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「記憶の彼方とその果てに」
記憶の彼方とその果てに番外編

待ちわびて9~記憶の彼方とその果てに番外編~

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翌朝、目を覚ますとセイラルの姿は既に無かった。
早朝から政務だと言っていたからあまり寝ていない筈だ。

昨夜は一度意識を手放した後、喉の渇きを覚えて目を覚ますと更なる追及が待っていた。
結局言葉巧みにのせられて、最後には王妃様から教えられた産み分け方法の全容を洗い浚い喋らされてしまった。

『へぇ、ならリアが感じなければ女の子が産まれる確率が上がるんだ・・・・』

『・・・・そう・・・・』

『でもそう簡単には行かないだろう?』

『そうなの。それにその時々によって体の中の状況も違ってくるから確率を上げるには常に女の子を産む環境に適した身体づくりが大切なの。だから特に酸味のある食事を多くとって、柑橘類やお酢も美容効果もあるし健康にも良いし気をつける様にしていたの』

『なんだ。そう言う事だったんだ・・・・。でも、そうなると本来のあの子にはきっと逢えなくなるんだろうな・・・・』

『えっ!?』

セイラルがポツリと呟いた言葉があまりにも衝撃的で食い入るように見つめ返した。

『いや、良い。忘れてくれ・・・・』

セイラルは何処か慌てて言葉を否定したが、耳に残った言葉を消し去る事は出来なかった。

『ラル!?』

『あっ、いや、別に深い意味は無いんだ。何となく無作為に本来生まれるべき性別を偽ろうとすれば、本当のあの子には逢えなくなる気がして・・・・』

『あっ・・・・』

『いや、別にこれは学術的根拠も何もない事だから別にそう気にする様な事でも無いと思うし・・・・。まいったな。そんな顔しないでくれ。別にリアを責めている訳では無いんだから。リアが本当にそれで良いと思っているのならば、私もこれからは出来るだけ協力する様に心がけるよ。リアが母の為を思ってそこまでしてくれようとする気持ちが凄く嬉しいから・・・・』

セイラルは責める言葉ではなく優しく気遣う言葉を囁いてくれたけれど、目先の事に囚われてそこまで考えが至らなかった自分をアーリアは酷く恥じた。
王妃様の想いも大切だが、私たちはいつの日か失ったあの子に再び逢えるのをずっと心待ちにしていたのだ。
セイラルの言う通りだった。

『ごめんなさいラル。私・・・・』

『だから謝らないでよ。別にリアが悪い事をした訳ではないのだから。まぁでも、こう言うものは自然に任せても確率は五分五分、産み分けを試みても子宮の状況が酸性期に入っている時にアーリアが身籠らなきゃならない訳なのだろう? ならば所詮どんなに頑張った所で女の子が産まれるとは限らないのだからそう気にする必要も無いかもしれないし・・・・。ごめん。知識が浅い人間が言うべき事でも無かったよね。私はこの件に関しては今後全てアーリアに任せるよ。後悔しないように好きにすると良い』

『ラル・・・・』

『でも、そう言う事だったとはな・・・・。私は最近酸っぱい物を好んで食べていたからてっきりそう言う事だと思って少し自重していたのに・・・・』

『えっ!?』

『いや、何でも無い・・・・。でも、二人があまりに親密だから少々妬けたよ。アーリアは私のモノなのに・・・・』

『・・・・・』

呆れ返って言葉が出て来ない・・・・。
でも、セイラルの深い愛情を感じ取れる事はやはり嬉しいことでもあるから、呆れながらももう良いやと思ってしまうのは自分も惚れた弱みだと思う。
結局疲れ果てていた事と、ずっとセイラルにしていた隠し事をやっと告白できた事から後ろめたさが無くなり、心が軽くなると一気に眠気が再び押し寄せて来た。

セイラルに身を寄せながら心から安らぎを得たアーリアは、再びセイラルの胸に包まれながら幸せな眠りの中へと吸い込まれていった。

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