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信じても良いですか?旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第18話

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結局その後マゼレーゼが大人しく男爵夫人の座に今まで収まったと言う事で、事態は急激に終息したに違いない事は推察できるが、何ともやるせない……。
以前は良く分からなかったが、親は我が子の為なら何でも出来る生き物だ。生まれる前ですらこんなに娘(仮)が心配で仕方がないと言うのに、愛する夫との間の……、それも生まれて間もない我が子を意に反して置いていく事となり、当時のマゼレーゼの想いはどれ程のものだった事か……。その心境には同情を禁じ得ない。

「マゼレーゼは男爵夫人になってからは、当初はただ息子の為だけに男爵に尽くそうと心に決めていたらしい。だが、結婚から1年もせずに男爵は他の幾多の女の下へとしばし通うようになってしまった。飽きたのならば開放して貰えないかと直ぐに離縁してくれるように直談判したらしいが、自らの行いが離縁のきっかけと言われるのは体裁が悪いからと認めては貰えなかったらしい。そこで男爵が告げたのはこうだ。『跡継ぎを儲けなければ離縁はしない。それまでは奉仕しろ』と……。男爵は3度目の結婚だが子には一度も恵まれてはいない。自らは認めてはいなかったようだが、状況的に見て問題はおそらく男爵の方にあったのだろう。その話を聞いてマゼレーゼは当初更に絶望したそうだ」

マゼレーゼが旦那以外の者と交わるようになったきっかけは、旦那のその言動以降からだと言う。旦那との数少ない情事の後で、少しでも効率よく妊娠に結びつくようにと多く者と関係して自らに子種を注ぎ込み、妊娠を誘発させるのが狙いだったと……。
子を儲ければ男爵から逃れられるという思いに駆られ、自分、若しくは男爵と同じ特徴色を持つ者を相手に選び、誰の子が生まれても男爵家の子として疑われぬようにと、関係を持つ相手は厳選していたらしい。
だが男の方の目的の多くは、都合のいい女との快楽だ。
出来れば情事を楽しむだけの存在の女との間になど、子を儲けるつもりは更々ない。
自身としては奉仕のつもりもあったが、快楽を求めていなかっとは言い切れない所はあった。それは男としての悲しい性だ。だがそれはマゼレーゼに限ることなく、そういう関係のあった婦人等との間でも一緒だった。だから避妊にはそれなりに気を付けていた。では事情を知らされて居たとして、子を成す為の協力をしただろうかと聞かれれば、それは否だ。自らの子を他人の子として育ててもらう言われはないし、自身の子をあのいまいましい男爵の息子に等断じてしたくは無いと当然思っただろう。それに誰彼構わず種をまき散らすような真似もしたくは無い。これは自身のプライドにも関わって来る問題だ。

だがマゼレーゼは結果として、我等のような男との関係を長々と重ねる事により、その内数人の……我らのような者に、情にも似た感情を抱くようになっていたようだ。最近では旦那との関係もほぼ無くなっていた状況下にありながら、だらだらとこのような関係を続けていたらしい。このような状況で妊娠すれば、即不貞を意味する事は本人も分かって居た筈だ。にも拘らずそれを止められなかったのは、既に離縁をする為ならば手段を選んでいられない精神状況だったのかもしれないと思うと、その事に不憫さを拭い切れない。不貞が明るみとなれば離縁は出来るだろうが、社会的地位も同時に失われ、加えてマゼレーゼの場合実家の家業や息子にもどのような影響が及ぼすかも分からない状況となる。結果として現在その状況下に置かれ、マゼレーゼはとりあえず実家に身を寄せていると言うが、そこもこのままずっと居られるとはおそらく思ってはいないだろう。そんな中での唯一の救いは、息子が我等の側に居る事で身の安全が保障されている事だと言う。

「実家に迷惑をかける事になるかもしれない事は気にしていたが、息子が一人立ちして護衛騎士団に身を置くようになってからは、我らとの関係がある限り、どんな状況になろうとも息子は我らが守ってくれるという安心感があったらしい。だからお前との関係が失われる事になって、実際は……、かなり動揺していた。お前と別れてから俺と会って最初の日に告げられたのは『何かあったら、あなたが守ってくれる?』と言う言葉だった……。最初は何のことか分からなかったが、やがて詳しい事情を話してくれた。その事からお前には息子を預けていると言う信愛もあったらしい事に気付いた。俺との関係もあったが、俺との関係はお前の比ではなかったと言う事だ。だからお前が居なくなった事で歯車が狂い始めた。お前の穴を埋めるように俺との距離を縮めようとしている感があった事には気づいていた。求められる事も以前より多くなっていたからな。会う回数もお前が結婚してからは増えていた。だが俺一人ではお前を失った穴は埋めることが出来なかったと言う事だ。結果として今回の事態に陥る事になったのだから」

