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ずっと心に決めていた

ずっと心に決めていた《43.本 意》

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訳が分らず何度も瞬きをしていると『本当に分らない?』と耳元で囁かれた。

(何が無理なのだろうか?)

分らないと言う事が申し訳ないとは思いつつも、やはりそれが事実なのでゆっくりと頷くと、アレクは何かを必死で抑えようとしているかのように、私を更に強く抱きしめた。
とても苦しそうで、見ていられなくて思わずそっと背に腕を回すと一瞬ピクリと肩を振るわせた。

(何故アレクは、こんなにも酷く悩まし気な表情をしているの?)

暫く無言で……。けれどやがてゆっくりと話し始めた。

「マリーを傷つけちゃいけないと思っているのに、もう絶対に無理だと思う……。御免、だから覚悟してッ」

そう告げるなり、行き成り寝台へ押し倒された。

「あっ、あああ……アレク? んんっ!!」

頭の中が混乱し何が何だか分らぬ内に再び塞がれた唇は、先程の言葉を遮る為のものとはまるで違い、とてもあつい熱を含んでいた。
何度も何度も私の唇を食み、優しく口内を弄り絡め取って行く。
アレクから失望されたのだと思い落ち込んでいた筈なのに、彼の取る行動が全くそれを感じさせるものでは無かったのだと言う事に今更ながらに気付いてしまい、今度は別の意味で戸惑い、混乱してしまった。

「そんな可愛い事言って、煽っているって自覚ある?」

「あおッ!!」

突如告げられた言葉に、顔から火が出る程恥ずかしかった。
如何して良いのか分らず、真っ赤になりながら首を左右に大きく振りまくった。

「自覚はなくても、もう無理だから。マリーを怖がらせたくなかったから脱衣場でも我慢した。湯場ではそれ所では無かったけれど、湯に当てられて火照って仄かに染まるピンクの肢体の美しさに思わずそのまま口づけたくなった。過日の件もあるし、マリーの意を無視してこう言う事をする気は無かったから必死で我慢したけれど、あの美しい姿を見て然も私が幻滅したかのような物言いはハッキリ言って我慢できない! マリーは男心を知ら無すぎる!!」

「でっ、でも……、わたしッ、全然男性の好むキュートな体系でもないわ。それにッ」

「何、それ……」

「……えっ?」

またしても私の思っている事とは何処か食い違っていると言いた気なアレクの反応に、戸惑ってしまう。

「好みなんて人それぞれだよ。世間一般で言う貴族の嗜みの遊びを好む者にはそう言う事を気にする者もいるかもしれないが、私をそう言う輩と一緒にするのは止めてくれ! 虫唾が走る!!」

「……えっと? ……」

聞いていた話と、随分と全然違うのだけれど?

「だいたいその話は誰からの受け売り? ……まさかア・イ・ツ・? ……」

「いっ、いえ。あっ、あの、アレクの取り巻きの令嬢達が、以前アレクもそうだって話しをしていて……」

「何だよ、それ。誰が広めたか知らないけれど、いい迷惑だ。それであんなのが私の周りにウヨウヨ集まっていたのか?」

「……あんなのって……」

「それで、マリーはそれを信じたんだ……」

「だって、アレクの周りにいる女性達は私から見ても皆本当に素晴らしく整った容姿を持つ美しい人たちばかりが集っていたし……、それに比べて私は本当に全然貧相で……」

告げた途端、更にアレクの表情が険しくなった。

(えっ? 何? 私、何か変な事でも言った?)

「美しい……って誰?」

「誰って、みんなよ。皆私よりずっと綺麗だったわ」

「何処が?」

「ぜ、全部よ。全部私とは全然違うもの……」

「当たり前だッ 私はマリーの審美眼こそを疑う!」

「疑うって……」

それこそ訳が分からなかった。

「マリーは自分の事を全然分かっていないよ」

「そんな事は……」

「いや、分かっていない!」

「で、でもこれだけは確かだわ。他の殿方もアレクとサンドール公爵様の御子息の周りにはいつも美人ばかりが集っていて羨ましいって……。だから私、もっと美人に生まれたかったってずっと思っていたのに……」

どれだけ自分がアレクに近づきたいと思っていたか思いのたけを伝えたつもりだのに、何故か彼は更に不機嫌な眼差しで私を見つめ返した。

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~ Comment ~

NoTitle 

大切である。傷つけたくない。
・・・って言うのは、真面目な男の逃げですけどね。
そのことに気づいたのは最近ですけどね。

女の子を大切にするっていうのは
アレクのやっていることじゃあないんだよなあ。。。

・・・と、アレクのような恋をしていた自分の10年後ぐらいの結論です。
ふむ。
私も少し歳をとりましたね。
まだまだ現役ですが。

NoTitle 

いい雰囲気になってきました。
マリーはアレクのことをずっと誤解していたんですね。
男心の分からない女の子、大好きです(笑)

LandM様 

今日は。
>、真面目な男の逃げですけどね。
確かに~、一理あるかも(笑)
まぁ、アレクもずっと今と変わらずって事は無いとは思いますが、10年後はどうなってますかね。(まぁ、マリーを悲しませる事だけはしないと思いますが)

そのお話をもっとお聞きしてみたいようなしたくない様な(笑)
まぁ、最終的に結婚生活とか夢見たままじゃいられないのは確かですけどね(苦笑)
いつもコメント有り難うございます。

Sha-La様 

今日は。
はい、何か雰囲気上昇中ですね♪
こういう事って中々本人に聞けないですし、周囲からの受けうりを全面的に捉えてしまっていました^^;
おまけに婚約話が出るまで色々な意味で男性と付き合った事すらなかったので、これからも色々ボケてくれるかと(笑)
引き続き楽しんで頂ければ幸いです。
いつもコメント有り難うございます。
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