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婚約者候補筆頭なんて知りませんッ

婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第3話 彼女との関係性

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 シュヴァル国王太子である私には、過去から現在に至るまで数多くの婚約者候補が存在した。
その数総勢26名。
 よくもまあこれだけ多くの候補者を選定し、探し求めて来られたものだと感心もするが、これが我が国における王位継承権を持つ男子の定めなのだから致し方ない。
 多くの選定は国王を始めとする国の重鎮等で決められるが、中に1人だけ私が熱望しその座に収まった者がいる。
 彼女の名はフィフィアナ・シルビア・ローゼリアン伯爵令嬢。
 騎士を多く輩出している名門家の令嬢で、現在彼女が私の婚約者候補筆頭の地位にある。
 通常この地位に立てるのは『妃となる者は17歳の高貴な娘』と定められている為、多くの場合は婚約者候補の期限の迫る者となる。
 が、そんな中にあっても、常に彼女の存在は私にとって一番気にかかる存在で、別格扱いだった。
 生まれた頃より知っているという事も勿論あるが、決してそれだけではない。
 その事を強く認識したのは、今から4年前。
 4歳年下の弟が、当時の自らの婚約者候補筆頭との結婚を決めた話に遡る。


「えっ? 私にも現在の、婚約者候補筆頭の者との婚姻を薦めよと言うのか?」

 とんだ巻き添えを喰らった事があった。

「はい。王太子殿下よりも先に第二王子が妃を迎える事への体裁もございますが、今回の件はフランシス殿下の堪え性の無さが招いたと言うのも事実。とは言え20代と言いますと心身ともに何分活力の漲りの著しい時期。ですが現体制下では殿下等の生理的欲求を満たす相手をこれ以上増やす事もままならないと言う声が度々聞かれており……」

 私達男性王族の性的欲求の捌け口となる相手は、求めれば定期的にそれなりの相手が用意されるが、その頻度は平均的に見てあまり多いとは言えない。
 もしものことが有った場合、相手が誰でも良いと言う訳にも行かない事から選定にもそれなりの時間がかかるらしいのだが、私は今までその事に苦労を強いられた記憶は無かった。だが弟は私よりもそういうものに対する欲求が強かったようだ。
 ついにはまだ正式に話を勧めてもいなかった婚約者候補筆頭にまで手を出してしまったのだ。
 婚姻に至るのならば相手が婚約者候補筆頭の場合、現実的にはそう問題は無いのだが、体裁としては確かにあまり良いとは言えない。
 更に弟の場合、妃となる相手が既に懐妊中と言う事が、また話に拍車をかけたようだった。

 私の事を配慮し、周囲にいる者たちの気が急くのも分からなくもない。
 だが、この時の私に婚姻を急ぐ理由は他には無く、一生の伴侶を体裁を取り繕う為に決めると言うのも些か納得がいかなかった。
 とは言え周囲の反応はそれを簡単に口にできる状況ではない。
 次から次へと説得の言葉が紡がれていく。
 煩わく思えるくらいに……。

「聞いておられますか?殿下」

「……ああ」

 ハッキリ言って『聞き流していた』と言うほうが正しい状況だった。
 白熱していく言動に、生返事の相槌を打つのもいい加減に疲れて来た時、魔がさしたとしか言いようがない。
 話を収めようと言う気持が強く傾いたのか、つい、私は中途半端な返答をしてしまった。

「……分かった。まあ、考えてはみる」

「有難うございます!」

 中途半端に『考えてみる』等と言う返答をした事に後悔を覚えるのにさほど時間はかからなかった。

 いつの間にやら水面下で、この話は勝手に大きくなって行き、ついには私の行動範囲にまで規制的発言が聞かれるようになって来て、私は大いに慌てた。

「フィフィアナ嬢の誕生祝のお品の選定ですと? 何をふざけた事を仰っているのですか。既に他の方とのご婚姻を考えられている身なのですから、他の令嬢への贈り物は控えられるべきです。仮にもフィフィアナ嬢は婚約者候補だったお方。今後、私的な関わりは一切避けられて然るべきかと」

「……今、……ナント言った……っ」

 明確な判断を下した覚えもないのに、何時の間にやら他の婚約者候補たちの存在が、過去形で語られるようになって行き、更には自身の中で毎年一番楽しみにしているイベント事の鼻先を折られ、私の中で急激にふつふつとした怒りがこみ上げて来た。

「はあ?」

「お前はフィフィと私の関わりを……、一対何だと思ってるッ』

「あの……、殿下?」

「簡単に断ち切れと言うのか?私にフィフィとの関係を!」

「しかし、殿下……っ」

「それは、絶・対・に・無・理・だッ!」

 私はそれまで自分の中で感じていた以上に、彼女との関係を自身の中で大切にしていた事に、初めて気づいた。

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※HDD生きてました^^ 良かったTT
まだ新しいPCに慣れなくて、中々使い勝手が難しいですが、何とかスローですがUPしていきますので、引き続き宜しくお願い致します。



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~ Comment ~

NoTitle 

どうなんでしょうね。

以前もお話したと思いますけど。

織田信長の息子の信忠は
武田信玄の娘と婚姻関係にあったんですけど。
外交情勢の悪化で婚姻関係は破棄になって。
それでも、信忠は結婚したい!!ということで、
正室は持たずに側室しか持たなかったですからね。
武田家が滅んで、
信忠は武田信玄の娘を必死に探したらしいですしね。
そして、武田信玄の娘を見つけて、結婚しよう!!
・・・と思った矢先に本能寺の変で死んでしまうという。。。
武田信玄の娘は信忠が死んだことを聞いて、尼になって、
死ぬまで信忠のことを祈っていたという話らしいです。

良家どうしの結婚で大変だなあ。。。
って思いますね。。。
かえって、何も関係ない下女と結婚した方が色々と楽ですけどね。

LandM 様 

今晩は。

恋愛ものに家同士の揉め事だったり、色々と障害はつきもの。片思いであっても恋愛事は成就しない。伝記ものの中にも色々と楽しいものが沢山ありますね^^
そんな読んできた書物などの影響も受けながら、きっと私の中で色々な物語が生み出されていくのだと思いますが、単純な恋愛ものもは安心して読めるからいいけれど、私は色々と引っ掻き回すのが好きなので今回も色々な変化球を混ぜていくことになると思いますが、いろんな逸話を思い出しながら楽しんでいただければ幸いです^^

いつもコメント有難うございます。
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