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信じても良いですか?旦那様ッ

離婚しましょう? 旦那様ッ・続編『信じても良いですか?旦那様ッ』 第24話

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何処から話せば良いのか?
何処を如何話せば良いのか?
迷いはあったが、そこはもう事の発端から正直に話すしかないと思った。

「……原因は、私の浅はかな嫉妬からだ……」

「……えっ?」

「嫉妬して、酒の勢いに任せて部下に愚痴った……。お前が簡単に……、私たちの娘を殿下に差し出す等と言い出したのもだから……」

「はい?」

想像もしていなかったのか、妻は小首を傾げてこちらをじっと見つめている。

「瞳を輝かせ、白馬に乗った王子様が等と黄色い声をあげ騒ぎ立てられて苛立っていた……」

「苛立って? って……、でも、相手は将来白馬に乗って娘を迎えに来てくれる本物の王子様なんですよ??」

「だから、殿下の馬は白馬ではない!」

「でっ、でも、王子様は、お妃さまを一生涯大切にしてくれるものなんですよ?」

「それは、物語の話だろう? 現実はそうは甘くない!」

「そんな事はありません! 白馬に乗った王子様は、完全無欠の絶対的な王子様なんですから!!」

身を乗り出し、妻の瞳がまたあの時のような輝きに満ちている……。
妻にはどうやら私のこの想いは、理解してもらえない様だ。

「……そんなに……、王子が良いのか?」

「えっ?」

胸のもやもやが収まらない……ッ。

「……私よりもか!?」

「はいっ??」

思わず自らの口から零れ出た本音に気付き、羞恥して顔を背ける。

「ぁ……いゃ……。王家の者は……、ああ、側妃を持てるが……良いのか?」

「えっ? ……そく……ひ??」

迷いつつ口にした言葉に、妻のテンションが一気に急降下していくのが感じられる。
どうやら側妃で回避発言は功を成したようだ。

「お前は、私が他の者の許に通う事すら好ましく思っていないのだから、娘の夫が歴然と正式な側妃とは言え、他の者のもとに通う事も許せないのではないのか?」

「勿論です!」

正に当然だとでも言いたげな妻の反応に、何処か安堵している自分がそこに居た。

「だったらこの話は無しだな?」

「えっ、でも、娘の王子様に……、側妃っていませんよ?」

「当たり前だ。10やそこらの子供に側妃がいてたまるか! そんな淫乱王子は話にならん。将来的な話だ」

「えっ? ええ??」

妻は諸外国の……、いや、この国の王家の制度を知らないのか?
全く持ってこう言う事には疎い、無知な妻である。

「だから、それは本の中だけの話だ。絵本や童話に出て来る夢物語は現実には程遠い。いうなれば理想の産物だ。実際には諸外国の多くが側妃の存在を公式に認めているし、現王にも側妃の存在は……」

と、妻を言い竦めようと思っていたのだが、何だか妻の眉間に皺が寄って……。

「そんな事は、絶対にありません!」

見る見るうちに妻の機嫌が損なわれていくのが感じ取れた。
まさか……、今度は地雷を踏んでしまったと言うのか?

「いや、だが……、世の中というものはそういうもので……」

世情を話してみたが、全く持って話にならない。

「聞きたくありません!」

告げた先から突っぱねられて、途端に妻から睨まれた……。
そして、更には思ってもみなかった方向へと空気が変わって行き……。

「あ゛っ、……旦・那・様!?」

「なっ、何だ?」

「……だから、浮気を……、容認しろと?」

とんでもない妻の妄想が、思考となって繰りひろげられて行くこの展開。
背中に冷たいものがいやがおうにも流れ落ちて行く。

「違う! 私は単に娘の幸せをだなぁ……」

「……娘にかこつけて、陰険です!」

「だから話は最期まで聞け! そうではないと言っている! そんなに興奮したら腹の子に良くないだろう!?」

ダメだ。今の妻には言葉が通じない……。
って言うか、妻はこんなに怒りっぽかったか?
そういえば妊婦はホルモンの関係で何とかと、医術師が……。

「……そうではないって、だったら何なんですかぁ!?」

どの様に伝えれば、私の言葉を……、このもどかしく思う胸の内を妻に理解してもらえるのか?

「私はただ……」

「……ただ?」

言わなければならないのか?
この羞恥なる胸の内を……。

「っ……、くそぅッ! 今後、どのように殿下が成長されるかも分からぬ状況で、愛するお前の産んだ子を、早々にかっさらわられるのだけは、私は御免なのだッ!」

如何伝えたら良いかなど結局分からず、羞恥に思いながらも率直に本心を吐き出した。断腸の思いで……。
何を言っても無駄ならば、もう羞恥の言葉でもなんでも吐き出す以外にないと心に決めて告げてみたのだが、思いがけず妻がほんのりと頬を染めている事に気付いた。

「……シルビア?……」

やはり、率直なる本心は伝わるものなのか?

「それって……、私の事ですか?」

「勿論だ! お前以外に誰がいる!?」

それは間違いない思いなので、自信をもってそう告げてみれば、満面の笑みで私に両手を差し出そうとしている妻の姿が視界を横切り、私はやっと何とかこれで夫婦の危機を乗り越えられたと思い安堵し、妻の手を取ろうした瞬間、その手は何を思ったのか、急に引っ込められた。

「ぅ……嬉しいですけれど……、そのようなことで……、まさか誤魔化すおつもりなのですか?」

上手く危機を回避できたと思ったのに……、やはり結局は、そこに戻って来るのか……。事はそう簡単には行かなかったようだ。

「別に……誤魔化してはいないぞ。真実だぞ?」

「ならば、その真実が如何すれば、クランベル8番の方と繋がるのですか!?」

上手く話を持って行けたと思ったのに、やはりダメだったのかとその場で私は項垂れる……。

「……やはり、全てを話さなければならないのか?」

「勿論です。何も疚しい事が無いのでしたら、お話しできますよね?」

「…………」

羞恥となる告白をしたというのに、次は結局……、おそらく地獄へと突き落とされるかもしれない事を告げねばならないのか? 私は……。
前途の……、決して明るくも無いであろう話をする為に、私は再び息を大きく吸い込んだ。

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~ Comment ~

NoTitle 

まあ、マリーアントワネットにしても。
非常に無知だったことで有名ですからね。
そういうことに関しては、教育の問題なんでしょうね。
結局のところ、男女ともに普通に教育を受けないと、
間違ったことになる。
文化や教育の重要性が問われますね。。。

LandM 様 

今日は。
お久しぶりです。
ですです。
シルビア、本当に無知だから^^;
でも、旦那様はそこが可愛いと思っているので、もう仕方ありません(笑

それにしても、すっかりご無沙汰してしまって^^;
実は父がまた先月、怪我して救急外来で額縫った2日後に、呼吸の状態が悪くなり、呼吸不全で緊急入院しICUに入った関係で諸々の更新や訪問が遅れています。
本当に中々行けずにすみません。
何とか急性期は乗り越えたものの、今はたん吸引、鼻から栄養を入れている状況で、年齢的に自宅に帰れる事は難しいかもと言われてますが、そろそろ転院をと言われたので、嚥下機能訓練などもしてくれる病院を探している所ですが透析もあるので受け入れてくれる所も少なく、今日も今から1件見学してきます。
近々更新、訪問できればと思ってますが……いつもこんなですみません。

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