告げられた真実は私に衝撃をもたらした。だが……。

「今更、そのような事を言われても、私には如何してやることも出来ない」

冷たいと言われるかもしれないが、今の私にはそれ以外の言葉は言いようが無い。
愛する妻を、これ以上苦しめる事だけはしたくないのだ。

「そんな事は分かっているさ! だがなッ……。いや、もういいや……」

大きなため息をつき、グレンが何処か諦めにも似た言葉を吐き出したものだから、これでやっと話に一先ずの決着がみられるのかと思い安堵しかけていたら、今度はソファーに座りずっと訝し気にずっとこちらの様子を伺い、かたずをのんでいた女が勢いよく立ち上がった。
そういえば、この女も一緒に居たんだった……。
最初は何処かいやいや来た感がぬぐい切れず、ずっと早く帰りたいオーラを全開に解き放ちながら神妙な態度を決め込んで大人しく座っていたのだが、何やら事は途中から、この女にとってただならぬ状況に突入してしまったようだ。

「馬鹿言わないで! 話が全然違うじゃない!!」

「あの話は、一つの提案事項だった。だが、今の状況を聞いていれば分かっただろう? もう無理だ。撤回させてもらう!」

「はあ?! あと少しだったのに馬鹿言わないでッ。貴方のせいで、全てが台無しじゃない!」

一体何が始まったのか?

「何故それが俺のせいになる?! 元はと言えば、お前が勝手に事を性急に進めすぎたからじゃないのか!?」

「何ですって! 私にそんな口を叩いても良いの?!」

「いや、それは……。良くは無い……。良くは無いが、此奴がここまで言い出したらもう無理だ」

「無理? 信じられないッ!!」

「おい……」

今度は女と痴話げんかか?! 全くもって忙しい奴だ。
それでもってこちらの声は、全く耳には届いていないようだ。

「おい、お前たちッ。いい加減にし……!!!」

仲介に入ろうとしたら、女にがっちりといきなり腕を掴まれた!

「女……。何をしているッ!」

「私のなんだから!」

「おい、グレン……、これは一体どういうことだ?!」

「すまん……。そいつと取引をしていた。マゼレーゼの腹の子を、引き取って貰う代わりに、お前との仲を仲介すると言う条件付きで……」

「……はあ?! お前……、いい加減にしろよッ!」
                         
私は少なからず苛立ちを覚えながら言葉を吐き捨てた。
グレンの軽はずみな行動には、呆れかえるばかりだッ。

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~ Comment ~

NoTitle 

豊臣秀吉を思い出しますね。
豊臣秀吉も跡継ぎがいなくて右往左往してましたからね。
しかも。女をはべらかしていたところも同じですね。
まあ、正妻の寧々はそれで怒ることはなかったですし。
夫婦仲も良かったらしいですからね。

違うところといえば。
豊臣秀吉はたくさんの女性をはべらかしていましたけど。
正妻の寧々には晩年までラブレターを送っていましたからね。
「家に帰ったらお前を抱きたいなあ」
とか。
「早く戦争が終わって、お前に会いたい!!」
とか。
晩年になってもそういうラブレターが今でも残っていますからね。
沢山の女性と関係を持つのは昔や跡継ぎを考えると仕方ない。
けど、愛情を持たないとだめですね。
(∩´∀`)∩

LandM様 

今晩は。

豊臣秀吉~ッ(笑
彼は確かに無類の女好きですよね。
そこは男爵と一緒♪
で、飽きたら放置。選り好みが激しく、結構2~3か月で飽きて女をとっかえひっかえするタイプです。
奥さんとは、手に入れる手段として結婚したって言う程度で、世間体が悪いから離縁はせずに遊んでるって感じなので、そこが秀吉と違う所ですね。
一度手を付けたらとりあえず囲っていた秀吉とは全然違います。クズです。
愛情は直ぐに冷めるので^^;

いつもコメント有難うございます。
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