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婚約者候補筆頭なんて知りませんッ

婚約者候補筆頭なんて知りませんッ 第8話 何を仰っているんですか?殿下ッ

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 突然殿下に抱きすくめられて、おそらく今、私は耳まで真っ赤だ。

 ヤバいッ!

 胸の鼓動はせわしなく高鳴り続け、治まる事を知らない。心臓に手を触れなくても耳の奥から激しく鼓動が聞こえてくる。
 殿下にその事を知られてしまったらと思うと、落ち着いてなど居られる訳もなく、慌てて取り繕おうと言葉を吐き出せば、何やら更に可笑しな状況に陥ってしまった事に気付いた時には遅かった。
懸命に胸を押しながら否定してみたけど、それはどうやら信じてくれそうもない。

「そう……。そうなんだ。私を好きだと言う自覚は、既にあったんだ」

 微笑を浮かべ、微笑む殿下とは対照的に、何処かバツの悪そうな表情をする私。

「違いますっ。今のは殿下の聞き違いです。間違えです!」

「ふーん、そう」

 幾ら私が否定の言葉を断言するも、殿下は今更それを受け入れる気の全く無さそうな表情で、何処か余裕すら感じられる。
 とても腹が立つッ。

「こっ、言葉だものッ。言い間違える事もあるでしょう!?」

「普通はこういう事は絶対に言い間違えはしないと思うよ。瞬間的に零れ落ちた真実。そう解釈すべきだと私は思うけどなぁ」

「……それは、ご自分に都合のいい考え方過ぎませんか?」

「如何だろう」

 微笑を浮かべながらも何処となく楽しげに見える殿下の表情を眺めていると、段々とそれ以上言い返すことは困難のように思えてくる。
 肯定もしなければ否定もしない。私とは違って余裕がありすぎる状況のように感じられ、全く対抗出来る気がしない……。

「私は君の今までの行動は、無自覚から起こされる所業の数々と思っていた。君が妹を思う気持ちを気遣って、色々と付き合ってあげたりもしたけれど、君がそう言う出方をするならば、今後は私にも考えがあるよ」

「かっ、考えって?」

「こうなったら、私ももう手をこまねいている気は無い。それに、私達にはもうあまり時間も残されていないしね」

「なっ!」

「君の婚約者候補筆頭期間はあと10日余り、事は急を要する。諸々の手続きの書類は既に私の手元にあるし、大々的な式典は勝手には進められないから後回しでいいよね?」

「よっ、よよよ良くありません! 私は認めていません! 勝手に話を進めないでください。こんなに急に私と事を進めなくても、貴方にはまだ沢山の婚約者候補がいらっしゃるのにッ、そんな、止めてください!」

 まさかの殿下のあまりの強行突破作戦に、私は慌てふためいた。

「私は君が良い。君以外要らない。今までも散々そう言って来ただろう?」

「ですが私は、お断り致しました!」

「私は納得していない」

「っ……」

 駄目だ。これでは堂々巡りだ。
 殿下を黙らせられる手立ては他に無いのかと頭を抱えていれば、彼から新たなる言葉が投げかけられた。

「ねえフィフィ。やろうと思えば私は今までも強制的にでも君を妻に迎える事を許されていた身なのに、けれどそれをしなかったのは如何してだと思う?」

 殿下にそう告げられて、初めてその事に気付いた。
 そうだ。その通りだ。
 確かに殿下はそれが許される身だ。
 彼のこの必要なまでのしつこさを考えれば、今までそれをしなかった事こそに何処か不自然にさえ感じられる。何故だろう?と思っていれば、更にこう告げられた。

「相手が君以外の……、王家にふさわしいと言うだけの唯の女なら、強制的に相手を手に入れて形だけの夫婦となる。そう言う関係でも一向に構わなかった。王族の結婚にはそういう形も良く耳にするからね。けれど君に関しては譲れないッ。絶対に駄目だと思ったんだ。私は君の心ごと欲しからね」

「殿下……」

 そう告げられて、殿下とは今まで本当に色々あったけれど、とても大切にされて来たのだと思えてきて涙が溢れそうになる。
 これ程までに自分の事を考えてくれている殿下を、私はこれ以上拒み続けてもいいのだろうか?
 けれど、妹は裏切れないッ。
 自らの気付き始めた想いと、姉妹への愛情の狭間で心が揺れ動いていた時だった。

「……けれどそれも、ここまで来ると流石に限界だから」

「……期限的な問題で、……って事ですね?」

 色々と綺麗ごとを言っても、結局はそう言う結論になるんだ等と考えていれば、殿下から更なる突拍子の無い発言が投下されて、私は頭を抱えてしまう。

「ねえ、フィフィ。子供には両親が必要だよ?」

「はあ!?」

 突然、何を仰っているんですか?殿下ッ
 話が全く見えません!!

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