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パウリンの娘

パウリンの娘《第3章4》

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庭にクッキーと紅茶をメイテルに用意してもらい、ローレライはザビーネを待った。
民の生活を思うと、これも贅沢かもしれないけれど今日だけは特別に許してとローレライはそう心の中で呟いていた。

「お茶のお誘いとても嬉しかったわ。昨日は突然にびっくりさせてしまって御免なさいね」

ザビーネの労りの言葉にローレライは首を振った。

「昨夜は本当にびっくりしてしまって・・・・ご心配おかけしてしまって申し訳ありませんでした」

目を瞑って優しく首を横に振ると、ザビーネはその事には触れずイシュラルの自然の素晴らしさや伯の民に対する姿勢を褒め称えたり、他愛もない事ばかりを話題にした。
きっと、自分から口に出さなければパウリンの話には決して触れそうにない。
ローレライはそう感じると瞳を凝らして夫人をじっと見つめ、一気に話題を変えた。

「昨夜、私があんな風になってしまわなければ、まだお話しされたかった事があったのでは無いですか? 」

夫人は少しびっくりした面持ちをで考え込んでいるのが伺える。

「はっきり申しまして、まだ全然冷静でいられる状態ではありません。ですが、このまま自分の保身の為に手を拱いているのは違う気がするのです」

ローレライの真剣な眼差しにザビーネはふぅーっと大きく息を吐いた。

「貴方って方は・・・・」

そう呟き微笑むと、何か心に決めた様だった。 

「今から私がお話ししようと思っている事は、知ったからと言って婚約者を探し出す事に役立つようなものではありません。昨夜以上の衝撃を与えてしまうかもしれないですし、捉え方によっては今後の妨げになり得るかもしれませんが、それでも構わない?」

ローレライはコクリと頷く。

するとザビーネはパウリンの最初の力の持ち主となったサザーランド国、初代ザランドル国王の妃となったオルガゾーレの記述を話し始めた。
昨夜にも況してあまりにも衝撃的なその内容にローレライは自分の中から血の気がスーッと引いていくのを感じた。

「・・・・では、今迄の王の為され様は全て私のせいなのですか? ・・・・私がパウリンを手に生まれたから王は・・・・」

顔面が蒼白しているローレライの姿を見て、ザビーネは慌てて否定した。

「いいえ違います! 国が滅びの道を歩もうとしているからこそ救う為に貴方が生まれたのです。貴方が第二のオルガゾーレとなり、この国を救う新王を導くために」

ローレライは一瞬何を言われたのか理解出来なかった。
しかし、記述が紛うもので無いならば、そう言う事になってしまう?

「では、私の婚約者と言うのは・・・・」

「次にサザーランド国を治めることになる新王です」

「でも、それが誰かは・・・・分からないのですよね!?」

「はい、貴方のパウリンだけが知っている事ですから」

そう告げるとザビーネはオルガゾーレのパウリンは今も代々受け継がれているものであり、今所有している者が自分である事を告げると、それぞれのパウリンの持つ役割についても知りうる限り詳しく語った。
そして、この事は王と後継者以外には家族であっても決して口外せぬようにと付け加えた。

“この世に存在する唯2つだけのパウリン”

ローレライは記述に現れたパウリンの娘が自分である事を認識すると、その使命と運命を重く受け止めた。

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~ Comment ~

NoTitle 

新たな一歩に踏み出していく感じかな?
早く婚約者と出会ってほしいわぁv-238

はのん様 

そうですね。新たな一歩を踏み出そうとしている所かな。
4章では鍵となるキャラも含めて色々出て来るのでお楽しみに♪
婚約者は・・・・私も早く言ってしまいたい!!
でも、いつ出るかは設定上中々明かせないけど、少しだけ・・・・。
性格はローレライとは全然違います!
ああ、言ってしまった!!(笑)

NoTitle 

新たな王かあ・・・。
その間にあるのは闘争っぽいですね。
まあ、フランス革命にしてもそうですね。
新たなるものを迎えるのに流血が必要でしたからね。
ファンタジーの中に駆け引きがあって面白いです。

LandM様 

面白いと言って頂けて光栄です^^
ただの平凡なだけのラブファンタジーにはしたくないと思っているので、色々な要素は入っていると思います。
駆け引きはかなりこれからも出てきます。
コメント、有り難うございました。
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