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信じても良いですか?旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第19話

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全くッ!
グレンの奴は何を考えているんだ!?

「お前が自分に責任を覚え、若い奴らのように元男爵夫人を見放さないのは立派だ。だが、その事に私を巻き込むな!」

そう告げると、私は女を睨み付け、腕から無理やり振りほどこうと手をかけた。

「離さないわよ。約束は守ってもらうんだから!」

タダをこね、私に対抗するようにこちらを睨み付ける女の姿。
こんな女を相手にする等、この世の終わりが来ようとも御免だ!
私は舌打ちすると、その女の腕を容赦なく払い除けた。

「如何言うつもりよッ!」

「如何言うつもりも何も、そもそも私はお前とは何の約束もした覚えもない! それでもまだ付きまとう気ならば、今度こそ容赦はしないぞ。本当に潰すぞ!!」

「なっ、なによ! おっ、脅す気!? しょっ、証拠なんて無いんだから! そうよね?」

そう告げると女はグレンの方に振り返った。

「この件に関しては、確かに証拠と呼べるべきものは何もない。あの飲み屋の二階で流血騒ぎがあったと言う以外はな。だが、その事はスタンも店側も周囲に知られたくはないだろうし、証拠という証拠は上がらないだろうな」

「グレン、お前どっちの味方だ。もういいんじゃなかったのか!?」

「まあ、聞けって。だが貞淑な妻を演じている夫人にまんまと騙され続けている働き者の旦那が、自らが外交官として赴任中に、夫の留守を良い事に隠れて散々致している所業の数々を知ったら如何なるだろうな? これについては探せば口を割る人間はいると思うぞ」

「そんなッ、おっ、脅しになんて乗らないんだから! 相手も皆条件は同じなんだから簡単に口は割らないわよ。都合が悪いのはあっちも同じなんでから! それに貴方は私を断れない筈よ。その女の子を引き取って貰いたいんでしょ?! 良いわ。その女も乳母として雇ってやるから、それで手を打ちましょう?!」

「スタン、如何する?」

「私に聞くな! そもそもお前がこんな女を利用しようとしたから事がややこしくなっているんだろう? それに元男爵夫人は腹の子を本当に養子に出す気でいるのか!?」

なさぬ仲の子であっても、あのマゼレーゼが簡単に自らの子を手放すとは思えなかった。
子供と引き裂かれる辛さは痛い程知っている筈の人物だ。

「出すに決まってるって、公になるのは不味いと言っていたんだから」

「きちんと確認は取っていないんだな?」

「必要も無い事だろ?」

「お前、腹の子に対する親の気持ちを軽んじるなよ! きちんと確認してから行動を起こせよ」

「何だ、既に父性愛か? そんなに熱くなるなよ」

「お前も、一応人の子の親だろ。良くそんなに冷静でいられるな。お前の子の可能性だってなくは無いんだろ? そもそもお前には自らの子に対する愛情は無いのか?」

「それなりにはあるとは思うぞ。他人の子を引き取って育てようとは思わないからな」

「責任感だけって事は無いか……。可愛いとは思っているんだろう? 誕生日のプレゼントはいつも用意しているようだしな」

「う~ん。可愛いと思う時はあるが、基本起きている時は五月蠅いからな。そこはウザい」

「ウザい!?」

我が子に対し、ウザいとか、有り得んだろう!?

「懐いて来る時は可愛いが、大体が欲しいものをねだられる時だけだからなぁ。そもそも邸には休みの日しか戻らないから仕方ないが……」

「何だ、それ!」

女の所に日勤は泊まり込んでいると言う事か?
以前から私より随分と外の女に入れ込んでいるとは思っていたが、こんなに酷いとは思ってもみなかった。
我等は不規則な仕事だが、夜勤は多くても週に2回程度だ。殆ど邸に戻れない生活を強いられていると言う訳では決して無い。

「子供等も、奥方も、不憫だな……」

「むさ苦しいのが居なくて、清々していると思うがな」

グレンの妻はかなりできた人物で、生活をかき乱さなければ何をしても口を挟まない者らしい。元々幼い頃より決められていた家同士の政略結婚で、互いに深い愛情は求めていなかったとグレンは言い切っているが、果たして妻の方も同じ気持ちなのか?

「あまり奥方を悲しませるなよ」

「だからもう、外子は引き取らないって」

「そういう問題なのか?」

今度婚外子の問題が公になれば、離縁すると引導を渡されたらしい所を見ると、妻の方は案外……。
いや、これ以上他所の家庭の事に首を突っ込むべきではないな……。根本的に私とは考え方が違うから、もう女絡みで理解し合えることは無いと思っているなら、ここは既に立ち入るべき領域ではない。
そんな事を考えていると、ああ。。。
またあの女がしゃしゃり出て来て、思わず二人して視線を反らした。

「ちょっと無視しないでよ!」

「まだ居たんだ……」

「居るわよ!!」

グレン……、お前が連れて来たんだろ? それは無いだろう……。

「もう引き取ってくれて構わないよ。どのみち俺が口を割ればお前は終わりだ。今回の件でまだ色々ご託を並べるつもりなら、それなりの覚悟をしろよ。子を引き取る引き取らない以前に、お前は身の置き所を失う事になるからな」

「ッ! 卑怯者!!」

女は言葉を吐き捨てると、悔しそうに部屋の外へと出て行った。

やっと女の事が片付いた。やれやれだ。
だが、私には如何しても納得のいかない事がまだ一つある。

「なあ、一つ聞いても良いか?」

「ん?」

「お前はそもそも何故私をここまで巻き込もうとしたんだ?」

「う~ん。まあ、今となってはそんなに大それた理由では無いんだが、お前の結婚からこっちの態度にかなり腹ただしく思っていたし……。結婚については俺が危惧していた通りになったからな。鼻を空かせてやりたくなった」

はあ?!

「……グレン……」

私は深いため息と共に、思いっきり脱力した……。

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~ Comment ~

NoTitle 

同性友達を話はするんですけどね。。。
父性は?
って言われると。
「ぶっちゃけ、ない」
っていう話になるんだな。
これが。。。
( 一一)

母性は存在する。
それは医学的に証明されているんですけど。
父性は医学的に存在していることが証明されてないんですよね。
だから、父親の性格の問題でしょうね。

LandM 様 

お早うございます。
父性は、性格かぁ(苦笑
確かにうちの旦那にしても、子供は欲しいと思っていたし、可愛いとは思ってはいても、自身の命と比べたら「自分の命が一番大事」と以前のたまって私と大論争を起こしたことがあるw
私は自分の命より息子が大事と迷う事無く言えるし、腹を立てる事もあるけど、無条件に今でも可愛いと思えるところもいっぱいある。
に対し、旦那はそんなのは詭弁だと抜かす。
私はその考えが理解できない。
最近やっと息子の方の命の方か自身のものより大事と言うようになったけど、それが父性からなのか、愛着からなのかは不明。
どちらにして父性は育つのに時間がかかると思う。
子どもの世話とか良くしている人の方が父性は育つのかもしれませんね。

いつもコメント有難うございます。
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