮を去る時点では同じような位を賜っていた事もあり年は5つ離れているが交流もそれなりにあり、現在は友人且つ信頼を寄せる良き仲間でもある。
自分が騎士見習いに入りゼロを師と仰いだ時、シドも既に騎士の称号を賜っていた。
その事もあり、フリードルはシドに対して一目置いている。
ゼロとも1つ違いで2人の師は現騎士団長のオーラル殿で同じ見習い時期を共に過ごした事もあると聞いている。
自分の知らない主の事をシドは知っている。
敬愛する主の事ならば何でも知りたい。
シドが飲み込んだ言葉が気になるが今は聞いてはならない事なのだと自分に言い聞かせる。
二つの気持ちがフリードルの中で交差していた。

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~ Comment ~

NoTitle 

まあ、武器の使い方は全部覚える必要はないですからね。
どちらかというと立ち回りの方を覚えるのがベースなりますかね。
殺そうとしている相手にはどう立ち回るか、誘拐目的だとどう立ち回るか、そういうのがトータルで護身ですからね。護身術なんて度胸を与えるだけで、問題はどう立ち回るかが大事ですからね。軍人には勝てないのですから。王族とか貴族はそちらの方が重要ですものね。ある意味、区切りをつけるのは正しいですね。

LandM 様 

武器を持たせることにした時、色々読んで調べまくって結果多くの事はローレライには無理と判断しました。
おまけに練習できる期間は限られてますしね。
なので『ある意味、区切りをつけるのは正しい』と言う見方をして頂けて嬉しいです♪
書いてると色々判断に戸惑う事もあるんですよね。
その時はキャラに見合った考え方をして決定するようにしています。

いつも有り難うございます^^
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